第02稿02話~こっから先は勇者のターン!(大嘘)3~
__遊び人|特待生寮
寮母であるフィオにミミックの紹介だ。
「カタナ君、ミミックちゃんの肌は金で出来てるらしいけど」
「ん?そうでござるな」
「金と言えば歯型だよね。ちょっと付けてみても……」
とんでもない事言いだしたぞ。
「チョ、ソレハ駄目!」
「良いでござるよ」
「エ?駄目ダッテ」
「痕が残ると困りそうだから止めといた方が良いんじゃないか?」
「痕ハ直セル」
正直だなぁ。自分から拒否する理由を潰していったぞ。
「遠慮は要らなそうでござるな。どうぞでござる」
マフラーみたいにしている血を操ってミミックの箱をフィオの方にズズイと差し出す。
忍者って何でマフラーみたいなのしてるんだ?思ったけど、ニ〇スレって赤い忍び装束だな。
カタナが赤黒いのはニ〇スレからなのか。いや、血で出来てるからか……
「じゅるり」
涎を垂らしたフィオがミクルににじり寄って行く。フィオは鉱石も食べれるのだろうか……今後お世話になるだろうし今度、延べ棒でも作って送ろうかな。
「助ケテ!!」
いや、もう無理だ。襲い掛かるフィオ。
「嘘、凄いすべすべ!これは嫉妬しちゃう肌だよ。ほんのりあったかいし柔らかい」
うん、少女と少女の絡み合う姿。
「あれ?コレ脱げないの?」
フィオがミクルの胸を隠す布を脱がそうとしている様だ。あぁ、カタナの能力で作ってる奴だもんな。
「え?脱がすでござるか?流石にそれは拙者達の前では駄目でござるよ」
「残念。あーん」
「ヤメっアッ……」
ミクルに齧りつくフィオ。ミクルは……
「あ、瀕死になったでござる」
「ポーションンンンン!」
鞄からポーションを取り出してミクルに使用する。
「ココハ、転生シタノカ……?」
「還って来た。良かった。何で?」
「ミミックハ防御力皆無ナノ」
「それにしたってこれは酷くないか?」
「ミミックL1だったでござる……」
「私はL48ですからね……村人でもそこまでレベル差あったら……」
「ん?でも生産してたんじゃ?」
この世界では生産でも経験値が手に入る。そのおかげもあってL100 を超えたんだから間違いがない。
「ン、魔族ト魔物ハ魔力ノ所持量デレベルガ決マル」
「じゃぁレベルが高いのは魔力を大量に保持していると」
「アソコデ生マレタ私ハ誰モ来ナイシ初期レベル1ダッタシ。詰ンデタ」
「あーやっと来た人間達もこれじゃあな」
カタナを見る確かに初めてきた人間が忍者だったら、しかも前世の記憶を持ってて忍者の事を知ってるなら白旗上げて軍門に下るしかないだろう。
「酷イ巡リ合ワセダ」
「取り敢えず、コレ味噌。今晩の夕食に味噌汁お願い」
「おおお、味噌!調味料は無理ですけど野菜なら提供出来るので言ってください。味噌作るの大変ですか?」
「いや、レベルも結構上がってるから比較的楽だ」
「では是非供給を!」
「あー分かった分かった。毎日とは行かないけど週1位で」
「やった!醤油もお願いして良いですか?」
「あぁ、分かった」
「後はお米ですね。安定供給出来るように頑張る」
「米あると良いよなぁ」
「私のスキルで成長促進出来るんですけど。水の問題もあって中々うまく行ってないんです」
「そうか、水の供給が足りないとかか?」
「水質の方ですかね。魔法で作った水は真水何でミネラルとかが足りないんですよ」
「場所はあの山岳か?」
「はい」
「じゃぁ、山の天辺から川を作れば良いんじゃないか?一応、石で固めとくと良さそうだな」
「山のミネラルってそんな感じで添加出来るの?」
「分からん。あー地下水なら山に水流して井戸掘る感じか?」
「うーん試してみるね」
その夜は味噌汁が振舞われた。結構好評だった。