第01稿10話~魔物使いと死霊使いと精霊使い1~
__遊び人|特待生クラス
寮に戻って来てから次の日。HR後。
「魔物使いにミミックを引き渡すの忘れてないでござるか?」
「血塗れ勇者見て忘れてたわ」
「僕はちょっと学園長に報告もあるから二人で行って来て。終わったら声かけるから、そしたらギルドに報告に行こう」
ロックオンは離脱した。
「さて、魔物使いを探すでござる。特徴は真面目そうな眼鏡をかけた黒髪の女性でござる。ロックオンがそう言ってたでござるよ」
「真面目そうな眼鏡……」
「所でミミックはどうなってるでござるか?」
「魔法の鞄に入ってる間は大丈夫だと思うけど。流石に王都だし外に出すとヤバいかも。見た目に反して魔素持ってるみたいだし」
魔素は人の魔力……小源と同じようなモノだ。魔物が持つ魔力は魔素と呼ばれる。
魔物と動物の違いは魔素が集まった魔石を有しているかで変わる。
魔石を砕かれれば魔物は自らの魔素によって自壊する。
忍者がスケルトンを再生させずに倒していたのは魔石を的確に砕いていたからだろう。
魔石は人で言う心臓みたいなものだ。血の代わりに魔力を循環させる装置だと思っている。
思っていると言うのはフールに聞いた情報なのと自分で調べてみた結果だからだ。
「そう言えばミミックのあの身体は金で出来てるでござるか?」
「このミミックはそうみたい。金貨タイプみたいだね」
ミミックの身体は中身によって決まるらしい。
金貨が入ってたら金色、アイテムだと紫や青っぽい肌になるらしい。
「さて、魔物使いは彼女らしいでござるが彼女は何処に居るのでござるかね」
学園内を放浪中。思ったけど学園内って結構自然が多い。
「中庭でござ……」
中庭に着いたら忍者が崩れ落ちた。脈確認、寝てる。
と言うより、首を傾げてる忍者の上半身が寝てる身体から生えて見える。
と思ってたら寝てる身体に戻って行った。
「どうして夢見の術が勝手に発動したのでござるか」
「いや、分からない」
「……」
忍者の後ろに黒いフードを被った女の子が居る。教室で寝てた忍者に話しかけてた子だ。
確か死霊術師。よし、見なかった事にしよう。
周りを見るとウルフ系に6匹程囲まれてた。魔物使いは近そう。
6匹のウルフは毛色が属性ごとに分かれている。それぞれのウルフは毛色と同じ首輪を付けている。
多分これはファイアウルフとかブリザードウルフとか何だろう。
『解析すれば良いんじゃねぇか』
魔物使いに目付けられたくない。
もしかしたら従魔の受けたスキルとかを把握出来たりとかするかもしれない。
『あぁ、無くも無いな』
「何か私に用かい?それともエルメに用かな?」
情報通りの黒髪真面目系眼鏡女子が話しかけてきた。
「えっと魔物使いの人だよね」
「如何にも、私はテトラ・ディッカス。魔物使いだ。この子はエルメ・ティア、精霊使いでソッチの忍者の後ろに居る子はクロ、死霊術師だ」
長い銀髪の線の薄い女の子がお辞儀する。
「拙者の……?クロ殿は生きてるでござるか?」
「ソレは人形にクロの魂が入ってるだけだよ。本体はどっかで寝てるんじゃないかな?」
「静かな魂でござるな」
「へぇ、分かるのかい?」
「それよりも引き取ってほしい魔族が居るでござる」
「魔族を引き取る……うーん、一応、魔物使いなんだけど」
「魔族は無理でござるか?」
「喋れる者は基本難しいね。レジストとかされるだろうし。種族は?」
「コイツだ。ミミック」
魔法の鞄からミミックを取り出す。
「シナイ……ココハ外!?」
ミミックは仕舞った時の状態で出てきたけど外だと気付いて宝箱の中に隠れた。
まぁ、上半身裸だからしょうがないか。
『違うぞ。人の住まう街や村は大源が薄いからな。魔族にとっては酸素が薄いのと同義。つまり、省エネモードって奴だ』