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第02稿05話~トキトー領への旅路2~


__遊び人|装甲馬車


 予想に反して、軽々と走って行く装甲馬車。馬の蹄の音がエンジンの音に聞こえる位に轟いている。

 馬車の速度じゃない。こんなのは魔物ですら追いつけない。って思うが装甲馬車の上から周りを見るとテトラのウルフ達はキッチリと距離を変えずに周囲に散っている。


「暇でござるな」


「暇が一番だろ」


「そうだねぇ、ワンちゃん達のお陰でそこまで警戒する必要もないしね」


「楽が出来て良いでござるが。血液確……経験値稼ぎがしたいでござるな」


「この速度じゃ。普通の魔物は追いつけないと思うが」


「普通じゃないワンちゃんなら追いかけて来てるけど。あれって魔物の狼なのかな」


「多分、属性の力を宿した狼だろうから魔物なんじゃないか。鑑定はしてないけどそんな気がする」


「あ、第四王子との接続は既に切れてしまってるでござるよ」


「そうなのか?昨日のせいか」


「まぁ王宮に行けば繋ぎなおせるでござるが行く暇も無かったでござるからな。まぁ数日は動けない筈でござる」


「どういう原理なの?」


「スキルの原理って物理法則とかそもそも無視してるし良く分からないよねー」


「そうでござるなぁ。自分の忍術もこうなるって結果は分かるでござるがどうしてそうなるのかは分からないでござるよ」


「そうだよねー。僕の魔銃も魔力込めて名前言うだけでその弾に変換されるしどうなってるのやら」


「カタナ君、昨日何かあったのかしら」


 勇者PTの魔女の人が話しかけてきた。


『お前、名前覚えないよなぁ』


 職業だけで十分だろう。名前は近くなったら覚えれば良いしな。


『それで良いのか……?』


 社交界とかなら相手の名前覚えるのは必須だけど社交しても黙ってたら話しかけられないからな。

 王子と王女の名前はちゃんと覚えてるぞ。カルク王子とカルラ王女だろ。


『家名は?』


 王族だからファンタシアだ。


「あー、ちょっと魔力過多の状態になってしまったのでござるよ」


「魔力過多……?会った時から私からだと既に魔力が多い気がしたのだけれど」


「そうでござろうな。ここからは企業秘密でござる」


「ふーん、成程ねぇ」


「スノウ殿は無詠唱を習得するでござるか?」


「出来る気がしないけど。頑張ってるわね。トキトー君は無詠唱が出来るのよね?」


「え?俺か。まぁ出来るけど。説明は出来ないぞ。仕組みとしてはロックオンの魔銃が参考になるんじゃないか?」


 知らんけど。多分、そんな気がする。


「僕の銃は残念だけど僕から離れると消えちゃうから解体とか出来ないよ」


 そう言ってロックオンが銃を魔女に放ると途中で魔銃が粒子となって消える。

 そして、ロックオンの手元に魔銃が戻っていた。


「僕的に実用圏内にするのに一番厳しいのが無詠唱だと思うんだよね。この世界の魔法って言霊みたいなモノだと思うし、ほら、最低限使う魔法の名前は宣言しないといけないじゃない」


「言霊……確かにそうね」


「つまり、言葉によって自分に暗示をかけて魔力を適切な加工をして魔法として放出する。って言うのが魔法な訳でしょ。言葉に出さないで加工をするにはそのプロセスを意識的にやらないと駄目な訳だ」


「つまり全体ではなく一つの魔法に絞ってそのプロセスを理解出来れば無詠唱も夢じゃないってことかしら?」


「どうなの?トキトー君」


 肝心な所は俺に丸投げかよロックオン。


「あー、確かに一つに絞って研究すれば得意魔法として無詠唱に出来るとか何とか。昔の賢者がそんな書物を遺していたな」


「なんですって、その書物は何処にあるのかしら」


「うちの書庫だ」


「トキトー侯爵家の書庫!500年以上も続く古き領地の書庫はとても興味があるわね」


「持ちだしは駄目だが読むだけなら父に頼んでも良いぞ」


「本当かしら是非お願いするわ」


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