第01稿10話~魔物使いと死霊使いと精霊使い2~
「ミミック、しかも名付きか。うん?もうテイムされてるじゃないか」
「おぉ、トキトー殿が出来たんでござるか?」
「テイムしたのはそこに忍者君だね」
「拙者でござるか?テイムスキル持ってないでござるよ」
「話せる相手だとテイムと言うか契約をする事で相手を縛れるんだけど。魔族は持ってる力が強いから余程強くないと契約は出来ないんじゃないかな?」
「契約でござるか?」
「仲間になるか死ぬかって聞いてたろアレじゃないか?」
あれで契約になるって凄いな。
「アレで契約になるんでござるか?」
「君、職業忍者なら多分テイムスキルも忍術の中に入ってるんじゃないか?」
「そうかも知れないでござる。滅茶苦茶長くてスキル説明殆ど流し読みしてるでござるから」
最終兵器、忍者。忍者味方に付けるだけで運命にも勝てそう。
『味方一人だけだとじり貧だけどな』
忍者もテイム出来るみたいだし。護衛の魔物を増やせばワンチャン!
「あったでござる。どうやら契約の術を使ったらしいでござるな」
「契約か。では私の様に獣や会話の出来ない魔物をテイムする事は出来ないみたいだな」
「グゥ、力デナイ。魔力ヲ渡ス契約ヲシロ」
魔族しか契約出来ないのか。
「魔力を渡す契約でござるか?成程、そうすれば良いでござるね」
「早ク」
「では、魔力を渡す代わりに拙者、ロックオン、そしてユウ・トキトーの指示に従う事。手を出すでござる」
宝箱から金色の腕だけ出てくる。握手をすると握ってる手が光った。
さりげなく俺も入ってる事に驚きだ。人誑しのスキルでも持っていたっけ?
『魅力、俺が無理矢理取らせた奴。でも転生者には効いてないから忍者にもそこのミミックにも効いてない』
ん?ミミックにも?
『多分、転生者だ。名付きは基本転生者だぞ。ちなみにこの情報はお前から他の者に教える事は出来ないから、魅力は一応魔族にも効くけど。まぁ何にせよ仲間には加えて貰ってるんだ問題は無いだろう』
魔族の転生者ってどの位居るんだ?
『沢山』
沢山って……もうちょい詳しく。
『担当の神1人当たり10~100。人に転生したものとは違って前世の記憶を持ってるだけだ。あと信託スキルも無い。が、魔王の部下であれば転生魔族同士で会話が可能だ』
多くね?
『まぁ、種族が沢山居る上に魔族に転生した者は基本、その種族のリーダーとして生まれるからな』
「コレデ大丈夫」
そう言ってミミック……ミクルが出てくる。
成程、魔族に転生したら羞恥心とかも置いて来るのか?
『まさか、まぁ育ちの環境って奴だな。周りが服着てない環境で育ったんだろ。と言うかずっとあそこに居たって事は宝箱から出たのも初めてだったのかも知れない』
「それで君たちの用は終わりかな?あ、王都には入れない方が良いよ。弱るからね。後は学園長に従魔にした事は報告する事、大事な事だ」
「……」
「あぁ、分かった。ん?」
忍者の首が人形にチョークスリーパーを決められている。そう言えば、人形なのにどうして女の子だと思ったんだ。
『遊び人補正だ。と言うのは冗談で、それは知らん。お前は観察眼は鍛えてるからそのせいじゃないか?』
取り敢えず助けるべきか。待てよ。忍者は強いし。何時でも抜けられるんじゃ。
助けは必要なさそうだな。忍者は人形の腕をタップしているが。余裕そうだ。
「あー……そこの忍者を助けなくて良いのかい?」
「余裕そうだから大丈夫だと思った反省はしない」
「そうか。なら私が助けよう。クロ、そこまでにしておけ」
あっさりと忍者は解放された。
「助かったでござる。トキトー殿助けてくれても良かったでござるよ?」
「何時でも抜けられると思ったからな」
「アレは天敵みたいでござる。魂に直接攻撃してくるでござるよ」
死霊術師ってゴーストとか呼び出して攻撃したりするんじゃないの?
『ドレインタッチとか覚えてるんだろ。多分、そもそも魂を分けて人形に憑りつかせてるんだったらゴーストが攻撃してるのと一緒……?分からん死霊術師とか言うレア職業は詳しくない』
レアなの?
『魔物使いも精霊使いもレア職業だな』
忍者は?
『職業としてはレアだがモンスターで居る』
アイツ魔族なんじゃ……
『魔銃使いは魔銃所持でなれるから珍しくはあるがレアではない』
「それでは学園長に報告しに行くでござるよ」
「チョ、降ロセ」
忍者が宝箱を担いでいる。取り敢えず頭空っぽにしてついていこう。
『放浪者に転職出来そうな気がするな』
遊び人とどっちが上?
『どっちも一緒だ』