第01稿02話~特待生クラス1~
__遊び人|特待生教室
特待生の教室に案内してもらった。勇者PTが先導しついていく形で。
『で、早速予定が狂ったみたいだがどうする?』
しょうがないから勇者の黒子に徹しようと思う。
『しかし、このクラスほぼ転生者みたいだぞ。判断がアレだがお前を感知してる奴も何人か居る』
適当な席に座る。
「ありがとう、ユウ」
「どういたしまして!」
そう言って勇者も隣に座ってくる。何でだ。
「やぁやぁ、初めまして拙者はカタナと言う者でござる」
……勇者に話しかけるカタナと言う人物。胡散臭そうな喋り方をしている。
てか、顔も赤黒い布で覆ってて目元だけ見えている。と言うより正しく忍者の衣装だ。
「勇者ではなく君に話しかけて居るでござる……」
「俺か?」
「そうでござる。拙者はカタナ。職業は忍者でござる」
「成程、俺はユウ・トキトー。一応、勇者と同じ名前だから苗字で呼んでくれ」
「了解でござる。トキトー殿、拙者のパートナーを紹介するでござる」
金髪ポニテの青年を連れてきた。腰には銃を下げている。
「……僕はロックオン。魔銃使いだ。よろしく」
魔銃。魔力を弾に変換して撃ち出す機能を持っている銃だ。
「じゃぁ、拙者は寝るでござる」
「よろしく、って、え?」
「コイツは面倒臭がりだから放っておこう。コイツも僕も気配には敏感でね。物凄い薄いと思ってたけど遊び人とは」
「あぁ、ソロでダンジョンに行った時に呪いの罠に引っ掛かってね。そのデバフだよ」
「そうだったんだ。それはさておき、今日からクラスメイト、仲良くしてね」
空気の呪いに勘づいた二人か。味方にすべきか?
『まぁ、転生者だろうな。それとも勇者の近くでは呪いが軽減されてる可能性もある。状況的に注目されている場でもあったから模擬戦についてはあれだが』
「あぁ、何かあれば言ってくれ。そう言えば課外授業の時はPTを組まないといけないんだっけか」
「一応、二人以上で行動しないといけなかったはずだよ」
「じゃ、2人に混ぜてもらっても良いか?」
「ん、君は勇者PTに混ぜてもらうんじゃ?」
「いや、そう言う話はしてない。流石に勇者PTは女性一色。遊び人とは言え女性PTに1人で入る度胸はない」
「ユウ君入ってくれないの?」
勇者がチェーンしてきた。
「あぁ、入らん。勇者PTに入ると目立つだろ」
「そっか、それならしょうがないね」
「目立つのが嫌って本当に遊び人なのか……」
それよりも、アレ、絶対起きてるよね。忍者を見る。身じろぎ一つしないが。
『情報収集してるんじゃねぇか?』
成程。流石ニンジャ。
『と言うかござるって笑えるわ』
多分ロールプレイしてるんだな。ただ、ござる口調ってどちらかと言うと侍のイメージが強いが。
ロールプレイをしているというと素を隠しているって事になる。忍者の素。気になる。
「と言う訳でトキトーは貰うけど良い?ヒーラーは欲しかったんだよね」
成程、先程の模擬戦を見ていたのか。
「ユウ君が構わなければ構わないよー」
「あぁ、俺は構わない。というより渡りに船だ」
「まぁ、僕らの方が目立つかもしれないけど」
「え?マジで?」
「そこで寝こけてる忍者は目立つからね」
「忍者なのに目立つのか……」
「ニンスレだから。二回行動出来るから……」
ニンスレ……戦闘狂なのかな。
「ニンスレ?」
「あぁ、最強忍者の物語だよ。うん」
『二回行動は戦士系ジョブのスキルだな。後天でも獲得できるが固有スキルだと四回行動とかもあるぞ』
何?俺の時は無かった気がしたが。
『そりゃそうだ。お前は攻撃系取れないからな。そう思うと攻撃職の2人と組むのは間違ってないな』
成程、そう言えばそうだ。
2021/01/01 ロックオンの髪型変更について。改稿
2023/04/30 書式などを調整
転生者だらけの教室です。遊び人は隠していく予定ですが。
それでは皆様また次回。