第01稿08話~獲物2~
__遊び人|王都郊外
ロックオンはキュア魔弾で4人を起こした。
「皆おはようでござる。お主らの生殺与奪権は既に握っていて、何時でもお主たちを消す事が出来る前提で話すでござるよ」
忍者があくどい。
「報告は学園までなら許すでござる。そこから先の事を言ったら死ぬでござるよ。他の者は消えたとだけ言えば良いでござる」
「はい……」
「あぁ、分かった」
「「分かりました」」
「嘘はダメでござるよ?忠告はしたでござる。では、行っていいでござるよ」
起こされた四人は静かに忠告を聞いたのち5人とも解放された。
「と言う事でこんな感じでどうでござるか?」
「まぁ良いんじゃない?」
「……どうやって砂にしてるの?」
「あれは砂に見えるだけでござる。ただ単純に水分を取り上げて粉にしただけでござるよ。要するにミイラ処理したでござる」
『やっぱり水流操作か』
やべぇ、忍者超怖い。味方で良かった。
『お前忍者怖いしか言えなくなってるぞ』
戦ったら勝てないぞ。誰が相手でも結局勝てないけど。
『味方なら良いが裏切られた時は大変と言う事か』
流石にコレは裏切られたら太刀打ち出来ない。
『じゃあ、裏切られなくすればいい』
どうやって?
『さぁ?そんなの信託でも分からねぇなぁ』
裏切られたら考えるか。取り敢えず2人は味方だ。どちらにしろ裏切られても何も出来ないしな。
『まぁそうなるよな。それで良いと思うぜ』
「それでは帰るでござるよ」
「わかった」
「魚ー魚でござるー醤油ー醤油でござるー」
ご機嫌だな。成程、胃袋を掴めば裏切らないか。
『コレが女性だったら正しく遊び人なんだがなぁ……』
「落ち着いて、夕食は逃げないから」
「おっと、ちょっと回収する物があるでござる」
学園に入る前に忍者が何やら小さな砂の山から黒いボールを掘り出して持ってくる。あれ?こんな所に砂の山なんてあったっけ。ござる忍者は自分の身体に黒いボールを押し付けると吸い込まれるように黒いボールが消えた。
「……それって」
「忠告も聞かなかった哀れな犠牲者でござる。」
殺したって事かな?
『そう言う事だろう。凄いな。さっき居た林からこの位の距離まで能力を維持出来ているのか……』
「あ、トキトー殿。そろそろフォーカスが切れそうなので追加でかけて貰えるでござるか?」
「あぁ、分かった。フォーカス」
取り敢えず追加でかけておこう。悪い事にはならないだろう。1人死んでるけど。死んでるんだよな?
『まぁ、死んでるんじゃね?』
「血をかければ生き返るでござるけどどうするでござる?」
え?生き返るの?あの状態から?ホラーでしょ。ホラーじゃね?
『何で生き返るんだ……』
「厳密にはこの状態で放置すると死ぬって事でござる。現状、状態異常の石化と大体一緒でござるよ。魂はまだ肉体に宿ってる状態でござるから血を与えながらヒールをすれば元に戻す事は可能でござる」
『何だと!?状態異常判定なのかコレ』
スゴイナー。まぁ、聞くべきことは。
「何でこの人はこうなってるのかを聞きたい」
「忠告を無視して伝えようと提案したからでござる」
「それじゃしょうがないな。放置」
「分かったでござる」
「え?放置するの?まぁ君がそう言うなら別に良いけど」
「忠告を聞かないって事はここで復活させても後々面倒だろうしな」
「それもそうか」
「それじゃ帰るでござるよー醤油ー魚ー」
『恐ろしい人達を仲間にしたものだな……』
2023/04/30 書式などを調整。
忍者の砂遊び。殺すな言ったのに!!
それでは皆様また次回。