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第02稿07話~トキトー領、到着7~


__忍者|??


 犬を追いかけ外に出ると通路の角でこっちを向いてお座りをしていた。追いかけると逃げ更にその先の角で待つ。おかしいでござるな。追いつけないでござるよ?


 数度繰り返すうちに、とある部屋に入った。ここは……ただの空き室の様でござるな?


「ワンワン、僕と少し遊ぼう?」


 ふむ、声変わりしてない中性的な声でござるな。口元が動いてないでござるが何処から声を……それよりもでござる。


「犬が喋った!!やはり聖獣でござったか!」


白い犬が青白く光、まだらな藍に染まって行く。


『……試練が与えられたようだ。ちょっと救援呼ぶから耐えてね』


 ちょっと、不吉な事を言わないで欲しいでござるよ?

 ちょっとワンちゃんの雰囲気が邪悪っぽくなってるのは気のせいか。

 邪獣でござったか。

 血が通ってない時点で気付くべきだったでござるか?

 敵でござるか?

 いや、耐えろという事は味方でござるかね?

 拙者、脳筋だから分らないでござるよ?


 つ・ま・り、ヤってしまっても構わないでござろう?


 血の衣を血の鎧に変化させ覆面を鬼の面と兜に換える。

 1対1ならば、この状態で構わないでござろうよ。


「相手にとって不足は無いね」


「なぬ!?」


 目の前から一瞬で消え失せた!?拙者、戦闘中は瞬きしていないのに。拙者の動体視力でも捕らえられないとは。しかし、気配は後ろ。斬り伏せてやるでござる!


「破ぁっ!」


「さすが、良く反応出来るね」


 斬り伏せようとしたが、またしても気配が飛ぶ。また後ろ?今度は飛び掛かってこない。

 見ると天井の隅に貼り付いていた……

 何でござるか?犬型がどうやって天井に貼り付けるでござるか?

 もしかしてそのもこもこの毛皮は吸盤にでもなってるのでござろうか?


「君は僕が犬でない事に気付いてたでしょう?だから、ちょっと正体明かして内緒にして貰おうと思ってね」


「聖獣でござるか?」


「いや、僕はご主人様子飼いの猟犬だよ。こんな見た目でも優秀なんだよ!」


 舌を出してヘッヘッと息をしている姿は正に犬。天井に貼り付いていなければ。


「猟犬……でござるか?」


「まぁ、あくまで犬の姿してるからそう呼ばれてるだけだよ。僕はティキ!ご主人様が付けてくれたんだ」


「はぁ……それで、戦わなくて良いでござるか?」


「あくまでデモンストレーションだからね。君、力を見せた方が早いと思ったし」


「そうでござるか。それならそうと言うでござるよ。秘密にしろと言うのならするでござるし。元々、トキトー殿に危険が無いのなら言うつもりも無かったでござる」


 鎧を元の装束に戻す。


「まぁ、話を通してるのと通してないのじゃ大きく違うでしょ?」


「一つ、ご主人様って言うのはトキトー殿でござるか?」


「僕のご主人様はアナだよ」


「成程でござる」


「キュウン」


「突然どうしたでござるか?」


 天井から降りてきて白い毛並みに戻っている。


「おーい、カタナ大丈夫?」


「そう言うコトでござるか。問題は無いでござるよ」


 扉の向こうからロックオンの声が聞こえた。

 どうやら救援とはロックオンの事だったらしいでござるな。


「おぉ、ティキ。こんな所まで来てどうしたんだ?」


 空き部屋に入って来たトキトー殿はティキ殿に気付いた様だ。

 ティキ殿を抱き上げ毛が無くなりそうなほど頭を撫でているでござるな。

 これが俗にいう可愛がりと言う奴でござるか?

 気持ちよさそうな顔をしてるでござるな。舌が……伸びてるでござるね?トキトー殿からじゃ見えない位置でござるが……ロックオンは。


「ねぇ、カタナ。犬にしては舌が蛇みたいに長い気がするんだけど気のせいかな?」


「犬なら舌が伸びる事もござろう」


「流石にソレは……」


「問題はないでござるよ」


「……そうかカタナがそう言うならそう言うコトにしておくよ」


「何かあったでござるか?」


「FF商会の拠点制圧を2人ですることになったよ」


「む?トキトー殿は?」


「トキトーが王子達の護衛してFF商会の誰かが接触してきたときに踏み込む事になってる」


「接触してきたのが下っ端だったらどうするでござる?」


「FF商会長が動くと確信もって言ってたから何か情報はあるのかも」


「成程、保護すべき人物等はどうでござるか?」


「人身売買をやってる可能性が有るって、その時は多分牢か拘束されてたり服で分かるでしょ」


「そうでござるな。分かったでござる。ソレ以外は砂になってもらって構わないという事でござろう?ここに至るまでも補給はしたがあるに越したことは無いでござるからな」


「あの丸い玉はこっちの状況が分かるんだろ?王子の護衛に一つ持っていけば接触してきたら直ぐに行動出来ると思ってな」


「そうでござるな。良いでござるよ。では持っておくでござる」


 人差し指を立て指の先に玉を作る。ついでに糸も付けて放り投げる。


「首にかけておくのが良いでござるよ」


 トキトー殿は顔面で丸い玉を受けてたでござる。取り敢えずティキ殿を撫でるのを止めれば良いと思うでござる。



どうも後書きです。

角に移動するわんこです。猫かぶりならぬ犬かぶりです。しかも、喋ります。と言うか脳内に語り掛けてきます。

という訳で不可侵条約を結んだ犬と忍者でした。

次回は怪奇のっぺらぼう追跡ミッション!お楽しみに。

それでは皆様また明日。


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