第03稿02話~不思議な不思議な霧の街3~
__遊び人|学園
という訳で学校に着いたが何処から入るんだこれ。5mはある柵で囲まれている。
「あっちの方に門があるよ」
「分かった」
柵の向こうは霧で見えない。蠢いてるモノってどんな奴か。
「あ、見えてきた」
門が見えたが言ってた通り蠢いてるモノがあった。
見た目は肌色と灰色が混ざり合った色をしていて固形が混じってる部分からは毛が生えている。
これ、ゾンビか……?ゾンビとか言ってたけどどう見てもスライム。
「ゾンビを液体にしてごちゃまぜにしたような見た目してるね」
それにしてもこのスライム。大きいな。俺らよりも2,3倍程も高さがある。しかし素早さは高くない様だな。
「こんなものが居るのでは無理そうでござるな」
「珍しい、カタナ諦めるの?」
「流石に多勢に無勢でござるよ」
「多勢?」
……久しぶりに敵を解析してみよう。何々、ファランクス?どう言った意味だっけ。
ステータスは文字化けしてて読めない。説明欄も同じく。
「拙者と同じ様な臭いがするでござる」
「臭そう。え?自分でこれと一緒って言っちゃう?」
「戦い方でござるよ。コレ1人じゃ無いでござる。何人もが集まってコレになってるでござるよ」
話してる間。門の向こうを蠢いているファランクス。ゾンビスライムか。
「解析してみた。分かったのは名前だけだがファランクスと言うらしい。完全にゾンスラだが」
「ファランクス。つまり軍隊か、いや、群体か」
そう言えばアレは既にこっちを認識してる筈だが特に攻撃してくることも無く蠢いている。
「ファランクスと言えば密集隊形一つでござるな。一つにかたまり前方は盾を構え壁に、後方は槍を構え投げたり前進する。だった気がするでござる」
「じゃぁ、コレ槍投げてくるの?」
勇者は槍を持ってるようには見えないがどうなのだろう。
「んー投げてくる前にやっちゃおう!」
「待て、攻撃して来ないなら様子を……」
止める間もなく。勇者が門ごとゾンスラを斬った。綺麗に斜めに門がズレて上の部分が地面に刺さる。
二つに割れたゾンスラが分裂し始めた。
「うぇ!きもい!」
「戦闘でござるね」
「でも、これで殲滅すれば門から入れるね」
1、2、3……霧でもう見えないがかなりの数に分裂している。小さい頭のない片腕の人型になったが前言撤回、小さくなったら素早さが上がった。
前列に並んだ片腕のゾンスラが腕に盾を生成していた。属性魔法で盾を作ったようだ。色とりどりの盾。前衛は壁。と言う事は……
「何か攻撃してくる気配があるでござる」
「それあるぅ。ふぁいあ!ふぁいあ!ふぁいあ!」
俺の前に出たロックオンが銃を乱射する。霧の向こうで雷が落ちる様な音と様々な色に光る。
「うげ、槍みたいなのはうち落としたけど。腕は直ぐに治ってる。やばい、撤退しよう。撤退」
「撤退は無しだよ!」
勇者が大群に斬りかかって行った。これはあれだ。脳筋だ。
凄い、勇者の剣を受け止めている。ファランクス凄い。
「ファーストギア!!」
これも受け止めるか。正直、どう止めるか悩むな。最後まで見てから出直すか。今の状態だと情報が少ない。戦闘開始してから黙ってるから俺には攻撃、多分飛んでこないだろう。初めての敵と戦う時はまず、観察から入る。何故なら黙ってれば攻撃されないから。今回3人がそれぞれ動いてくれるので敵の行動も見れる。取り敢えずは誰かが危なくなったら撤退かな。危なくなる場面を見てみたい。……魔法の鞄からポーション出しとくか。
ゾンビスライム、ファランクス。前衛はあらゆる攻撃を受け止め、後ろは槍投げ競技会。
遊び人は対象指定攻撃の対象にはなりません。範囲指定攻撃は喰らいます。ロックオンが対処した槍も3発分です。
誤字報告してくださった方が居りました。ありがとうございます。魔銃を魔獣など、変換ミスが無いようにはしてますが報告してくださるととても助かります!
さて、次回は増殖無敵のファランクスゾンビスライムをどう攻略していくか。
それでは皆様また次回!