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第02稿07話~トキトー領、到着2~

枯れ専な訳じゃないんだからね!!主人公達よりも説明濃ゆいのは認めます。

ユウ・トキトー枯れ専疑惑(大嘘


__遊び人|トキトー領、近郊


 森を抜けるのはとても早かった。装甲馬車内で迫りくる勇者の手から逃げ回ってたらついてた。


「お待ちしておりました。お坊ちゃま」


 うちの執事が待ち構えてた。彼の名前はゴート・ジェンスケープ

 銀髪と言うよりも短く狩り揃えられた白髪に控えめな同じく揃えられた髭。

 ナイスミドルよりも年上の紳士然としているヴァイタルシニア。

 ピシッとした黒い執事服は昔、俺のお付きになった時に贈ってあげた物。

 何せ俺だと大々的に表に立っても印象に残らない。

 代わりに表に立ってもらう事にした上で服と言うモノはとても重要だ。

 そして特徴的なのは白銀の両眼の内、左眼に浮かぶ黒い小さな魔法陣。

 PTの装飾品みたいに設定された人物の場所が分かる魔法を左眼に刻まれている。

 その精度は装飾品とは比にならないが刻まれた眼に直接映し出される為に刻まれた眼は使い物にならなくなる。

 これを刻まれているのは彼だけだ。つまり彼だけが設定されている俺の位置を完全に把握出来る。



「それでは、お坊ちゃまはこちらに」


「よし、この二人は俺のPTのメンバーだから一緒に連れて行く」


 ロックオンとカタナを紹介しないとな。


「拙者はカタナでござる。よろしくお願いするでござる執事殿」


「僕はロックオンよろしくお願いします」


「私はお坊ちゃまの右腕、ゴート・ジェンスケープと申します」


 紹介する前に自分達で自己紹介終わらしたな。まぁいいや。

 トキトー領の海の波が歯車に絡みついている紋章の描かれた馬車に乗り込む。


「これは凄いでござるな。なんと言うか、本当に貴族だったんでござるな」


 シックな琥珀色の木材と丁寧になめされた皮のソファ。

 金銀財宝で装飾はしていないが一見して、この世界では高級な分類に入る筈。


「疑ってたのか?」


「まぁ、僕ら2人は冒険者だからね。貴族だろうと平民だろうと王族だろうと商人だろうと関係ないよ」


「今は同じ学園の生徒だし、呪いのせいで俺はまともな教育は受けてないからな」


「拙者、そう言えば話があったんでござる」


「ん?話って何?」


「実は昨日の夜の事でござる。森を切り開く直前に追手が引っ掛かれば良いなと思って置いといた血の塊が消されたでござる。金髪に紫の瞳をした人間……というよりも魔族でござろうか。変なもわっとした塊からその姿になっていたでござるよ」


「魔物がこんな深くまで来ていたのか?」


「独り言ブツブツ呟いていたでござる。どうやらトキトー領にはアイツと呼ばれる何かが居て深きもの達と協力していると言っていたでござるね。深きものって知ってるでござるか?」


「多分、海の深い所に居る魚人の事かな。結構浅い方には人魚位の人だって分かる魚人族が多いんだけど深くなると手だけとか頭だけ人間とかそう言う子も生まれるらしい。そういう子達は深い所で暮らしてもらうんだと。間違って網に掛かって死なない様にって感じだな」


「その深きもの達とアイツが繋がってるらしいでござるが。アイツと呼ばれる人物に心辺りはあるでござるかね?」


「アイツだけじゃ分かんないな……」


「そうでござるか。味方に引き入れたら楽になりそうな感じではござったが」


「ピースが足りないね。トキトー領での目標も軽く決まったね」


「失礼、坊ちゃまに色々、報告する事があります。少々、時間を頂いても良いでしょうか?」


「む、どうぞでござる」


「大丈夫だよ。どうぞどうぞ」


「ありがとうございます。では、ブレイクタイム商会ですが、現在は生産と販売のみの状態です。ブレイクタイム商会に商談があると言っている者が4名。商会長に会いたいと言ってる者が10名程ですね。

 万事問題なく稼働はしておりますが愚かにも手を出してきた者達は旦那様に通達して対処して頂いてます」


「手を出してきた内容は?」


「工場区に侵入して生産機器を盗み出そうとしたりしましたが捕まえて旦那様に引き渡したり従業員を恫喝して作業妨害を致しましたので同じく捕まえて旦那様に引き渡したりいたしておりました」


「成程、その程度なら問題は無いか。領主の商会に手を出すとか愚か過ぎだろ……そう言った情報も調べられないよそ者ばっかりなのか」


「裏で手を引いてるのは、エフエフ商会だと思われます」


「あぁ、あそこか。人身売買とかやってるとか噂がある」


「そこならば拙者も知ってるでござるよ。殺し屋とかも雇ってるみたいでござるね。拙者らも勧誘を受けたでござる」


「勧誘と言うか拉致られそうになっただけだけどな」


「うーん、放置して治安が悪化すると困るんだよね。代表は?」


「コバルト・ハウンドと言う人物が商会の頂点に立ってるそうです。見目は醜悪な豚……と言った所でしょうか」


「もうちょい詳しく」


「でっぷりとした腹に肌色のオークの様な顔ですね」


「……オークなら間違って討伐しちゃっても良いんじゃないかな」


「ちゃんと服着てるから駄目です。お坊ちゃま。過激になられましたね」


 確かに、ロックオンとカタナに影響を受けたのかちょっと暴力行為で納めようとしてしまう思考回路になっているな。


「2人の影響かな。まぁ、眼に見えて敵対しなければ放置で、どうせ対処してたら相手の経費が嵩むだけだろ」


 この世界だと人材が何よりもモノを言う。何せ、スキルを使う事が出来ると言う事が人と人の格差を広げている。つまり、代わりと言う言葉が限定的になるのだ。向こうは人材を失って迄、うちにちょっかいをかけてるらしいがそんな事が続く訳がない。代わりの人材はドンドンと質が落ちて育成の手間がかかり金も無くなって行く。人材こそが商会で最も大事にしないといけない物なのに。


「潰すなら手伝うでござるよ」


「あの人達には恨みもあるしね」


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