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第02稿07話~トキトー領、到着9~

昨日はあふぉになってて。タイトル番号をミスってた模様です。


__遊び人|食堂


 あの後、アナが夕食だと伝えに来たので食堂までやって来た。


「トキトー家の夕餉、楽しみでござるなぁ」


 生徒は皆集まってるな。あとはうちの家族か。


「お坊ちゃま!さぁさ、こちらへ、ご学友様方はお好きな席にお座りください」


 食堂に入ると勇者PTと話していたゴートがこちらに来た。


「悪い二人とも家族席みたいだ」


「良いでござるよ」


「気にしないで、家族サービス家族サービス」


  2人と別れて案内された奥の席に座る。

 勇者の視線が痛い。勇者が何故かガン見してくる。

 何故か家族席近くに案内されている勇者。

 勇者の視線を受けつつ待ってると家族がやって来た。


「お兄様ーお帰りなさい—」


「お兄ちゃんお帰り!」


 妹のアイとマイが両隣を占領してくる。


「ユウ様、失礼します」


 カシワギが更に膝にモコを座らせて来る。

 同級生のドン引きの視線と勇者の羨ましそうな視線が痛い。


「あ、にーにだ」


 モコは膝に座ると俺の事を認識したようでしがみついてくる。まて、しがみついてくる力が強い。指先がめり込んでいるぞ。


「モコ、ちょっと力を緩めてくれないか?」


「やー」


「……そうか」


 親父が席に座って話し始める。


「さて、皆さんここ迄、お疲れ様です。うちにいる間はユウが作った調味料を使った料理を楽しんでくださいね」


 そう言って配膳されたのは味噌汁に魚の照り焼き、炊き込みご飯に野菜のお浸し、白菜っぽい漬物が出て来た。


「王都にはまだ調味料出回ってないっすよね?なんでっすか?」


「今回の開通で輸送ルートが出来たから何れ出回るだろう」


「あぁ、その為にあんな道作ってたんすか」


「カルラの為だ」


 カルク王子はシスコンという奴だな。それか勇者と同類。

 ん?俺もシスコンだと思われてるのでは?


「お兄様、聞きたい事があります」


「婚約者連れて帰って来たって本当?」


「そんな訳ない」


「どんな方かは知りませんが私は絶対認めませんから」


「認めてくれないと助かる」


「……?お兄ちゃんが持って来たんじゃないの?」


「まさか、外堀埋めようとしてる子が1人居るだけだ。随分直球だったけど」


「お兄様と釣り合うとでも思ってるのかしら」


「らー!」


 おぉ、モコまで反対か。よしよし、頭を撫でてやろう。


『犬と同じ扱いは笑う』


 どっちも可愛いじゃないか。



 食後、呼び出されたのは勇者PTと王子組と俺ら3人。FF商会の話についてだ。


「そろそろ、PT名決めるでござるか?」


「2人の元々のPT名って何だったんだ」


「拙者らは仕事人でござる」


「必殺、忘れちゃ駄目だよ」


 俺らだけ別の話をしている。


「んん、という訳で王子にはうちの息子とゴート、そして勇者PTに護衛をして貰おうと思う。良いかな?」


「分かった。カルラを優先的に守って貰いたい」


「りょーかい!カルラちゃんよろしくね!」


「えぇ、よろしく」


「そして、突入はカタナ君とロックオン君にお願いするよ」


「了解でござる」


「分かった。出来る限り迅速に終わらせるよ」


「うむ、では皆さん後はゆっくり休んでね風呂に入りたかったら近くに居る侍女か執事に言えば案内してくれるよ」


 王子組達が出て行った。


「あ、父よ」


「ん?どうしたんだい息子よ」


「書庫に魔女と聖女を案内しても良いかな?」


「あぁ、構わないよ」


「よし、許可もらえたから行こうか魔女&聖女」


「コンビ名かしら」


「ユウ君!私も!」


「ユウは忙しいんじゃなかったかな。うちの妹3人は強敵だけど書庫に行ってる暇ある?」


「はっ!ここは引くべし引くべし」


「トキトー君もしかしてだけど満更でもないのかしら?」


「は?」


「いえ、だって家族の攻略を進めてもらうなんてそう思っても仕方ないと思うわ」


「あ、そうか。やっちまったか」


「貴方なら安心してユウを任せられるわね」


「任せないでくれ。死にたくないしな」


「あら、どうして貴方はあの子と一緒になるイコール死ぬと考えてるのかしら」


 あれ?何でだ?呪いが一緒の間は打ち消されるからか?空気の呪いが無いと生きていけないと思ってる……?


『呪いはあくまで副次的な効果だ。大きな動きをしなけりゃ遊び人でも死なないと思うけど』


 それと転生した世界ってここ以外もあるのか?


『あぁ、無数にあるぞ』


 転生者が放浪者やイレギュラーになったりすることは?


『あることもあるぞ』


 その中に遊び人は?


『い――。ある』


 成程。ふむ。


「トキトー殿。拙者も書庫について行っていいでござるか?」


「良いぞ」


「それで、答えは出たのかしら?」


「勇者についてはどうしてあそこまで好かれているのか分からないしな」


「はっはっは、助けた方は覚えて無くても助けられた方は案外覚えているものでござるよ」


「カタナ君?貴方、何を知っているの?」


「拙者は見て聞いて感じた事を知ってるだけでござるよ。同じ景色を見ていても人はそれぞれ違ったモノを視るモノでござる。さて早く書庫に行くでござるよ」





次回、遊び人、勇者について考える。お楽しみに


それでは皆様また明日。

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