第03稿04話~霧の舞台で死の舞踏5~
__忍者|ミスティックシティ―北の北
よし、勇者はあちらの相手を誘導出来たでござる。このプリズムクラブの攻撃は喰らったらアウトなものがあるでござるからな。人相手なら事故も無いと信じたいでござる。いや、首が無いでござるがね。勇者なら圧倒的脳筋力で成仏させてあげれるでござろうな。
『除霊(物理……あっちもあっちで筋力のリミッター外れてるからどうだろうね』
ハングドマン、話しかけてくるとは珍しいでござるな。
『基本観察してるからね。優しい黒いお兄さんがNGフィルターが緩和されてるから今なら自由にお喋りできるって教えてくれたんだ』
黒いお兄さんでござるか。
『さて、プリズムな蟹さんの相手をする前にちょっとお話ししよう』
終わってからじゃダメなんですか?
『優しい黒いお兄さんはね。突然、選択を迫ってくるんだ。倒しちゃうと話す暇が無くなっちゃうタイミングでこうやって教えてきたりね』
それは優しいんでござるか?して、話とはなんでござるか?
『黒いお兄さんは役割として無限の可能性を示す事が出来るんだ。そして、持ってる権能は選択肢を示す事』
んん、突然何でござるかね?
『フォーチューンは役割として可能性を展開する事が出来る。つまり未来予知だね。持ってる権能は人と人の関係の可視化』
『僕は役割として可能性を超越する事が出来る。権能は僕自体は持ってないんだけどね。元々、普通の人間だったから』
ふむ、で、何ができるでござるか?
『僕は超越した可能性を提示する。あのプリズムな蟹は本物である。魔導書にインしてた残滓と一緒に扱うと死んじゃうから気を付けてね』
あぁ、確かにそれは戦闘後では話が出来ない可能性があるでござるな。
『解法はもう出てると思うから君は耐えるだけだけど、ねぇ、ロックオン君』
え?何が?解法って?
ここで拙者が耐えるという事は決め手はロックオンって事になるでござるよ。
『私も言うべきかしら?私は展開した可能性を提示する。深き青に貫かれ蟹は水底へと還るでしょう』
成程分かった!アクアレーザーだね!
これが転生チートでござるか!自分がやると胸熱でござるね!
『えっ、君たちチートしてないと思ってるの……』
『しょうがないわよ。貴方の方は生前からチートだったんだから』
『そう言えばそうだった。彼は放浪者の流派の一門だったね。さて、お話はここ迄かな。ではヘイト稼ぎ頑張ってね』
はて?ヘイト稼ぎ?
あ、そっか。アクアレーザー当たってこっち迄、来てるって事だ。つまり狙われてるの僕ぅ。
ちょ、一番最初に言って欲しかったでござる!
__勇者|ミスティックシティ―北の北
「ファーストギア!んー、速い!」
ユウ君の方に向かおうとする首無し戦士に割り込み剣を切り結ぶ。むむ、目の前の私を無視するなんて!視線がユウ君を向いている!頭が無くても分かるよ!それに私と負けないくらいの筋力がある!ちょっと押されてる!!
「セカンドギア!」
推進力が無いと威力増えないなぁ。ジリ貧、下がるとユウ君に向かっちゃうし。
「プロテク」
「おぉ!愛に包まれてる!!」
ユウ君が防御を上げる支援魔法を使ってくれた!ユウ君の暖かい魔力が私を包んだ気がする!!これで!!!勝てる!!!!みなぎってキター!!!!!
「バフかけたら押し返してる……あれ?防御バフだよな?筋力バフ間違えてかけてないよな?」
「愛こそパワー!!」
「ダメだ。会話が通じない」
相手の剣を弾き!真っ二つにしようとする!!斧で受けられた!!!さっきまで持ってなかったのに!!!!
「サードギア!」
剣を持っていた方の手も重そうな斧を持っている!斧の二刀流だ!!受けてない方の斧を振り被ってるのを見て直ぐに後ろに回避する!!!
振り下ろされた斧は投げられていた!自分の剣を立て斧を弾く!!あっぶなー!!!完全に振り下ろす軌道で途中で投げに変えたっぽいなー!!!!しかも斧は投げるタイプじゃなく質量で叩き切るタイプだったから油断してた!!!!!
油断の出来ない相手だ!
「勇者すげぇ、あ、スロウかけておこう……多分あんま効かないけど」
ユウ君が褒めてくれた!技術を馬力で押しつぶせ!!今なら一気にギアを上げてもイケる気がする!!!しかもデバフも向こうにかけてくれたみたい!!!!流石ユウ君!!!!!惚れちゃう!!!!!!
「フォース、フィフス、シックス、セブンス、エイス、ナインス、ファイナルギア!!!」
軽くステップしてみる。おぉ、動いてもきつくない!きつくないよ!!何時もは視界が暗くなったり赤くなったりするのに!!!
感動しながら槍を叩き折る!!!!やっぱり馬力が違うね!!!!!
「……え?槍折った?折れるの?」
「もっと褒めてー!!」
「俺、褒めたか?都合よく変換されてないか?」
剣を叩き折る!斧を叩き折る!!斧を叩き折る!!!ん、叩き折っても何かしらの武器持ってる!!!!両手に持ってるのずるい!!!!!
よし!腕を叩き折ろう!!私は武器を持つ手を狙った!!!
遊び人の支援魔法で勇者のテンションが天元突破、カタナ&ロックオンはお互いにチートだと思っていて自分はチートではないと思っています。今回初めて、提示を受けてテンション上がってるけどただの助言です。
勇者の地文がうるさくてすみませぬ。勇者は大分、遊び人の台詞を都合よく聞き取ってます。
それでは皆様また次回。