第03稿02話~不思議な不思議な霧の街4~
__勇者|霧学園
むぅうう、どうして無傷なの!あの盾凄い強い!
あ、盾が強いなら盾で防げない所から攻撃すれば良いんだよね!
「サードギア!!」
その言葉と共に跳躍!そして真上から斬る!!ちなみにサード以上の速度なら衝撃波が飛ばせるよ!つまり上からぁ!押し潰す!!
__遊び人|霧学園
「サードギア!!」
勇者が上に飛んで霧の向こうに行き見えなくなる。そして、足元が真っ赤に染まった。あいつ、この霧の中で範囲攻撃かよ。味方居る事忘れてないか?
「カタナ、トキトー連れて回避!」
「あい、分かったでござる!」
ふわりと身体が宙に舞った。赤い糸が縄くらいの太さになってそれで持ち上げられてるらしい。太さも自由自在なのか。
「……?何と、トキトー殿が消えたでござる」
は?浮遊感。縄が消えてる。何処か飛んでってるなー。コンクリの所落ちたら死ぬな―。お、走馬灯が流れてる。
『お前マジ何とかしないと死ぬぞ。流石にコレは無いわ』
かといって空中で出来る事、無いんだが?
『いや、あるだろ』
例えば?
『それは自分で考えろよ』
スパルタだ。しかし、この霧の中じゃ着地地点も視認出来ないな。あー、あんまりやりたくないが。ぬるぬるになったら着地……いや、着弾した後滑って軽減出来ないかな。生きてれば回復魔法はあるし。あ、そうだ。プロテクプロテクプロテクプロテクプロテクプロテク。からの毒精製!ジュウジュウと音を建てる液体を身体全体に塗りたくる。俺の補助魔法は倍率であり基礎が低かったら雀の涙しか上がらない。なので攻撃力がゴミカスの俺に攻撃力の上がる補助魔法をかけても毒使った方が攻撃力高いんだよな。
そして同じく防御力がゴミカスだからこれだけかけても物理法則を無効にできるステータスにはならない。
そこでちょっと肌がヒリヒリするけど酸を生成して何処に墜ちても溶かして衝撃を和らげようと頑張ってます。だがこの方法、欠点がある。毒無効のおかげで生成する毒は自分は溶かさないけど着てる服は酸溶けるんだよなぁ。しかも溶かす時に熱を発してるようで熱い。超熱い。
魔法の鞄は溶けないから落ちた時に酸を流してから服を着ないといけない。まぁ、この霧の中だ。合流するのに時間はかかりそうだな。こうなった時の為に合流場所を決めておけば良かった……
という訳で空飛んでたら鴉の群れに突っ込んだわ。酸で相手の方が被害甚大。プロテクだけじゃなく酸人間になってて良かった。現在の状況は溶けた鴉と一緒に地上に向けて自由落下中。垂直落下は厳しいなぁ……結構な高さだ。耐えれるか?
『……酸無くした方が良い』
え?何で?
『ついでに服も着た方が良い』
どう言う事だ?
「きゃあああっち!」
という声と共に自由落下が止まった。
「あっつ!」
そして放り投げられました。地面に叩きつけられ意識が飛んだ。
__忍者|霧学園
「サードギア!!」
勇者が飛び肌色スライムに向けて剣を構える。あれは範囲攻撃でござるな。トキトー殿を範囲外に連れて行かねば。
「カタナ、トキトー連れて回避!」
「あい、分かったでござる!」
血の糸に血を送り込み縄くらいの太さにし、トキトー殿を運ぶ。その際、力の加減を間違ってしまった様でござる。と同時に勇者も斬撃を叩き込んだみたいでござる。巻き込まれてはいない筈。
「……?何と、トキトー殿が消えたでござる」
いやぁ、すっぽ抜けてしまったでござる。しかし、声を上げる事無く飛んで行かれると何処に行ったか分からなくなってしまったでござるな。この霧、感知能力を下げる効果でもあるのでござろうか。違うでござるな。この霧が生きていて感知しにくいだけでござる。
む、気付けば勇者も視界外に行ってしまったでござるな。恐らくトキトー殿の元へ一直線でござろう。血の糸は繋がったままなので辿れば良かろう。
しかし、問題はあの肌色スライムは勇者の斬撃を受けてもピンピンしてる事でござるな。
『魔法の盾は属性魔法で出来てるから対応した属性で打ち消したら良いよ』
「じゃぁ、僕の出番か。さっさとヤッて二人を迎えに行こう」
すぐ近くにロックオンが来てたでござる。
勇者は状態異常無効持ってますが熱かったです。これが意味する事は……?
酸生成はかなり強い毒となっていますが、現状は武器に塗る事は出来ず、相手に直接塗りに行かないといけないというデメリットがあります。遊び人は先手が取れるとは言え魔物の攻撃喰らったら即死しかねないので実戦では使えません。
次回こそファランクスゾンスラを倒す事が出来るのか!
それでは皆様また次回!