第01稿06話~冒険者登録1~
__遊び人|冒険者ギルド
「と言う訳で冒険者登録をしに来ました」
魔法の鞄にテントを突っ込んだあと隣の建物に来た。
「いらっしゃい。冒険者登録だね。私はここの冒険者ギルドマスターのマッシュ・スカッシュだ」
一緒に着いてきたマッシュはギルドマスターだったようだ。
「スカッシュ殿はギルマスだったのでござるな!」
「おぅ、そうだぞ。じゃあ登録するから、このカードに自分の名前を念じてくれ」
鉄のプレートを渡される。これは振り分け試験の時の鉄板と一緒か?
自分の名前を考えると鉄板にユウ・トキトーの名前が浮き出てきた。そして職業も表示される。
「名前が表示されたでござる。ハッ!これは正式な名前じゃなくても大丈夫でござるか?」
「あぁ、かまやしねーよ冒険者として名乗る名前って事になるからな」
「それなら良かったでござる」
「変な名前は止めといた方が良いぞ。名前の変更には手数料もかかるしな」
「成程でござる」
チラッと見るとカタナと表示されている。偽名なのかカタナって。
「よし、出来たぞ。これで冒険者登録は終わりだ。今は初級だから依頼は初級の物しか受けれないが頑張ってくれ」
「中級に上がるには?」
「素材の買い取り額が銀貨10枚以上になると中級への昇格試験を受けられるようになる。昇格試験は指定されたダンジョンの踏破だったり魔物の討伐だったり色々あるな」
「成程、素材はダンジョンで手に入れたモノだけか?」
「いや、市場で買った奴を流されても見当もつかんしな。特に制限はしてないが、出来ればダンジョンの物を買い取らせてほしいな」
「分かった。ダンジョンの物か」
魔法の鞄から幾つかの品を取り出す。
「やはり魔法の鞄か……その歳で所持しているとは凄いな」
「親に頼んで買ってもらっただけだ」
「親に……?トキトー?もしかして時鳴りの海の領主の……?いや、しかし息子が生まれたとは噂にも出てなかったが……」
「父の事知ってるのか?」
「そうか、やはりアイツの息子か。そう思うとアイツに似て……いや、似てねぇな。と言うか職業、遊び人なのか大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。投げナイフ量産してあるし2人のサポートに回るのが前提だからな」
「そうか、戦えるなら大丈夫だとは思うが」
「やってみなけりゃ分からないけどな」
「はは、まぁ確かにそうだな」
「これ、多分、3人分丁度だと思うんですけど」
鞄から幾つかの魔法道具を取り出す。前に試しにダンジョンに入った時に漁った宝箱だ。
「え?トキトー?」
「これは不正になるでござるか?」
2人の分も出すと聞いて口を出してくるけど問題ないか聞いてみるか。
「問題、ありますか?」
「PTメンバー共有倉庫からって扱いなら問題無いだろう」
「許可が出たし良いんじゃないか?」
「本当に良いのかな?」
「問題ないなら、いいでござるよ」
「本当に良いのかなぁ」
「気にするな。2人にはコレから世話になるしな」
「でも試験ってどの位かかるんだろう。王者の墓場の踏破したいんだけど」
「え?君たち王者の墓場踏破するのかい?あそこは上級ダンジョンの上にまだ踏破されてないんだが」
「その予定です」
「ふむ、ならばこの魔法道具達を買い取りしよう。ギルドマスター権限で銀貨30枚、3人で分割だ。ほら」
銀貨を10枚ずつ渡される。
「ギルドマスター勝手をされては困ります」
「いや、勝手じゃないぞ。計算してみろ」
受付で眺めていた女の人が口を挟んでくる。
「これは……ピッタリですね。問題ありませんね」
「と言う訳で3人ともギルドカードを貸してくれ」
鉄板、ギルドカードをマッシュに渡す。ロックオンとござる忍者も続けて渡す。
「えっと、ちょっと待って。うーん、こうだっけ?」
「私がやります。かわってください」
「えぇ?ここまで来て代わるのはちょっと」
「でしたらちゃんとやってください」
「あー分かった分かった。こうだな」
そんな掛け合いの元、何をやってるのかは分からんが推測は出来る。銀貨10枚の取引を記録しようとしているんだろう。
「よし、出来た。えっと昇級試験の内容は王者の墓場の34層到達だ。中級への昇級試験にしては難度が高いがやるかい?」
「イエスでござる」
「いいんで」
「いいんだ。やろうぜ」
引っ掛かっているロックオンにチェーンしていく。
「君がそういうならやろうか」
「と言う事で決まりだな。フィオもPTに入るのかい?」
「いえ、案内役を任されただけなので」
「まぁそうか、昇級試験3人PTで登録するよ」
そう言って登録作業を始めるギルドマスター。とんとん拍子に話が都合よく進んでいくな。
2023/04/30 書式などを調整。
カタナが偽名?ギルド周りは設定ガバ。
それでは皆様また次回。