第02稿01話~学業・国や魔族、瘴気について1~
第二稿の開始です。
__遊び人|特待生クラス
「学園長、王者の墓場の踏破を目標とする予定になる」
「成程のぅ、先祖様と会うのかの?」
「はい」
学園長と話している相手に目が行く。王子様か。トラーズとソルトに会いたいのだろうか。
「そう言えば、醤油を作れるなら味噌も作れるでござるか?」
話しかけられて忍者の方を見る。今は特待生教室で授業を受けている。
ちなみに自由参加だ。1週間程経って初授業である。
「ん?あぁ、作れるぞ」
「だったら、味噌汁が久しぶりに飲みたいでござる」
「まぁ、味噌も在庫は結構あるからな。分かったフィオに渡しておけばいいか?」
「作り方は拙者が教えるでござるよ。ありがとうでござる」
「てか初めて授業受ける訳だけど。自由参加の名の元に自由過ぎないかな?」
周りを見る。
カタナとロックオン以外の参加者は王子と王女、そのお付き6名とやたらと陰険な眼をしてくる騎士風の男。
そして勇者PTの4人。そして、ミミックと死霊術師の人形。
人形はカタナの背後霊みたくなってるけど。まぁロックオンも居るし、きっと大丈夫だ。
「それでは授業を始めるぞい」
「今日の授業は何についてが良いのかのう。そうじゃな。種族と国の話をするとするかのう。
儂等人族の国ファンタシアは大陸の南東の方に位置している。大きさは大陸の4分の1。
最果ての海に面する部分の領地を担当してる貴族がユウ・トキトーの家がやってるのじゃ。
トキトー家は侯爵じゃ。向こうに行った際は気を付けるのじゃぞ。
一つの国だが権利に置いては領主はその土地の王みたいなモノじゃからのう。
ちなみに魚人族との友好も結んで居るな。
東の大森林は三つに分けエルフ、ドワーフ、獣人族の領地となっておる。
昔は仲が悪かったが先代勇者の力でファンタシア国は種族を超え一つとなって魔物と対抗しておるんじゃ。
そしてその他4分の3が魔力がとても濃く満ちていて人の住めない瘴気の土地じゃ。
そして魔族と魔物の土地でもある……が。実際は北西の魔王城に居する者達とは先代勇者のお陰で同盟の状態じゃ」
「え?魔王討伐が勇者の仕事じゃないの?」
「そんな事をしたら世界が終わってしまうのう。
魔王城に居る不可侵を結んでいる魔王はあくまで魔族を統べる王じゃ。
そして主張する土地は最果ての北西、そして領域を犯してくるのは魔物や魔王に従わない魔族等である。
今の所、棲み分けをすると言う案には同意が得られておるからのう。
勇者や冒険者の仕事はダンジョンや瘴気の土地からの魔物が人間の土地を荒さない様に倒す事じゃ」
「え?サクセスロードなんじゃないの?」
「3歳の時に天啓を調べる儀式がある。皆も受けたじゃろう。その時に勇者判定された者はその通りサクセスロードじゃ」
なにそれ。俺受けてない。
『あぁ、まぁ。ドンマイだな。忘れられてたんだろ』
重要な行事は忘れられたくないな。
「具体的にどこら辺がサクセスなの?」
「勇者PTは国の補助が受けられるのじゃ。例えば宿屋の無料サービス等じゃな食事は割引じゃ。
その代わり勇者は強い魔物が出現したら真っ先に戦地に送られるんじゃ」
「へーそうなんだ」
「はっはっは、軽いのう」
「あ、お家とかって持てるの?」
勇者の質問タイムが終わらない。
「王様に通せば頂けるぞい。場所も優遇が効く、好きな所に住めると言えば住めるが先も言った通り戦地に行かされる事になるからのぅ定住は難しいだろうがの」
「結婚したら家を守ってくれるよね」
……なんだ?目の前に勇者が居た。ニッコリと微笑んでる。いつの間にここまで来た。
『あー、無限の可能性はねぇ。つか、行動起点が他の探索者だと助言ができない。だって反応が相手次第だからな』
あれ?プロポーズじゃね?どうしよう。どういう思考回路してるんだ。
「えっと、ん?家に帰らせていただきます?」
「何でその返答になったの?」
ロックオンが突っ込んできた。
「いや、まぁ。何でだろ」
「家に報告しにいくんだね!じゃあ一緒行く!」
「これこれ勇者よ。流石にトキトー領に行くのは時間がかかるからのぅ。卒業後にするのじゃ」
学園長が余計な事言いまくってる。沈黙のデバフ与えようかな。
『当たるか?一応状態異常付与強化のお陰で最低保証50%あるけど無効だと5%しか通らないけど』
ええいままよ!沈黙!
その瞬間、学園長との勇者がカットインする。
「もー学園長先生は黙ってて!今、ユウ君と話してるんだから!」
勢いよく振り上げた腕は学園長の胸にぶつかる。
「ふぉっふぉふぐぉ!?ゲホゴホグホグホ」
これ沈黙か?
『似たような効果だから良いんじゃね?』
「胸を叩かれただけで咳き込むとは……歳かのう?」
いいえ、物理沈黙です。