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転生したら遊び人、しかも空気になる呪い。それでも異世界生活Enjoy!  作者: KP.BOX
第03稿~霧深き都市・ミスティックシティ~
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第03稿03話~霧の世界のゾンビ達12 ~


__遊び人|ミスティックシティ-北



「料理って錬金……だったのでござるか?」


 移動しながら料理の話をするか。


「あぁ、調味料は錬金だな。領内では一応、魚醤を少し足した似非醤油と似非味噌が手作りだが。今回の戦利品で完璧な手作りが可能になると思う」


「そうなのでござるか?」


「あの世界、菌が居ない。と言うかかなり少ないし、生き物の在り方自体が違う植物も然りだ。パンは膨らむ素材を混ぜ込んで作るし。かわりに錬金で何故か膨らむ。そう、発酵をさせるという過程が錬金に組み込まれている」


「成程、世界のルールでござるね」


「しかし、発酵と同じような作用をしてる現象がある」


「何でござるか?」


「人や動物の屍だ」


「成程、腐敗でござるか」


「そうだ、あの世界では死んだあとに火葬しなければアンデッド、ゾンビになると言われている。それは瘴気によるものだという考えだ」


「つまり瘴気は菌と言う事でござるか?瘴気で発酵はするのでござるかね?」


「そうかもしれないけど、今はそれは重要じゃない。発酵してくれる菌じゃないと意味無いからな。瘴気の中に酵母があるとしても酵母を取り出す知識と術が無い。あとはきのこ等の菌糸類と魔物だ。膨らませる薬草も菌糸系統に属するのかも知れないけど俺の知識ではさっぱりだ」


「そうなんでござるか?」


「あぁ、俺は出来合いのモノを量産して売る位なら出来るけど1から生産する事は無いしな」


「うぅむ、商才があるのでござるね」


「色んな屋台で出稼ぎしてたからな。と言う訳であの世界には麹菌が居ない。だけどまぁ、今回の味噌を種にしてちゃんとした味噌や醤油が出来る筈だ。こっちの種も持っていけるしな清酒も多分出来るぞ!!」


「おぉ、それはいいでござるねぇ!清酒なら作成に少しばかり手伝えると思うでござるよ!」


「マジか、じゃぁフィオが育てた米で作ってみようぜ」


「そうでござるな!」


「君たち呑気だね……こっちは頑張って先導してるのに」


「すまんな」「そーりーでござる」


「ねね、出来たら私も一緒に飲ませてね」


 袖をグイっと引っ張られて勇者にそう言われた。溢れ出る威圧。何故。


「あぁ、分かった。しかし、北の方は全然ゾンビが居ないな」


「人口的には南の方が学校とか病院もあったし集中してたんじゃないかな。見える範囲でもそこまで居ないし」


「それかゾンビを狩る者達が居るかもしれないでござるよ」


 成程、狩る存在が居るからこちら側のゾンビは数が少ないと言う事か。


「味方であることを願いたいね。ってぇぇ、建物に隠れよう」


 ロックオンが何かを見つけた様だ。隠れると言ったので敵だろうか?全員で手近な建物に入る。ナチュラル鍵開け侵入である。


「それで何を見た」


「蜘蛛みたいなの?」


「蜘蛛?大量に居る感じか?」


「いやデカいの。学園?に居たスライムよりもデカい。多分こっちにいるゾンビはアレに捕まってるんだろうね。足に繭ぶら下げてたよ」


「身体に餌をぶら下げるとは中々怠惰な蜘蛛のようでござるね」


 怠惰の使い方間違ってないか。


「いや、多分何処かに運んでるんだと思う。ここら辺にゾンビが沸いてないのも倒されてないから湧きなおししてないからかも」


 沸きなおしとは、ダンジョンで起こる現象だ。一定量、魔物が減るとその魔物が補充される。ここははたしてダンジョンなのだろうか。今のところ壁の破壊等の行為は出来ているが勇者のパワーなら、ダンジョンの壁の破壊も可能だったはずだ。


「取り敢えず蜘蛛を避けるか先にやるかどうする?」


「私がやろう!!」


「おぉ、勇者殿がヤル気を出してるでござる」


「敵は何処だー!ファーストギア!」


「ちょっと待つでござるよ」


「何?」


「突っ走られてはぐれたら大変でござるよ」


「大丈夫、ユウ君の近くはクリアに見える!!」


「では何時でもトキトー殿と合流出来ると言う事でござるね。しかし、ダンジョン内は何処でエリアが変わるかも分からないでござるから離れるのは得策では無いと思うでござる」


 ここがダンジョンなら地図作成で作成した範囲は同エリアなんだが、まぁ、わざわざはぐれる意味はないな。こんな一階層がバカでかいダンジョンは初めてだし不測の事態にならない様にしないとな。


「ロックオンは魔銃はデカいの撃つの禁止な」


「えぇ!どうして?」


「マナポが飲みたくないならそうしろ、そろそろダンジョンボスに備えるぞ」


「あぁ、そういう。あの蜘蛛がダンジョンボスなら良いなぁ」


「ボスは3体居るんじゃないの?」


「……どうしてそう思うでござるか?」


「あのおじさんがゾンビは三種って言ってたから!」


「あぁ、成程、緑のゾンビの引率が甲羅の怪物と言ってたからには他2種も引率するボスがいるって事か」


「引率……拙者らのボスは現状グラス先生でござるかね?」


「そこはトキトーじゃないの?」


「PTの引率と言う点ならトキトー殿でござるな!」


「異論は無いよ!」


「無いかぁ……俺はある」


「こういうのは多数決と決められてるでござるよ」


「少数派は声すら上げられない闇の文化か……」


「そこまでかな?」



発酵と腐敗は人に害がないかあるかで同じ現象。と言う意味での同列でした。いや、ゾンビは言い過ぎたかな。

次回は激闘、ゾンビ蜘蛛!!と言いたい所だけど勇者が居るから激闘にならないんじゃないかなと思っています。

激闘になるかも?それでは皆様また次回。

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