第02稿03話~ミミックと遊び人は生産職6~
__遊び人|特待生寮―厨房
「はい、と言う訳で醤油と味噌を作って行きたいと思います。2人は錬金出来るのか?」
シャインは離脱してござる忍者とフィオに聞く。
「拙者、超級でござるよ!!」
「中級ですけど大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だな」
錬金初級は形状変化、中級で早送り、上級は合成、超級以上で特殊な素材を扱えるようになる。
あとは品質も級で左右されるが得意素材を使うと品質が上がる。
俺の得意素材は……魚だ。やっぱり一番使ってる素材だからか。
「2人とも得意素材は?」
「私は野菜関係が得意素材です」
「拙者は金属と火薬でござるな」
まぁ、忍者だもんな。フィオに関しては野菜の加工が多いのだろう。
「あ、あと骨も得意素材になったでござるな」
「あ、私もです」
入学して十日位だが骨粉作りが得意になってて笑ってしまうんだが。
『似非忍者の奴が手伝ってたんだな』
似非って……偽物の忍者なのかカタナは。
『似非外国人と同じ臭いがするから似非で』
似非外国人って誰だ。
『んー、客?俺の居る方のね。世界渡り歩くイレギュラーだ。俺らは代理立てるけどあいつらは代理立てないで世界に混じるから影響力の調整が怠くなる』
……この世界にも居るのか?
『居る可能性は高い。アイツら勝手に世界に交じってるから。あと総じて狂信者だ。目的に一直線と言った方が良いか?似非外国人は人を観察するのが目的だからヤバい事はしないけど』
ヤバいって具体的には?
『人殺しまくったりだとか不毛な土地作りしたりとか。まぁそういう奴らは俺らの所は検閲があって入ってこれない様になってる』
へぇ、てかコレについては喋れるのな。
『……あ、って事はその世界にもイレギュラー居るわ』
どういうことだ。
『関与してたら必要な情報だから喋れる。まぁ、雑談してるのは俺位だから居る前提で動けるのは俺らか、フォーチューンの信託に引っ掛かるか位だと思う』
イレギュラー……放置は出来ないかな。
『あー、無理かな。俺らの所からこの世界に入るってイレギュラーは聞いてないから悪巧みしてる奴だと思うしな。それに役割的には俺らもイレギュラーみたいなモノだからまず潰しにかかってくるかも知れん』
「どうしたでござるか?」
「ん?あぁ、いやなんでもない。んじゃ早速、豆の加工から入ろうか。まずは豆を茹でて火を通すぞ」
「火を付けますー」
「穀物類は炒ります」
「炒りますー」
「豆と穀物が出来たら混ぜて樽に押し込みます」
「押し込みますー」
「そしてここで塩水&マナポをぶち込んで混ぜます」
「マナポ……?」
「えぇ……?」
「俺の作ってるマナポは魚製だから大丈夫。そしたら混ぜながら早送りします」
「早送りー」
「あとは絞る。これも早送りで自然に落した方が良い。で、あとは軽く熱通せば完成だ」
「速い!」
「速いのは早送り使ってるからだぞ。さて次は味噌だ。先ほどと同じく豆を煮る」
「はい、煮ます!」
「豆を磨り潰してマナポと食塩を混ぜる。重石を乗せて早送りで完成だ」
「速い!」
「錬金のお陰だ」
「早速、今日のお夕飯の準備しますね!」
フィオが料理に取り掛かる。
「気が向いたから俺も手伝う」
こうしてイレギュラーの事なんか頭から吹っ飛んでいった。
転移者はイレギュラー。この世界の法則に従って生まれてないので世界にとってはイレギュラーって事になります。