第01稿09話~王者の墓場本番1~
9話はとても長くなりました。ドウシテコウナッタ
__遊び人|王者の墓場
「と言う訳で準備をするでござる」
と言いながら忍者はダンジョンの入り口に何やらしている。
「終わったでござる。取り敢えず玉を仕掛けておいたでござるよ」
「早い。玉?」
「丸い玉でござるよ」
ござる忍者は手のひらの上に丸い玉を見せてくれた。これは見事な丸。この世界でこんなに丸い玉を見たのは初めてだ。どんなに精巧に作ろうとも丸い玉を作るのは難しい。製作スキルを使おうとこの真に丸い玉は作れない。
「そう、丸い玉。気にしたら負けだ」
「負けか。負けたわ。今度型取って良い?」
「何で取るつもりでござるか?」
「この丸を維持して木を彫ったりできるか?」
「おぉ、その程度なら出来るでござるよ」
「んじゃ戻ったらお願い」
「了解したでござる」
「そろそろ行くよ」
「はーい」
ダンジョン内に侵入する。
「ここのダンジョンはスケルトンの湧く速度が早いらしい。マップ作製が完成したら次の層に行こう」
「どの程度早いんだ?収納、収納」
「1~2時間程で湧くらしい」
「2人が休んでる時は拙者が見張りをやるでござるよ」
「それは助かるな。収納、収納」
話しながらダンジョンを進んでいく。なお忍者は触手を振るいながらスケルトンを砕いていく。
なお砕かれた骨は回収してる。
「何か、僕一番役に立ってなくて草」
「ロックオンは強力な個体に対して強いからいざと言う時の懐刀でござるよ」
「じゃ、収納よろしく。流石にマップ作製しながら収納するのは怠い。魔法の鞄の収納設定追加しといたから収納は出来るよ」
「分かった。収納、んー、回収?んん、保存!」
詠唱についてはロックオンの方が上らしい。あっという間に収納のスペルを効率化させた。てか出来るのか。
『そういう固有スキルを持ってるか単純に頭が良いかだな。スペルの理論を理解してこそ出来る』
じゃぁ、俺も出来る?
『出来ると思うが無詠唱スキルがあるから意味が無いだろ』
あぁ、それもそうか。
「よし、一層のマップは完成。次行こうか」
「了解したでござる」
「そういえば戦闘してるのにござるが取れてないけど」
「本気になったら監視の事忘れてしまうでござる」
「語尾が取れると本気なのか……そっか、監視中は手加減?してるって事」
まぁ、待て。これで手加減してるのかって思う位の殲滅力なんだが。
『まぁ、他の転生者も固有スキル持ってるし規格外ばっかだと思うぞ。自分の攻撃力が最弱だからそう思うんだろうがな。遊び人は状態異常くらいしかダメージ稼げないから一瞬で倒せる攻撃と比べたら、そりゃなぁ』
二層目も一層と同じくサックリと終わった、三層目は既に書き終わってるのでパス。
四層目からも何事も無く進んで十一層に入った時にダンジョンの壁とかの雰囲気が変わった。
暗さがました上にスケルトンソルジャー、ソーサラー、シーフに追加してナイトとメイジが追加されたみたいだ。
「うーむ、強くは無いでござるな」
だが圧倒的火力の前には骸と化していた。いや、元々骨だけど。まるで木の棒でつついたら相手が死んだ位の事象を際限してるかのようだ。
「保存、保存、保存、保存」
ロックオンの顔が悟りを開いている様な感じになってる。そして俺は手が勝手にマップ作製。
うん、傍から見たら頭のおかしいPTだな。
まぁ、それぞれが役割をちゃんとやってるって事だからこれほど理想なPTは無いけど。
形が歪だ。
「む、これは来たでござるな」
場所は十七層に入った所だ。どうやらダンジョン入り口に仕掛けた丸い玉が反応があったようだ。
時間は分からないが。もう昼は回ってる筈だ。
「来ちゃったかー。ならしょうがないね。帰りに鉢合わせたら痕跡を残さない様にしないと」
「ラジャーでござる」
どうやら2人の中では騎士団を無きものにする前提で話が進んでいるらしい。
『2人とも脳筋で驚いている』
分かってた事だ。36番隊とやらには黙祷を捧げておこう。
「まぁ、このまま進むでしょ?」
「そうでござるな。目指すは最下層一択でござる!」
「その前に一旦、腹ごしらえしないか?昼は回ってる気がするし」
「おぉ、それは良いでござるな」