第01稿10話~魔物使いと死霊使いと精霊使い3~
__魔銃使い|学園長室
特待生クラスの隣が学園長室って位置的に準備室で良いと思うね。
HRが終わり学園長に報告があると言ったら学園長室に案内されたんだけど。
あぁ一応、王族が居るからかな。
「それで王者の墓場最下層には何があったのかの?」
「墓がありました」
「ほぅ、トラーズとソルドに会ったのか」
「知ってたんですか?」
「生前のトラーズは元勇者である。そしてソルドは優れた魔導士であった」
「そうなんですか?2人とも王族だったんですよね?」
「それはちょっと違うの。勇者トラーズは魔王討伐の栄誉として王族のソルドの妹と結婚した。まぁ、婿入りじゃの。勇者の血が欲しかったのじゃろう」
「勇者と魔術士……他の2人は?」
「ソルドの妹が聖女であった。もう一人は騎士であった儂じゃ」
「先代勇者PTの1人だったんですか?」
「そうじゃ、と言ってももう500年以上昔の話じゃ」
「え?学園長そんな生きてるんですか?」
「儂、一応エルフなんじゃけど」
衝撃の事実、ガチムチのエルフ。エルフって、筋肉付きにくいって聞いたけど。
「儂は朋の為、主の為に身体を鍛えたからのう。スキルの効果もあってこの様な身体に磨きあげたんじゃ」
「凄いですよね」
「儂は凄くもなんともない。守るべき主も守れず。遺されたモノに縋っているだけだからの」
「ふーん、それで、あのダンジョンは何ですか」
「ふーんて。儂泣いちゃう」
「良いから質問してるんだから答えてくださいよ」
『超強気ね。大丈夫なの?』
大丈夫なんじゃないかな?少なくとも肩握りしめられる位は想定してる。
「あのダンジョンは聖女が亡くなった後に2人が作ったダンジョンじゃ」
「聖女さん亡くなっちゃったの?」
「流石に、どんな回復魔法や蘇生魔法も使える我が主が産後の肥立ちが悪く亡くなってしまうとは誰も想像していなかった……」
「あぁ、このご時世しかも500年も前じゃそれもそうですね」
「我が主の死後、2人はダンジョンを作り引きこもったんじゃ」
「ダンジョンコアの宝箱の中に十字架があった時はビックリしましたよ」
「十字架とな?」
「二本入っててそこにトラーズさんとソルドさんの名前が彫ってあった」
「……ある日、2人が食料を買っていた店から連絡が来たんじゃ。何時も買いに来るタイミングで来ないとな」
「ダンジョンボス化してたら、そりゃ外には出れませんね」
「何じゃと?」
「リッチとワイトになってました」
「ほう、それはそれは成功したか!」
「成功ですか?」
「ダンジョンに潜っていたのは永遠の知と命、そして蘇を手に入れる為じゃ」
「へぇ、そうなんですね。って事は先代聖女を蘇生したかったって事?」
「そういう事になるのかのう」
「そう言えば、長年会ってないみたいですけど王者の墓場、それほど難しく無かったんですけどどうして学園長は潜らなかったんですか?」
「怖かったからじゃ。確認したら、儂1人になってしまう。それは余りにも寂しくてのう」
「ん?1人?先代聖女の子孫とかは?産後の肥立ちって言ってたし子供は無事生まれたんでしょう?」
「政争に巻き込まれての……まぁ、こうして学園長になって息子娘が沢山出来たんじゃよ」
あっ察し。
「そうですか、ダンジョン内の事はその位です。あと王宮騎士団38番隊と名乗る人達に待ち伏せされました」
「38番隊とな。ふぅむ、汚れ仕事その他を引き受ける王族子飼いの隊じゃのう」
「カタナによるとクライン・ファンタシアの手先だって言ってました」
「ふむ、分かったそれとなく現王に伝えておこうかの」
「いえ、伝えないでください。カタナが行方不明にしたので」
「ほっほっほ、流石忍者じゃのう」
「入るでござるよー呼ばれた気がしたから入ったでござる」
「ノックもせずに良いのか?」
「2人ともどうしたの?」
トキトー君とカタナが部屋に入ってきた。何か宝箱担いでるんだけど。
「ミミックのテイム?契約主が拙者になっていたでござる」
「なにそれ、今までテイム何かしたこと無いじゃん」
「忍術の一つにあったらしいでござる。話せる魔族と契約をするからテイムとはちょっと違うみたいでござるが」
「ほう、契約とな。それは忍者にとっての必須な術じゃからのう」
「そうなのでござるか?」
「その術が無ければ今頃忍者は滅亡しておる」