第01稿09話~王者の墓場本番3~
__遊び人|王者の墓場三十一層
何事も無く三十一層に突入する。
また、雰囲気が変わり殆ど暗くて一寸先は闇状態だ。しかも天井も高くなってるようで見えない。
「松明付ける?」
「あー、そう言う事か。強制暗闇状態って事か。手元は見えるし」
「三十四層迄行って暗すぎて戻って来たって感じかな」
「まぁ、手元見えればマップ作製は出来るよ」
「そっか、僕は鷹の目で暗いの関係なく俯瞰して見れるから問題ないし。あの忍者は元々、目使わないで心眼で判別してるから人外だよね」
「心眼ってどういう能力なんだ?」
「本来、見えないモノが見えるようになるでござる。気や魔力の流れ、更に血の流れも確認出来るでござる」
「対人最強だよ。だから僕は変わり身の隙を狙うしかない」
「あぁ、初日の……」
「うわ、何かデカいの居る」
「何処?」
「やっぱり松明付けようか」
松明に照らされ巨大なスケルトンが見えた。4体程が暗がりに見える。
解析をするとラージスケルトンとか言う安直な名前だった。
「え?何処でござるか?」
なんと忍者も索敵出来てない。
「近づくと動き出すタイプか」
「あー、さっきの説明だと何かしらの流れが無いと見えないのか」
「生きてる者であれば呼吸等で分かるござるが、彫像系は苦手でござるな」
「物質系は魔力で動いてるんだけど。動いてない間は魔力が流れないんだよね」
「成程、じゃぁ討伐は面倒なのか?」
「そう言う訳ではないでござる。ダンジョン内であれば、壁ですら魔力の流れがあるでござるから魔力のぽっかり空いた部分に攻撃を与えれば良いって事になるでござる」
「なるほど、宝箱と間違えたりしないか?」
「ダンジョン内だと宝箱にすら魔力が通ってるでござるから判別は楽でござる」
「ダンジョンは一つの魔物と考えた方が良いよ。宝箱もダンジョンと言う魔物の一部だから」
「そうなのか」
「まぁ、宝箱の中身も再生する理由としては人を集める為だって言われてるけど」
「ところであのスケルトンそろそろ倒していいでござるか?」
「良いよ。動かないから楽でしょ」
「了解でござるー」
新しく出てきた大きいスケルトンも忍者の触手に殴られガラガラと崩れていく。
何が出て来ても一発何だが。最下層のダンジョンボスも一発だったら笑う。
三十一層を超えた後。
「二十層で待機するみたいでござるな。そこから先には進まないみたいでござる」
「二十層が本番かー」
「戻るまでに居なくなっててくれたら楽なんだけど」
「まぁ、それはそれで構わないでござるが触れれば消し飛ぶと分かってれば、そうそう来ることもないでござろう」
「ファーストコンタクトは大事だからね」
話をしながら三十四層へ。さらに暗くなって松明が無ければ手元も見えなくなった。
「これはかなり闇が深いな」
「そういえば光の補助魔法のライト使える?僕がやっても良いんだけど魔弾だと持続性が無いから」
「あぁ、松明の光を強化するのは出来るぞ」
「じゃあ、それお願い」
松明にパワーの魔法をかける。当社比率2倍になります。周りを照らす力が上がったお陰で周りも少し見える様になった。
「熱い。熱くないコレ?」
「照らすのも二倍、熱も二倍だからな」
「ちょっと離れるよ」
「持ってる俺が一番熱いんだけどな」
「それもそうだね。僕持とうか?」
「いや、涼しくなる魔法かける」
クールと唱えると涼しくなる。あー、涼しいわ。涼しすぎて寒いわ。
『この効果も2倍だからな』
そう、全部、当社二倍です。と言うか二倍までにしか下げられない。実はこれは状態異常魔法である。
ちなみにもっと寒くなると凍結デバフを付けられる。
『無詠唱してるからクールでも発動してるだけであって超長い詠唱必要だからな?』
これも無詠唱だったのか。
『まぁ、魔法真面目に使ったの見たのロックオンのだろ?あれも効率化?計られてるからしょうがないな』
遊び人一行が四十層に辿り着いたころ。