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転生したら遊び人、しかも空気になる呪い。それでも異世界生活Enjoy!  作者: KP.BOX
第01稿~学園入学、最初のダンジョン~
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第01稿08話~獲物1~


__遊び人|冒険者ギルド前―移動中



「それで、この後何するんだ?」


「何処に行くでござるか?」


「……あ、ごめんなに?」


「この後どうする?」


「あぁ、どうしようね。うーん。うん?カタナ」


「何人かついてきてるでござるな」


「誰がですか?」


 何がついていてるのかが問題だけど。


『無限の可能性を提示しよう。無視か対処か委任か』


 委任?と言うか信託が発動するって事は俺関係か?


『そう言う事だな。まぁ、今回取れる行動は3択だ。委任はホレ、今回は仲間が居るだろう。なので何もしない行動を取ると委任になる選択肢が追加された』


 あぁ、成程。んじゃ委任で。


『良いのか?』


 様子見てみたいしね。


『良いのか?脳筋に対処を任せて』


 武力行使……?いやまさか。まぁ、様子見る事にする。


「どうする?」


「任せて貰っても良いでござるか?」


「生かしておいてね」


「了解でござる。それでは取り敢えず学園に戻って学園に入ってくるかどうかで判別するでござる」


「入ってきたら捕獲するでござるよ」


 捕獲出来るのか。


「ヘイスト要る?」


「集中力が上がるような補助魔法は無いでござるか?」


「集中?分かった。フォーカス」


 ちゃちゃっと魔法をかける。しかし、何で集中力?


「お?おぉ、これは凄いでござるな。ではこうするでござる」


 服の袖千切って捨て始めたぞ。


「何してるんだ?」


「まぁ、見ておくでござるよ。よし、では学園に戻るでござる」


 何事もなく学園に到着する。


「ふむ、学園内に入って来たでござるな。では、このまま王都の外に出るでござるよ。フィオ殿はここで別れて大丈夫でござる。付き合って貰ってありがとうでござるよ」


「はい!では失礼しますね。あ、出来たら魚は早めに持ってきてもらえると助かります」


「あぁ、成程ね。フィオありがとう」


「あぁ、分かった厨房に持っていけば良いか?」


 忍者が何かした様子は特に無い。何をしているのか全く分からない。


『恐らく学園内に入ってきたこと自体が忍者の策略であって入って来た時点でもう術中にハマったと確認したんじゃないか?』


 術中ったって服千切ってただけだぞ……昨日の棒人間か!そのまま学園の東門から王都の外に出る。暫く歩き続けた後。


「ここら辺でいいでござるな」


 王都からは木に阻まれて見えない林の位置まで来た。


「では連れてくるでござる。変わり身の術」


「ん?連れてくる?ちょっと待って」


 ロックオンが止めようとしたときには時すでに遅し。忍者の立っていたところに棒人間が立っていた。

 

「ヤな予感しかしない」


 暫くして。


「連れてきたでござるよ」


 ぐったりした人達を従えて忍者が戻って来た。そう従えて。明らかに上半身がぐらつきながら歩いてくる姿はゾンビの様だ。


「5人も居たのか」


「拙者らが学園内に入って不自然に止まった者たちでござるよ。もしかしたら関係ない者も混じってるかもしれないでござる」


「えぇ……」


「取り敢えず、1人ずつ起こして尋問するでござるよ。気絶状態だからキュアを撃つでござる。身体の物理的な主導権は握ってるから拘束は別にしなくて良いでござるよ」


 ナニコレ、忍者怖い。ゾンビとなった人達の背中には棒人間が貼り付いていて首の付け根に棒人間の頭が刺さっている。というか潜りこんでる。


『これは、何が何だか分からねぇな。血を流体操作で自分の血と混ぜてその血を操る事で物理的に体のコントロールをしている?だから集中力を上げてもらったって感じか。普通、ラジコンみたいに人は操れねぇよ』


「キュアセット、ファイア」


 と考えてた所でゾンビの1人を起こした。


「かっ、けほっけほっ。なんだ。何が……」


 俺たちの姿を見て状況を把握した様だ。


「おはようでござるよ」


「……」


「おはようでござるよ」


「ぐっ痛ぇ止めてくれ」


 躊躇の無い忍者の行動によって、起こされた男の右手の人差し指が手の甲と出会った。


「大丈夫でござるよ。こちらにはヒールがあるでござる。生きてれば無傷で帰れるでござるよ?」


「……話しても殺されるだけだ」


「そうでござるね。学園までの事なら別に報告して良いでござるよ?現状の話は秘密でござるし、ここで行方不明になって貰っても構わないでござるよ」


「何?」


「その際、生きるか死ぬかは、お主の対応によるでござる。拙者は人を砂に変える事も出来るでござるよ。証拠は足の指を見てもらうでござる」


「あっつ!?熱い、え?指が……」


 忍者は男の靴を脱がせ頭を手で掴んで良く見える様に位置を調整し、男は自分の足の指、小指が干からびる。


「トンでござる」


 干からびた小指に忍者が指でつつくとカサッと音と共に粉となり風に攫われて行く。


「ひぃ、待て待て言う言うから許してくれ」


「雇い主は誰でござるか?」


「ク、クライン様だ」


「誰でござるか?」


「クライン・ファンタシア。継承権第四位の目立ちたがりな王子様だよ」


「ほーん、目的はなんでござるか?」


「勇者の監視……です」


「どうしてこっちに来たでござるか?」


「クライン王子の指示で勇者につく虫の情報も集めろと……言われました」


「ほうほう、それで?でござる」


「なのでそこの男を調べる為に追跡してた……ました」


「そうでござるか。では全員起こして欲しいでござる」


「はーい、キュアキュアキュアキュアセット、ファイアふぁいあふぁいあふぁいあ。はぁ疲れる」



2023/04/30 書式などを調整。

流石、忍者汚い。悪役王子クライン登場。

それでは皆様また次回。

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