第02稿07話~トキトー領、到着4~
__遊び人|トキトー邸
うちに着いた!馬車から降りた瞬間、足元に白いモフモフがすり寄ってくる!おお、ティキは可愛いな!よしよし。
足元から拾い上げ撫ぜまくる。白いポメラニアンのティキだ。やはり、白い。真っ白だ。
「クゥン」
円らな瞳で仲間になりたそうにこちらを見ている。大丈夫だ。もうすでに仲間だ。
聖獣と言われて見れば。これほど綺麗なわんこは居ない!
ちょっと贔屓目で見すぎているか。よしよし、顎の下を撫ぜてやろう。
「カタナ。この子だ。ティキって言うんだ」
「えぇ……ちょっと待つでござるよ。やっぱり聖獣幻獣の類ではござらんか?」
「オヤ?流石、忍者スタイルを纏ってる者デスネ。良くお分かりデ」
「なに、この似非外国人風の喋り方する人」
「アナ!久しぶりだな」
「オー、ユウ、お久しぶりデースネ」
親戚であるアナー・パペット。俺と同じく黒い髪に黒い瞳。ん?何処となくフールに似ているな。
趣味の悪い服装ではないけど。真っ黒の服装でもないな。イケイケハデホストがフールだとして。
アナは落ち着いた……アロハシャツ?あれ。なんで、金髪。一瞬、アナの髪の色が金髪に見えた。
うん……似非外国人……頭が痛い……何か忘れている様な気がするが。
『思い出せ思い出せ』
まぁ、良いか。あれ、そう言えば聖獣だって。今、認めなかったか?……気のせいか。
『はぁ、駄目か』
何か言ったか?
『いや、気にしなくて良い。どうでもいい問題ない事だ』
「元気か?」
「万事変わり、ありまセーンヨ!そちらもお元気デシタカ?」
「ああ、ちょっと空飛んだりしてたけど大丈夫だった」
「空……デスカ?」
空を眩しそうに見上げている。そして、こちらを見て快活なイケメン笑顔で。
「楽しそうデスネ!」
何じゃそりゃ。……あ、察し。
「では一緒に空を飛びまショウ!そうデスネーこれで遊びましょう!飛翔!」
……止めて!重力が無くなって身体が浮いていく。あぁ、もう逃げられない。
ぎゅっとティキを抱きしめ空を飛ぶ覚悟した瞬間。足を引っ張られ地面に戻っていた。
「大丈夫でござるか?」
足にカタナの血の蔦の様なモノが巻き付いて地面まで下ろしてくれたようだ。
「ありがとう。流石に俺もう空は飛びたくない。地面に足を着けておきたい。俺は空を飛べるように出来てないから」
地面が恋しい。この人は賢者モドキらしく。色々な魔法を使って悪戯するのが好きな人だ。
子供か。子供だな。うん。この悪戯っ子め!アナの見た目は20代後半だけど。
ちなみにゴートの眼に魔法陣を刻んだのもアナだ。
「それはそーりーデシタ」
「おい、ユウ・トキトー。そろそろ我々を領主に面通ししてくれないか?」
「すまん。忘れてた。という訳でアナ、また後でな」
「おー、そーりーそーりー。王族たちを放置とは申し訳ナイデスネ」
「私達が王族だと良く分かったな?」
「コレでも私は領主のアドヴァイザー。報告は入って来てマスヨ」
「アドヴァイザー?」
「エェ、コレでも私、魚人族とも仲がイイのデス!」
「橋渡し役と言う事か?」
「私も引率として一言挨拶をしたいですね」
「そう言うコトになりマスネ。ママ、立ち話もアレデスし中へどうぞどうぞ」
アナの先導に着いていき。父の執務室まで来る。良かった。妹達とは遭遇しなかったようだ。
ノーライルとはあんまり会わせたくないしな。チャラっぽいし。何より敵対的だしなぁ。
はい、こんにちは。補足です。死にかけた時に話した内容を遊び人は思い出せませんでした。
なので、あのような反応になったという事です。
そしてアナー・パペットの台詞は読みにくいと思いますが。アレが彼の仕様なので許してください。
白いポメは私の妄想です。(確信。
うちのポメは柵で囲って外に出られない様にしてるのに庭からいつの間にか外に出ています。
中に入れてあげようと思ったら。柵の外の道の向こうから走ってきます。
結束バンドとかで出入口を塞いでいるのに謎です。
ケージの中にいたはずなのに外に出ている事もあります。
きっと角に転移する能力でも持っているんでしょう。
あ、コレ、ネタバレになりますかね?忘れてください。
ちなみにうちの子の名前はCARDEA。敷居、蝶番の女神の名です。
番犬です。ちっこいもふもふですけど。
この話も結構長くなります。次回、暴走勇者VSトキトー領主。
それでは皆様また明日。