第01稿07話~問題は?3~
__ライダー|??
生まれてから、この双子はずっと一緒に居たらしい。
王族の末席として生まれたのを本能で理解していたのかは知らないっすけど。
幸運にも2人は生きて学園まで逃げ込めたのだ。
この学園の寮に入る事によってガルム・エクスプローラー、学園長の庇護を受けられる。
学園に居る間は大丈夫だが卒業後の問題がある。戦えるようになっておくのは損では無いか。
俺がパワーレベリングに付き合って貰った際のデメリットは戦いの経験なしにレベルが上がっていく事だ。
つまり、俺が居ない格上と戦った時に死ぬ。
いや、死ぬとまでは行かないっすけど大怪我をする可能性は高い。
格上とはレベルだけでなく技術の差があってもなり得るモノだ。
なので方針としてはさっき伝えたように戦闘訓練……いや実戦の方が良いか?
「戦闘訓練と魔物を相手にした実戦どっちが良いっすか?」
「レベルが上がりやすい方で」
「戦闘訓練は怪我はさせないと思うっすけど、実戦だと怪我する可能性も出てくるっすよ」
「構わない。毒を盛られたりとかもしてるしな」
「私が回復出来る。これは内緒」
「え?回復魔法使えるんすか?初耳っすけど」
「他に言ったら、お前と言ったもの達には遠いところに行ってもらう事になるから言うなよ」
いや、王子様普通に強いんじゃね?どんな威圧だよ。
「分かってるっすよ。まぁ、回復があるなら楽っすね」
「私はカルクと自分しか回復出来ない」
「ナンダッテー」
「語尾がとれてるぞ」
「おっとコレは失礼っす。ちょっと余りにも意味が分からなかったので語尾が取れてしまったっす」
「まぁ、兎に角カルラが無事なら俺は怪我負っても回復出来る。だからカルラは絶対に守れ」
「分かったっす。まぁ自分から向かってく奴を守るのは難しいっすけど、そう言う事なら楽が出来るっすね」
「次の夜会は……明日か」
「そうっすね。まぁ、今夜は遊び人の邪魔をしようと思ってるんで」
「お前、正気か?」
「狂気ね」
「え?なんすか?」
「夕飯の時の事だろう?勇者が一緒に食べたいって言ったのだからその邪魔をするって事は勇者の邪魔をすることになるぞ?それで問題が起きたら流石にかばえんぞ?」
「あー、まぁ何とかなるっすよ多分」
「私は勇者には関知しない。父様の領分なのでな。流石に父様に出張られたらどうしようもない」
「げ、そっちが出張ってくるっすか」
「当たり前だろ。生まれながらの勇者とは1番の戦力だ。その力は誰よりも強くなる。国としてはどう取り込もうかって話だし。それにちょっかいかけたら目を付けられるに決まってるじゃないか。それこそ暗殺とかの対象にされてもおかしくない。学園内なら安全だろうけど王都の外に出たらまずいだろうな」
「はー、なるほどっす。ん?じゃぁ、あの空気男も?」
「まぁ、元々特待生クラスで無かった者だしな。勇者が気に入ったのを見て咄嗟に特待生クラスに振り込んだって所だろう。それにより学園内での安全は確保されたって事だ」
「朝に王者の墓場の踏破とか言ってたっすけど」
「そうだな。まぁ、生きて帰ってきたらいい方なんじゃないかな。それによって勇者がどう反応するかも分からない愚か者しかいないとこの国は終わりだろうけど」
「どう反応するっすか?」
「さぁ?私はこの国の事などどうでも良いからね。どうせ末席。上の奴らが全員死ねば話は別だが手に入らんモノは考える必要無いだろう?」
「そうッスか」
継承権14位の王子はそれはそれは、まぁ良いか。ま、何もしなくても消えてくれるなら問題ないっすね。
ちょっかいはかけるけどな!
2023/04/30 書式などを調整。
ライダーに対して辛口すぎる双子。
それでは皆様また次回。