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第02稿05話~トキトー領への旅路3~


「敵がいる前方だ」


 空が赤くなって夕方位になった頃。ロックオンが敵を見つけたようだ。


「あー、進行方向でござるな。幾つかの人の気配と馬の気配があるでござるから商団が襲われているのでござろう」


「何処だ。見えないが」


 俺には見えない。街道の先を見ても地平線が見える位だ。


「私も見えないわ」


「おーい、ノーライル殿ー」


「分かっているっす。こっちも観測したっすよ。蹴散らしていくか助けるかどっちにするっすか?」


「蹴散らすでござる。経験値でござる」


「蹴散らすと助けるって、商団ごと蹴散らすか商団を助けるかって事かな?だったら助けるかな」


「蹴散らす論外じゃね?」


 どう考えても蹴散らすって言い方に良くない予感がひしひしと感じられる。


「蹴散らす場合っすと無差別に直線状に消し飛ばすだけっすよ。経験値にはならないっすねぇ」


 良くない。そんな攻撃、街道も消えるんじゃないか。


「それだったら助けるでござるよ」


 忍者も味方になったぞ。


「分かったっす。じゃぁ、止まらないっすから存分に助けてくださいっす」


 ミッションが酷すぎる。高速移動する馬車の上から商団を救出せよ。


「射程範囲内に入ったら撃ち放題だね。っとそんな事言ってたらもう射程範囲内だ。さぁ撃つぞー」


 と言ってスナイパーを構えるロックオン。あの魔銃形状が色々変えられるのか。

 やっと俺にも馬車が視認できる様になった。


「拙者はまだ届かないでござるね」


「私も届かないわ」


「カッコいいとこ見せちゃうよ。ファイアファイア×∞」


 長い、略そう。魔弾を撃ちまくるトリガーハッピー。カッコいいというか狂気に満ちた連射だ。良く息が続くな。しかし、スナイパーなのに連射が出来るとは。息が続く限りとは言え最強じゃね?サイレンサー付けても居場所がバレるのはあれだが。スナイパーの圧倒的射程から連射されたら溜まったもんじゃないな。


 さて、速い事だがもう結構しっかり見える位の距離になった大体10㎞弱。この世界の人はレベルで動体視力も強化されるんだから凄いよなぁ。ただ、俺の状態異常の射程は500m程、通常だと200mあれば良い方だけど固有スキルの範囲拡大で2.5倍もされている。まぁ、近ければ近い程掛かりやすいので射程はあまり関係ないが。


「拙者の攻撃もそろそろ届きそうでござるな。ここから斬って通り過ぎる時に回収、これで行くでござる!拙者の力の一つをお見せするでござる」


 力?まだ、他にあるのか?忍者の方を見ると両肩に黒い棒が生えていた。

 何か、忍者の漫画で見た事あるな。アレを刺したら意識を乗っ取れるとかそんな感じか?

 と思ったら忍者は両肩の棒を掴んで引っこ抜いた。何アレグロい、血が糸引いてるけど。

 赤黒い刀っぽいのを二本両手にそれぞれ持っている。そう言えば最初に王者の墓場様子見した時に刀持ってたな。


「じゃあ、交代しようか。マナポでも飲ませてもらおう」


「行くでござるよー刀飛術、飛燕X!!」


 と思ったら振るわれた二本の刀から×の字になって飛んでいく。恐らく血を飛ばしているんだろう。

 あぁ、力の一つ云々は魔女に対して言ったのか。


「今の技は……忍術じゃないのね?」


「侍の技でござるよ」


「別の職業のスキルが使えるのか?どうやってやるんだ?」


「あー残念でござるが拙者のジョブは忍者と侍、両方持ってるのでござるよ」


 残念、って言うか二つのジョブとか聞いてないぞ。


『あー、ジョブの選択肢が多いとそう言う事も出来る。残念ながら俺らは遊び人固定だから説明して無かっただけだ。ほら、呪いの効果を倍増して他の恩恵を増やす。アレの応用みたいなものだ。俺達はジョブ固定されてたから説明必要ないだろ?』


そう言う事か……と言う事は他にも必要ない事だから言ってない事ってあるのか?


『数えきれない程な。タウンページ位の厚さの説明書が100冊位の量だから言う必要が無ければ言わん。聞かれれば答えるけどな』


 うーん、ここにきて他人と交流するから色々と初耳が増えそうだな。


「弾けるでござる」


 信託と言う脳内通話をしてる間に飛ばした血が相手に当たったようだ。何か不穏な言葉が聞こえたが。

 見ると馬車達を囲んでいる盗賊の頭に赤黒いスライムの様なモノがへばりついている所だった。


「斬撃じゃないんかーい!」


「意表を突くのが忍術でござるよ?」


 なるほど、それはそうだ。っていやいや、忍術って言えば何でも許されると思ってんのか。

 頭を振り哀れな盗賊を見る。スライムは鼻と口から体内に潜り込んでいる様だ。

 うじゅうじゅと動いて完全に潜り込んだ後。


「まとめて美味しく戴くでござる!」


 忍者が手を振ったら盗賊の胸から触手の様なモノが生えた。アレはエイリアンか。ショッキングな光景で転生前に見た宇宙人の映画を思い出した。

 映画と違うのは繋がったままの状態だ。触手が二つに別れ強硬状態に陥った盗賊を鼠算式に胸から触手の生えたオブジェへと変えていく。

 宇宙人増殖の図。この忍者は宇宙生物だったか。



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