表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/183

第02稿06話~これよりここを仮拠点とする5~


__魔女|装甲馬車


 ノーライルの指示通りに装甲馬車の中に入る。


「あ、スノウ!ココノ!お帰り!」


「上はどうだったんだ?」


「問題は無かったわ。中は広いのね」


「ただいまユウ。なにもなかった?」


「うんなかったよココノ~」


 聖女を抱きしめる勇者。男勇者なら映えたのでしょうね。

 ……これをトキトー君に置き換えてみよう。駄目だ。ココノの位置に収まってしまったわ。

 ユウがイケイケドンドンする未来しか見えないのは困ったものね。


 さてココノにユウは任せて私は目的の人物と接触しましょう。


「こんにちはセラフィさん」


「魔女様?どうしたんです?」


「クラスメイトなのだからスノウと呼んで欲しいわ」


「分かりました。スノウ、あ、聞きたいんですが。上の乗り心地ってどんな感じでした?」


「とても快適だったわ」


「魔力を動力にして鉄の塊を動かすって私、頭からすっぽ抜けてました。まぁ、別の事に掛かりきりになってたので無理もないですけど」


「別の事?」


「はい、叔父……学園長に頼まれて作ってるモノがあるんです」


「そうなのね。良かったら協力出来そうな事があったら言って頂戴」


「本当ですか!じゃあ、叔父様に許可を貰ったらお願いしたいと思います!」


「えぇ、分かったわ。うちの勇者が荷物運びでも採取でも何でもやってくれるわよ」


「え?勇者にお使いを頼むのはちょっと……畏れ多いというか」


「大丈夫よ。遊び人と一緒に行かせてあげれば喜んで行くわ」


「あ、そう言う事ですか。分かりました」


「私の方も研究畑なので。実戦派ですけども、仲良くしてほしいですわ」


「へぇ、この馬車の構造についてはどう思いますか?」


「そうね。見たところ軽量化と防音、強化系。それと昨日、魔導砲の様な物を使っていましたわ」


「魔導砲まで!興味深いですけど。残念ながら設計図の入手は難航しています」


「アレは燃費の悪さを物語っているわ。トキトー君が物資でごり押ししたけど」


「あの量のポーション、何処で手に入れたんでしょうね」


「自分で作ったらしいわよ」


「それは……錬金の腕はかなりいいですね。あれ上級のポーションですよ」


「そうなのね」


「多分、向こうに着いたら先生から話があると思うんですけど。トキトー領のダンジョンに潜る予定なのです。ダンジョンコアに用があって、その護衛をお願いする事になるかもしれません」


「そう、分かったわ護衛位任せなさい。勇者が道中の壁すら吹き飛ばしてくれるわ」


「いえ、壁を吹き飛ばすのはちょっと……」


「冗談よ」


≪あー、あー。仮拠点の為の広場作成が終了した。先生、拠点の設置をお願いするっす≫


 どうやら、今夜の宿に到着したようね。

 外に出ると周囲は丸太で埋まっていた。正しくは根本が引きちぎられた木ね。


「切り株?が邪魔で置くスペースがありません。どなたか土魔法で切り株をどけてもらえませんか?」


「私がやるわ。大地よ風よ!詠唱破棄!」


 大地が揺れ風が耕し、そして切り株を取り除いていく。


「うわあああ、馬車に向かって投げんなっす!」


 ノーライルが何か言ってるけど気にしないでおこう。


「ねぇ、ノーライル君。ユウ君が居ないんだけど何処に行ったか知らない?」


「ぐぇっ、ぎぶ、ぎぶ。知らん!降りたら!居なかったっす!」


「ロックオンくーん」


「こっちに来ないで!!」


 ノーライル君とロックオン君が犠牲になっていた。そう言えばトキトー君とカタナ君の姿が見えないわね。素材集めでもしてるのかしら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ