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第02稿05話~トキトー領への旅路1~


__遊び人|特待生クラス


 今日の朝、忍者は起動した。卵の殻はかさぶたみたいになってちょっと見た目がよろしくは無かったが。

 卵から雛が孵る様に卵の殻を割りバリバリと音を立てながら出てきた姿は控えめに言っても人間では無かった。あの忍者はもう魔族だと思った方が良さそうだ。


 さて、どうやら今日、出発するとロックオンに言われたのだが旅の支度も何もしていない。魔法の鞄に既に入ってるしな。食料については昨日フィオが大量に作っていた樽に入れられたスープや干し肉、パン等を用意してくれたので道中の食料事情は大丈夫そうだ。


「皆の者、良く集まってくれたのう。今回はトキトー領海鮮ツアーに参加、ありがとうのう。では今回の引率の先生を紹介するぞい。グラス・ポーター先生じゃ」


「皆さん。初めまして。非常勤講師のグラス・ポーターだ。一応、研究者としてここに雇われているが遠出する時に君たちの引率をする事になった。研究者なので戦闘は期待しないでくれ」


 そう言って壇上に立ったのはボサボサの茶髪に眼鏡をかけている白衣のエルフの男だ。


「参加者は……ユウ・トキトーら3名、ユウ・キサラギら4名。カルク王子・カルラ王女、と護衛のノーライル・ヒューストンらお付きの7名、セラフィ率いる研究組が8名、計24名が今回のツアーに参加する事となる」


「え、研究組ってあと6人も居るの……?」


 エルフの子が驚いた声を上げた。確かあの子がセラフィだった筈。


「色々とあってのう、彼を引き入れるのに時間がかかったのじゃ」


「研究組の担任と言う事になる。研究組の者はよろしく頼むよ」


「儂は脳筋みたいなモノじゃからのう。長年生きた知識はあれど専門的な知識は無い。じゃから専門的な知識を持つ者に頼んだのじゃ。あとは剣術と魔術の先生も今、交渉中じゃ。びっくりするじゃろうのぅ。ほっほっほ」


 こっちを見ていう学園長。そろそろ話が終わるのか。進行を任されるのか。まぁ、家までの旅地は把握しているしな。


「では旅路を祈る。ノーライル君が馬車を手配してくれている。食料はユウ・トキトーに持たせてある」


「24人だと入るとは思うっすけど。遠距離で戦える奴は上に乗ってもらうっすよ。あと、魔力沢山有る奴は動力源になってもらうんで把握よろしくっす。校庭にあるんで皆さん移動するっすよ」


 上に乗る馬車……?



__遊び人|校庭


 校庭に移動して見えた馬車は装甲車だった。馬が6頭繋がれている。装甲車を引く馬……装甲は金属に見えるんだが、馬が引けるのか?


「魔力多いのは魔女っすか?聖女っすか?」


「ハーイ、私沢山アル」


「……誰っすか?」


「私ミクル、ミミックダヨ」


「俺の記憶だとアイツらの仲間になったミミックは金色の肌をしてると把握していたんすけど」


「あぁ、変装出来る魔道具を使って肌色にしたんだ」


「ほぅほぅ、ただのロリにしか見えないっすね。まぁ良いっす。コレ動かすのに魔力が必要なんすよ。なんで燃料になって欲しいっす」


「燃料……マナポ居る?」


「マナポあるんすか?魔力ある人に交代でやってもらおうと思ってたんすけど、助かるっす。ついでに職業も交換してくれないっすかね」


「遊び人になりたいのか?だが交換は無理じゃないか、そっちが転職条件満たせば転職出来るんじゃ?」


「うっ、もう良いっす。ミクルちゃんを燃料としてこき使ってやるっす」


「んじゃマナポ取り敢えずこんなもんで良いか?」


 マナポ1ダースを取り出してノーライルの腕に置く。


「ふぁ、こんなにあるんすか?結構速度出しても持ちそうっすね2、3日で着けそうっす」


「道中で泊まったりとかしないのか?」


「そのつもりだったっすけど魔力の回復のクールタイムとして考えてたんすよ。マナポでクールタイム無くせるんで早く着くっすね。流石に丸々道中、馬車の中で籠るって訳にもいかないんで。途中で軽い休憩は挟む予定っすけどね」


「燃料頑張ル」


「じゃぁ、遠距離攻撃出来る人は装甲……馬車の上に乗って欲しいっす。あ、ちゃんと手摺の内側に乗るっすよ」


 やはり装甲車の様だ。魔力を使ってどう速度を上げるのか分からないが。用意したノーライルが動くというなら動くのだろう。


「上の面子はトキトー組と魔女にやってもらうっす。上は4人位が限度っすからね」


「私はウルフ達に乗って遊撃をしたいと思う」


「着いてこれるっすか?」


「置いていく選択肢はないし。1日で向こうにつく位にはうちの子達は早いぞ。それに学園長に周りの警戒も頼まれたしな」


「それならそうと言うっすよ。了解したっす」


「不足の事態に備えてマナポとヘルポを支給しとく」


 ノーライルがテトラと話してる間にマナポーションとヘルスポーションを皆に渡しておく。


「ありがとう!!大切に使うね!!」


 勇者には渡さなくて良かったかな。


「さて、御者は俺がするっす。さぁ、皆乗るっすよ」


 装甲車に乗り込んで出発の運びとなった。馬も鋼鉄の鎧みたいなの着てるんだけど大丈夫なのか……?



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