第03稿03話~霧の世界のゾンビ達14~
__勇者|ミスティックシティ―北
ロックオン君が器用にアシダカさんの足先と壁に一発の弾を当てた、その壁に空いた穴から外に出た私は出るついでに壁に突き刺さってるアシダカさんの脚を取り敢えず斬りました!!よっし、アシダカさんの胴体と脚を分離させるぞー。虫系の魔物は足を斬れば基本的に何も出来なくなるからね!さっきのはユウ君がトドメを求めてたから串刺しにしたけど。弱いと思ったんだけど胴体も分離してたのに頭だけでも生きてるなんて!蜘蛛型は虫型とは違うのかな?
壁を上がってアシダカさんの頭とご対面。……人面蜘蛛だ!!じゃなかった。ケンタウロスの蜘蛛だ!えーっと、何だったっけ?ラミア?あれは蛇か。まぁいいや!女性の上半身がくっついている蜘蛛なら話は簡単、頭落とせば終わるでしょう!
「シックスギア」
目を見開く蜘蛛女の首をちょんぱする!落ちていく首を見送って蜘蛛の胴体を踏みつけ地面まで落とす。
まだまだ、おかわりは沢山あるらしい。早く調理してユウ君の元に戻らないとね!!
__遊び人|ミスティックシティ―北
よく見ると巣作りの途中なのか蜘蛛の後ろには糸が貼られている。良く燃えそうだな。復帰して自分のフィールドに戻ったと言う事か?
油瓶を巣に向かって投擲する。一つ一つが等間隔になる様にしていく。投擲はメインウェポンだから得意だ。まぁ、料理に使う油だから戦闘に使うならタールっぽい粘り気のある油で作った方が良いんだろうがな。
「巣に引っ掛けたのは割れては無いが炎で炙れば発火はすると思う」
「おっけー、細工は流々、あとは仕掛けをご覧じろってね。ふぁいあふぁいあ、ふぁいあふぁいあ」
火の弾が二つ、人玉の様に尾を引いて飛んでいく。巣に当たると熱で瓶が割れ、まき散らされた油に火が付き地面に燃え広がる。火の玉で巣溶けたぞ。糸が溶けた事によって蜘蛛もバランスを崩し地面に落ちる。そこに二発目の火の弾が着弾した。装填した時点でこの結果を見通してるのだろうか。だとしたら凄いな。
「上々だけど、これは効いてないねー」
「火は駄目か」
火に炙られている蜘蛛は後ろを見て、止まった。
「……何か凄いしょんぼりしてない?」
「哀愁が漂ってる気がするでござる」
「そう言えば、勇者が見敵必殺しただけで向こうから攻撃する意志あったか?」
「取り敢えず、家を焼いてみた?」
「拙者ら放火魔でござるね」
蜘蛛は俺達の事が眼中に無いようで燃えた部分や溶けた部分を消化し巣作りに戻って行った。
「……よし、見なかった事にしよう。そして、勇者拾ってここをあとにしよう。別に勝てないと悟った訳じゃないんだからね!」
「そうでござるね。巣作りを優先するようでござるし触らぬ何とやらに祟りなしでござる」
「もうアウトな位触ってる気がするのは気のせいか?」
「気のせい気のせい。大丈夫大丈夫、多分、きっと、おそらく」
「まぁ、こっち見向きもしないしセーフか」
「外のアシダカグモに任せてるのではないでござるか?」
「ピンピンしてるし僕らじゃ殺せないから放置って事かぁ。そう言われると、どうにかして倒したくなってくる不思議」
「はいはい、言われてないからこちらも放置するでござるよ」
「くそ、火力がまだ足りないってもうちょっと油の粘度上げたら良いんじゃない?」
「あぁ、それは思ったけど一応これ、調理油なんだ。錬金で作ったから小分けにされてるだけだな」
「そう言えば錬金って瓶もセットなの?」
「瓶は別で用意するんだ。何故かそこ等辺にある砂に製作スキル使うと作れる。あー、粘度上げるとしたら発火粉的なの混ぜ込めば行けるか?おが屑でも良いかもな」
油瓶におが屑や、鉱石を粉にしたものを混ぜ込んでみる。
「へぇ、そう言えば生産スキルって頭おかしいと思うんだけどなんなのあれ」
「錬金、製作、鍛冶の三種を俺は持ってるけど、何だろう対応した素材を粘土に出来る感じか?錬金だと生もの、製作だと無機物、鍛冶は武器関係の粘土みたいな」
「あぁ、だから錬金は料理……」
「錬金の一番の効果が調合だからな。調味料なら素材があれば本来なら必要な要素とか抜けてても発酵させれたり生産出来るって事だ」
「そんな呑気に話してて大丈夫でござるか?」
「多分大丈夫じゃね?よし、完成だ」
3種の油瓶を作ってみた。おが屑、鉱石の粉、両方入り。
「おぉ、早速試そう!」
ロックオンはこういう系好きなのか。火炎瓶とか。この世界、火山とか無いからな。天然ガス位なら海底にあるか?山脈でも天然ガスある所もあるかね?いや、でも山脈地帯は瘴気が近いし無理か。偶には料理以外も作らないとな。大量の投げナイフと料理関係ばっかで製作の練度だけが落ち込んでいる。
これから毎日(蜘蛛の)家を焼こうぜ!外の事は勇者に任せてサボる屑男3人組みたいになっている。
どうしてこうなった。
次回も彼等の迷走は続きます。
それでは皆様また次回。