第01稿10話~魔物使いと死霊使いと精霊使い4~
「滅亡……でござるか?」
「おぉ、そうじゃ。忍者は主君に仕える時に契約を交わす。偏に自分達の命を守る為にのう」
成程、蜥蜴の尻尾切りにされやすい立場だからか。
「そういう事でござるか」
「忍者って選択出来ないの?」
「職業忍者は幼少の頃から専用の訓練を受けないと選択出来ないでござる」
「……おっとそうじゃった。その担いでる宝箱がミミックじゃな。学園の事務に通達しておくから安心すると良いぞい」
「ヨロシク」
「むん、学園内では服を着せてあげなさい。上半身マッパは男なら問題ないが女の子じゃと問題ありじゃからのぅ。男は寧ろ見せるとべし」
「こうでござるか?」
カタナが上半身裸になり、ミミックに忍び装束(上)が着せられた。うぅむ、しっかりとしたシックスパック。僕は筋肉が付きにくいから憧れるなぁ。
「ウワ、イツノマニ。鉄ガ錆ビタ臭イがする。……温イ」
「温かいのか?」
「循環してるでござるからな。流体じゃないと操作が出来ないでござる。固定化しても重力によって流れるでござるが自分で循環させてた方が手間が無いでござるよ」
「そうなのか、あぁそうだ丸の型取らせてくれるって話だったよね」
「おぉ、そうでござったな」
「お主たち、話がどんどん脱線していくのう。そうじゃPTの装飾品、その子はどうするんじゃ?」
「んーむ、装飾品。腕輪にするでござるか」
「魔物使いのウルフは首輪してたけど」
「では首輪にするでござる」
「あい分かったでは首輪じゃ」
忍者が首輪を受け取り、ミミックの首に付ける。そう言えば名前、何だっけな。あぁ、ミクルだったか。
ん、そう言えば最下層でのアレが契約だったのか?
「そう言えば契約内容って?死ぬか仲間になるかだっけ?」
「魔力を渡す代わりに拙者、ロックオン、そしてユウ・トキトーの指示に従う事を追加したでござるよ」
「追加って出来るの?」
「別の条件を設定するしかないが出来る筈じゃ」
「そうでござるか。何を追加するでござるか?」
「僕らに危害を加えない事を追加してない」
「確かに指示に従う事だと危害を加えられるってことでござるな。分かったでござる」
「待て、人に危害を加えないの方が良いんじゃないか?」
「ふむ、成程ではこうするでござる」
「ちょっと待った」
「人に害を与えるのは許すが殺すのは禁ずる。手を出すでござる」
金色の手がカタナと握手する。この握手は必要なのかな?後で詳しく発動条件何かを聞いてみよう。
「お主ら、次、攻略するダンジョンは決まっておるのかな?」
「いえ、こんな早くに攻略が終わると思ってなかったので次の予定はまだ未定です」
「ほう、だったらちと遠くだが海底ダンジョンを攻略してみてはどうかな?」
「うちの領内なんだが……」
「現在41層迄しか発見されてない筈じゃ」
「127層もある。うちの領内のダンジョンは粗方マップ作りに励んでたからな。マップも」
そう言ってトキトーは紙の束を取り出す。……流石に127層はなぁ。
「ボスは何だったの?」
「あそこは大きな蛸だった。と言うか床が浸水してるダンジョンだから水対策しないとヤバいと思う」
「どうやって倒したの?」
「何か毒効いたから毒が切れたら毒付与してたら倒せた」
「あー、どの位かかったの?」
「継続系の毒が大体一回1時間位だとして40時間位?」
「40時間も良く粘れるね…」
「ちなみに何も言わずに潜ったけど帰っても居なかったことに気づかれて無かった。2週間位居なかったのに……」
あぁ、空気になる呪いか。カタナは転生の時に呪いを選択したんだろうと言っていたな。
そもそもどうして、空気になるんだ。
カタナの場合は経験値が減るのも当然の能力を手にしてるとか言っていたけど。
確か呪いは取得ptが2倍になるんだったかな。僕は呪いは遠慮したから1つしか選択出来なかったけど。
『魔銃使いを選択した時点で1ptだったのよ。基礎は3ptだったわ。魔銃と魔弾スキルが固定で選択されたの』
色々と説明不足じゃないかな。
『職業でptは変わるって説明はしてたのよ?』
あぁ、そう言えば言ってた様な。
「そろそろ儂も仕事をせねばならない。次のダンジョンが決まったらまた報告してくれるかの」
「はい、分かりました。では失礼します。2人……いや、3人とも行こう」
学園長室を後にする。次は何処のダンジョンにしようかなぁ。
忍者は頭おかしいので、忍者視点は難しいです。いずれは忍者視点入れようと思いますが時期ではないです。彼の場合、棒人間と視覚、聴覚を共有してたり、魂飛ばしであちこちで諜報してるので視点がブレッブレになると思います。
次の話は視点切り替え多数です。