第01稿08話~獲物4~
__遊び人|特待生寮
「食べ終わった?早速行こう!ロックオン君!」
「駄目」
早すぎぃ。
「えぇ!何で?」
「これは僕らの昇級試験でもあるからね。勇者に依存して攻略したと思われるのは心外だ」
言葉がキツイ。確かに勇者のお陰で上がったと言われるのは心外だけど。
「むぅ、そっか」
「どうしてもと言うのならPTがかち合う位なら問題ないけどね。その場合は学園長と君PTメンバーに話を通した上でギルドマスターに相談してね」
「え?良いの?」
「良いかどうかは君のPTメンバーが決める。君のPTの問題になるから僕がどうこう言う理由も無いよ。来るって言うなら止めないけど巻き込まれても知らないよ」
「巻き込まれる?何に?」
「あぁ、気にしないで良いよ。さて、食後の運動しようかな。トキトーもついてきてよ」
「あぁ、分かった」
「早速皆に聞いてくる!」
「許可が出たらどうするんだ?」
「ん?まぁ、その時はその時でしょ。その時は流れる運命に身を任せよう。さて吉と出るか凶と出るか」
__遊び人|特待生寮・畑
畑に忍者とロックオンが集まる。骨の山に腰掛けて話をする。畑で作戦会議だ。
「今日は無理でござるよ。流石にラジコンで4人を操縦しながらロックオンの相手は出来ぬでござる」
「まぁ、そうか。何か分かった?」
「分かったでござるよ。どうやら王者の墓場で野営を組むらしいでござる」
「待ち伏せか……」
「あ、トキトー殿。フォーカスの追加をお願いしたいでござる」
「分かった、フォーカス」
「ありがとうでござる。待ち伏せで合ってるでござるよ」
「何人?」
「私兵ではなく王都の近衛隊の36番隊を出すらしいでござる。騎士団の隊は大体30~40人迄と把握してるでござるよ」
「本気過ぎぃ」
『引き寄せたか……ステルスのお陰で今まで大丈夫だったが。どうする?2人を巻き込むか?』
何だか、俺の生存本能が2人に任せてれば何となるって言ってる。
『なんだそりゃ。まぁ、巻き込む方向か』
「狙いはトキトー殿でござるがどうするでござるか?」
「準備してるって事は今は王者の墓場には居ないんだよね?」
「そうでござるな」
「ならもう消耗品も揃ってるし今夜潜っちゃえば良いんじゃね?」
「ありだね!!折角、準備整えたのに潜れなくなるのは嫌だし」
「おぉ、その手があったでござるな。しかし、その場合だと帰りに襲撃を受けるかもしれないでござるな」
「うーん、出撃する面子の監視って出来る?」
「そうでござるなぁ。ダンジョン内にいる間ずっとフォーカスをかけ続けて貰えれば話は出来ると思うでござるが」
「出来るよ」
「む?MPは大丈夫でござるか?」
「マナポーション沢山あるからな」
「何とあんな高額な代物があるのでござるか?」
「魚からマナを抽出したポーションだ。食べれない雑魚を錬金でポーションにしたら上手く行ってね」
「……そんな事出来るのか」
「だからフォーカス連打しても大丈夫だ」
「それなら、ダンジョンの入り口を監視して騎士団が来たら騎士の1人に憑りつくでござるよ」
「成程、それをしてくれるのなら待ち伏せも分かるな」
「任せるでござるよー。状態異常無効の装備してても天井に貼り付いて監視するでござる」
偵察最強じゃね……?戦闘力もあって情報力もあるって怖くね?最強じゃね?
『凄い考え方でスキルの使ってんだよなぁ……流体操作ってそう強いスキルじゃないんだが』
本当に流体操作なのか?
『血を動かす事が出来る能力は、それくらいしか思い浮かばないな』
「それでは早速行くでござるか」
まだ学園生活二日目何だけど。急展開だなぁ。
『俺的には予想通りだけどな。つかさっき俺が言ったし』
1週間後にスキップして攻略開始の予定がその日の内に出発する事になった。
そして、ロックオンは勇者の怒りを買う事になる。
「え?もう出発したの!?うー、そんな直ぐ出発するなんて一緒に行く気が無かったんだ!おこだよおこ!」
「あー、忘れてたごめん」
2023/04/30 書式などを調整。