第03稿02話~不思議な不思議な霧の街8~
__遊び人|霧学園
魚のマナポを飲んだロックオンは飲んだ状態で固まった。
「マジで飲んだ。飲めるのかコレ。よいしょ、飲み切って」
ロックオンの肘と頭を動かして瓶の中身を強制的に流し込む事にした。
「追撃とは何と惨い」
語尾が取れてるぞ忍者。
「起こす?」
「いや、取り敢えず寝かせて置こう。睡眠でもMP回復早くなるからな」
「おぉ、では睡眠薬を調合したでござるね
「いや、これはマナポだよ」
「拙者は要らないでござる」
「はい、これヘルポだよ」
「拙者にはMPが無いので必要ないでござるよ!!!ってヘルスポーションでござるか?」
「取り敢えず飲め」
「え、しかし。臭いがやばい……でござる」
「勇者に飲まして貰おうか」
「自分で呑むでござる」
カタナにヘルポをひったくられ、そのままカタナはソレを飲み干した。
「飲み干したな。じゃぁカタナも寝とけ。俺と勇者で番するから」
「突然でござるなぁ!」
「ロックオンが万全じゃないなら万全にしてから、あのゾンビスライム対処して欲しいしな。中は魔物も来ないっぽいし多分、安全だ。」
「休息は大事でござるな」
「まぁ、飯作るからその間に寝とけって事だな」
「そう言う事でござるか。では寝させてもらうでござる」
そう言ってロックオンの隣に腰を降ろして微動だにしなくなった。
「さて、勇者も休んどけ」
「手伝いとかしなくて良い?」
「要らん、戦闘は任せるから寝とけ」
「分かったー」
よし、料理始めるか。味付きポーションに関しては最初、散々試したが錬金したものは一律で同じものが出来上がる。素材の味を残したままやる方法は出来たが味を付ける。変えるという点では錬金では無理だった。そして、ポーション自体を水と見立てて料理しても出来上がるのはポーション効果の亡くなった珈琲や紅茶、スープだった。
ポーションの効果を残して味を付ける。ここで一つ忘れていた。魔力ポーションは別に雑魚じゃなくても作れると言う事を!いやぁ、固定概念って怖い。マナポを作るのに必要なのは澄んだ水と魔力を持った食べ物。ここで言うのは味や毒で食べられない物も含める。つまり珈琲に似た味のする物を素材にすれば珈琲味のマナポが作れる!筈だ。だが、この方法だとただ苦いだけの物が出来上がる……と思う。なので調理した料理自体をポーションの錬金に使えばどうなるか。
『マナポに調味料ぶち込めば甘くはなるぞ。溶けにくいが。残念ながら料理スキルを使うと素材の魔力を変化作用に使ってしまうから錬金の素材には出来ない』
マナポを素材にしたらマナ回復無くなるのはそう言う事だったのか…!あれ?って事は手作業で珈琲を豆から砕いて淹れたの使えば行けるんじゃ?
『試してみれば良い』
珈琲豆はあるけどもう砕かれている。
『生産品は料理スキルは使わないだろ』
あ、それもそうか。ならコレで作ってみよう。珈琲豆を取り出し、水と合わせて錬金する。
量は500ℊ一袋使ったが……10ml程のマナポしか生成できなかった。この量では回復も微々たる物だな。
成程、珈琲豆自体の魔力と水に溶けた魔力、その二つの魔力が少ないから出来る量も少ないのか。
課題としては素材の量を増やすか保有魔力の高い物を使う。魔力を高い素材は魔物を使うのが手っ取り早いが珈琲豆の魔物とかは聞いたこと無いな。大森林なら植物系の魔物が出るとか聞くけど。実は行ったことが無い。
そうだ。味を確認していなかった。珈琲味のマナポを飲むと言うより舐めると珈琲の味がした。方法としては間違ってない様だ。
そう言えばタンポポ珈琲とかあったな。あれなら植物系の魔物を使って作れるか?あれって確か根っこを細かく砕いて炒って淹れれば完成だったな。炒る所までやれば良い感じかね。
さてと、一先ず珈琲味は置いといてスープでも作るかな。
生の雑魚のマナポ。物凄い悪臭を放っている。飲んだ者はあまりの臭さに気絶する。
次回、霧の世界のゾンビ達。
それでは皆様また次回。