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第02稿01話~学業・国や魔族、瘴気について3~

__研究者|閉鎖書庫


 私の職業は研究者である。ついでにエルフであり転生者でもある。

 私はこの禁書の沢山ある書庫で叔父様のお願いを聞いている。


 叔父様と言うのはこの学園の学園長をしているエルフだ。

 最初、会った時はエルフだと信じられなかった。魅せつけられる筋肉。エルフと言えば大体が痩身の麗人。こんなエルフが居て(以下略

 ……それは置いといて。

 叔父様は転生者を見抜くスキルがあるようで、私はすぐに叔父様の庇護下に置かれました。

 残ったのはこのスキルと肉体のみよ。と寂しげに言っていました。


 さて、私は研究者です。機械工学の仕組みとかを作り上げています。

 元々、転生する前は機械弄りをしていました。ですからある意味転職と言えるのですが。

 実は私の担当の神はマジックを名乗りました。なので魔法が使えると思っていました。

 

『使えると言ったが使う機会があるとは言っていない』


 一応、魔法は使えました。使った瞬間に封印することになりましたけど。


『あぁ、その本だ。次はその本』


 本を読みながら思考を重ねる。頼まれているのは瘴気を吸収する装置。

 それは簡単に言うと魔力を吸収する魔石を人工的に作れないかと言う事だ。

 魔石自体は鉱山でも取れる。しかし、鉱山で取れる魔石は人が注ぎ込む事で魔力を貯める。

 そう、人から注ぎ込む量位しか保持出来ないのである。

 あと人を経由する必要がある。大源から直接、魔力を吸収する魔石を作らなければならない。


 前に出た結論は生き物が瘴気を吸収すると考えた。だが流石に王族から待ったが掛った。

 この世界はある意味、博愛に満ちている。

 統一国だからなのか、派閥関係のバランスなのか。生き物の犠牲を良しとしないのだ。

 あくまでも暴れる者を駆除するに留められる。

 しかし、この実験をするには魔物や魔族では駄目なのだ。

 まぁ、流石にまともな人や動物を使ってまで実験する気はない。

 成功するかも分からない事に資源を費やすのは愚かだ。

 よって、この閉鎖書庫の知識で成功率の高い状態になるまでは机上の空論を繰り返すのである。


『次はそれだ』


 この閉鎖図書に来て10年ほど、未だ他の案は出ていない。

 まぁ、元の世界の知識を使えるならまだしもこの世界の法則を知り尽くした、この世界の人が長年研究しても答えは出ていないのだ。

 ここまで、考えて出る結論は元の世界とこの世界の知識を融合させる事がこの案件の鍵となる……筈と言う事だけだ。


 1週間程前、叔父様が入学した転生賢者を連れてきた。賢者来たこれで勝つると思った。

 だが期待した転生賢者は知識不足でまるで役に立たなかったのである。


「はぁ、知識不足の賢者って誰得……」


「僕の事か……」


「あら……居たの?」


「ずっと居たよ。君の指示通り片っ端からここの本読んでるからね」


 眼鏡をかけた銀髪の男が眼鏡をクイッとやる。残念ながら枯れ専になった私は靡かない。


『枯れ専ってよりも筋肉専?』


 叔父様のせいね。


『そんな事より次の本読もうぜ』


 何だか貴方の読書欲を満たす為だけに読んでるみたいね。


『速読を取るのを禁止した理由でもあるな。折角だからこの世界の仕組みを知りたかったしね』


 貴方アカシックレコードにアクセス出来るんじゃないの?


『残念ながら僕は運が無くてね。アカシックにアクセスするには運が足りない。あと可能性を示せるのは命題だけで答えは無理なんだ……』


 まさか、ダイスでアクセスの成否を決めてるなんてね。


『フォーチューン担当だとイカサマし放題らしいよ』


 それは羨ましい。


「取り敢えず一つ、大容量の魔石を作るには魔石を結合と言うか統合させれば良いんじゃないか?」


「それは試したわ。この世界の技術じゃ魔石を結合する事は出来ないの」


「そうか、取り敢えずダンジョンコアが使えると思っている」


「ダンジョンコア?あぁ、成程。あれは確かに循環装置としての役割を持ってるわね」


 ダンジョンコアはダンジョン内の魔力を吸収し魔物やアイテムに作り変える事が出来ると推論されている。

 あれ?それってダンジョン内の大源を吸収しているって事……?

 それならそれをダンジョンの外に向けれれば……

 駄目か、それだとダンジョンを生成し始めてしまう。


「ダンジョンコアの魔力を吸収して魔物やアイテムに作り変える機能。これを元にすれば魔石の貯蔵量を空に出来ると考えている。だから魔石の貯蔵量を増やし大源から直接、魔石に魔力を取り込む術式を作れば行けるかと思ったんだが」


「そういう機構に接続するなら……魔石を並列繋ぎにするのはどう?」


「成程、結合よりかは現実的な案と言える。」


 賢者はやっぱり賢者だった!知識さえ詰め込めば役に立つじゃない!賢者の本領発揮これで勝つる!

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