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第02稿07話~トキトー領、到着6~


「で、父よ。どういう事なんだ?」


「ふむ、まさか。勇者を釣って来るとは思わなかったぞ息子よ。大物、釣り過ぎだろう」


「いや、あの試すような条件は何だって」


「いや、そりゃ。試す為の条件ですから?お前、忘れてるかも知れないけど、うちの領さぁ結構、重要な場所なんだよ?勇者だから駄目だって言っちゃったけど。それが理由で止められたらお前が危ない。お前が危ないとうちの領が危ない。うちの領が危ないと……魚類の流通が止まる」


「あぁ、だからか」


「そ、本当は私の妻までで良いんだけど娘達を含めたのは難易度をあげる為だよ。流石に勇者じゃ侯爵の妻の仕事まで背負わすには大変だ。ただ、2人が思い合ってるのなら問題は何もない。なんてったって王族とすら戦える地力もあるしね」


「分かった。父がそう言うのなら従おう」


「……その、話の途中で悪いでござるが。ティキ殿をそろそろ離してあげた方が良いのでは?」


 どうやら、ティキの頭を撫ぜ過ぎたようだ。これ以上は禿てしまう。気付いたらアナも居ないし。よし、カタナに任せるか。


「おっと、カタナ。ティキを頼む」


「え?拙者でござるか?ちょ、待つでござる」


 あ、ティキが部屋の外に逃げてった。アナの所に行ったのか。カタナも一緒に出て行ったけど。ロックオンはそのまま居るか。まぁ、ロックオンなら良いか。


「勇者については置いておこう。FF商会についてだ。今回、お前を王子殿下と王女殿下の案内に付けたかったのはFF商会が絶対仕掛けてくるのと領内でトラブルが起こされると困るからだ」


「成程、でも俺らダンジョン攻略しに来たんだけど」


「ふむ、そうなのか。そうなるとゴートも」


「いや、今回は未踏破ダンジョンが目的だからゴートは要らない。ロックオンとカタナが優秀だからな」


「分かった。では王子達の方にはゴートと」


「勇者PTにも任せれば良いんじゃないかな。あとノーライルには事情を話しといた方が良いです」


「あぁ、夕食の時に事情は伝える予定だった。そうか、勇者PTがついてると知れば」


「ダメ、絶対。街に被害が出る」


「あぁ、勇者に街で対処されると確かに街に被害が出る可能性は高いな。だからお前に動いて貰いたかった仕方ない」


「証拠は?」


「営業届けの偽造……の筈だ」


「裏は?」


「取れていないが踏み込む手筈は整えている」


「ゴートだけじゃ駄目だったのか?」


「いや、隙が無かっただけだ。ずっと拠点に居座ってたからな。王族が来ると言う情報を流したおかげで釣れそうな感じ。最近の行方不明事件も恐らくFF商会の仕業だろうからなるべく早く仕留めたい」


「成程、生死は?」


「問わない。異物は排除したいし。でも生死?お前なら生かして捕らえるのは簡単だろう?」


「よし、じゃぁカタナとロックオンに殲滅してもらおう。王子達には俺が着く。釣れたのが確認出来たらカタナに指示するからその時に突入で良いか?」


「良いの?僕らとしてはと言うかカタナとしてはありがたい話だけど」


「良いぞ。だけど逃がさない様に頼む」


「頼まれた。詳細は夕食後に詰めよう」


「息子に任せてれば良いのは非常に楽だな」


「……妹達が陥落したらどうする?」


「はっはっは、しないだろう。ゴートも一筋縄ではいかないだろうしな。しかし、お前はどうして執着されるんだろうな。私は執着しない性質だがお前だけは手放してはいけない気しかしないんだ」


 そう言えば、なんで呪いのせいで空気だけど、こういう状態になってるんだ?


『あぁ、ほれ、魅力取らせたろアレだ』


 あれって空気の呪い打ち消せるのか?


『忘れられる事で大事さに磨きがかかる。で、人は慣れが入るからな。ゴートの忠誠心と言うか心酔は元々持って生まれた個性だと思う。あと恐らく勇者にゃ効いてない。効いてないでアレだ』


 勇者どうしてああなっちゃったんだ……


『アレばっかりは分からん。……昔、何かあったとかじゃないか?』


 勇者と会ったのは入学式の時が初めてだろ?


『いや、て――――。あー言えないみたいだな。これならどうだ。生まれる前の話だ』


 転生前で勇者と会った?


『……』


 おーい?


『駄目みたいだな?——え?ハ——』


 反応が無くなった。NGワードに引っ掛かったのか?


「詳細はゴートが知ってるのか?」


「あぁ、よろしく頼む。一応、宰相と国王からは許可を頂いている作戦だ」


「そんな重要な作戦なのか」


「まぁ、王族を囮に使おうって言うんだからね。ちゃんと許可は取らないと後々大変になっちゃうから許可は取ったんだよ」


「あぁ、成程」


『おい、忍者の所に行け』


「……トキトー君、問題発生。カタナの所に行こう」


 息ぴったりかよ。お前ら。


「何が?」


「いや、行かないといけない気がして」


「父、退出してもいいか?」


「うむ、良いぞ。息子よ」


「行くか」


「失礼しました」



今話は後書きを連続で書いています。

ワカ・トキトーは国王と宰相だけで話せる仲でもあります。

哀れFF商会は逃げれるのか、カタナとロックオン投入で察しですね。


次回、怪奇!ポメわんこVS血闘脳筋忍者。お楽しみに。

それでは皆様また明日。

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