第01稿11話~行方不明、任務失敗、暗躍……続行?4~
__遊び人|特待生寮自室
冒険者ギルドから直接、部屋に戻って来た。忍者も一緒だ。
「オ帰リ」
ミミックが箱の中でまったりしてる。らしい。おそらく。多分。
置いておこう
「ただいまでござるよ。何で型を取るでござるか?」
「この樹の木材を使おうかと」
「何でござるか?灰色っぽい木材でござるな」
「あぁ、しっかり乾かしてるからね。これは水緑樹って言って水に強い木材なんだ。元々、水分を多く含んでいるが根以外から水分を吸収しない。つまり、しっかりと乾かしてからこうやって整形したら水で変形しなくなる」
「成程でござる。では行くでござるよ。大きさはどれくらいが良いでござるか?」
とても丸い玉を忍者が手のひらに作る。
「大中小を2セットずつお願い」
「了解でござる」
丸い玉が木を削って行きあっという間に大中小の型が出来た。
丁度いい大きさだ。バスケットボール大、卓球の玉くらい、そしてその中間。
「ありがとう、次は棒手裏剣だっけか?形状を詳しく教えてくれないか?」
「こういう形状でござる。ここに玉を付けて重心を調整するのも良いでござるな」
丸い玉が細長くなっていく。太い針の様な形状だ。針のとんがっていない方に玉を付けている。
「それか持ち手を完全に付けたり」
くびれを付けて持ち手を作ってくれる。
「他にも色々あるでござるよ。先の部分を円錐じゃなく菱型にしたり、返しを付けたりする事もあるでござる。まぁ、そこ等辺は好みでござるな」
「成程、んー持ち手はあった方が良さそうだ。毒塗るつもりだし。持ち手があった方が楽だしな」
「こうでござるか?刃先はどうするでござるか?」
「完全に針にしようかな」
「針に持ち手でござるか。確か針の方を重くするといいでござるよ」
「そうなんだ。ちょっと作ってみるわ」
鉄の延べ棒を取り出し、ぐにょぐにょと粘土の様に整形していく。
「おお、凄いでござるな」
「鍛冶スキルのお陰だよ。まぁ、良いもの作りたいなら一から作業した方がいいけど。使い捨ての暗器なんか安くて量産出来れば良いだけだしね」
「一般的な手裏剣と言うと星型のモノは量産向きではないのでござる。鉄の棒を切るだけの棒手裏剣はコスパ共に最強でござるよ。まぁ持ち手等を付けてしまうとどうなのかって話でござるけど」
「持ち手に毒が垂れて手に付いたまま、おにぎりとか食べたら死ぬからな。気を付けないといけない」
「も、猛毒でござるか?」
「劇物には違いない」
「成程、拙者は毒物はあまり使わないでござるからな」
「カタナ、あの干からびる奴はさながら毒の様だったぞ」
ダンジョン内での事、王宮騎士が干からび崩れていく様を想い出す。
「あれは毒ではなく拙者の血を投与しまずは相手の血の流れを掌握し、次に体液それらを全て一つの塊として外に出してしまうでござるよ」
「へぇ、ナニソレ怖い」
「ガクブル」
ミミックの入った箱が振るえている。
「そう言えば最初から怯えてたな。なんでなんだ?」
「私達カラ見ルト魔力ノ塊ニシカ見エナイ」
「そうなのか?」
「まぁ、吸収した人と魔物の体液を装備してるみたいなものでござるからな」
「うぇ、近くに寄らないで貰えるか?」
「臭いは循環してるうちに取れてるでござるよ?」
「脱臭機能付き!?」
「臭いは忍者にとっては気を付けないといけないでござるから。血等の臭い消し常備してるでござる」
「成程」
「そろそろ一旦、部屋に戻るでござる。また夕食で会うでござるよー」
「お疲れ、ミミック連れてく?」
「監視は必要そうでござるか?」
「ワタシワルイミミックジャナイヨ。ッテ言ウノハ冗談デ暴レルツモリハ無イ」
「うーん、暴れた時に供えてカタナにお願いしたい」
「分かったでござる」
ここまでで一区切りとしまして第01稿は終了です。
次の原稿の方針としましては次のダンジョンが決まるまでは視点ブレッブレで学園生活送る所ですかね。
まぁ、時間見つけて楽しんで書いていきます。