第03稿01話~霧深き世界4~
__遊び人|ミスティックシティ―南区域
教会でヘイストを掛けたあと忍者に続いてホテルへ走る。墓場をチラっと見たけどクレーターが消えていた。自動修復されている。ダンジョン内なのは間違いないな。墓については疑問が残るがホテルに向かう事になったからしょうがない。
霧で見えないが忍者の血で作られた糸のお陰で迷う事は無さそうだ。カタナとはぐれる心配はない。
背後にピッタリとくっついてきている勇者が居るから。ロックオンが大丈夫かどうかか。
ふぁいあふぁいあ聞こえてる間は大丈夫か。マナポ持たせたから遠慮なくトリガーハッピーをしている様だ。珈琲味のマナポ。出来るか?
「ホテルを見つけたでござるよ!」
「入り口は開いてるか?」
「バリケードが設置されてるみたいでござる」
カタナに追いつきホテルの玄関を見る。フェンスに有刺鉄線、丸太が並んでいる。だがよく見ると入り口まで迷路の様に設置されている様だ。
「迷路だな」
迷路の中によく見るとゾンビもいる様だ。次の瞬間、バリケード諸共ゾンビが消し飛んでいた。
「あ、ごめん。やっちゃった?」
ロックオンが霧の中から現れる。バリケード壊した犯人はこいつです。まぁ、多分コレも修復されるだろう。
「取り敢えず中に入るか」
玄関に大穴があいたかと思ったがそんな事はなかったみたいだ。生存者が消し飛んだりしてなくて安心した。そもそも生存者居るのか?
忍者が先行してホテルに侵入する。ラウンジには人は居ない様だ。
「何もないでござるな」
「入り口だから何も置いてないとか?」
ラウンジに元々置いてあっただろうテーブルや椅子はまとめて端に寄せられているが生存者が居たとかいう痕跡はない。
まぁダンジョン内だし当たり前か、と思うが疑問に思うのは先程の墓場の骸。あれには確かに人の骨との鑑定があった。あの文字化けしている所が如月天人ならば彼は確かにあそこで死んだと言う事になる。ここがダンジョンだと思うと如月天人と言う作中の登場人物と同じ名前の人間がファンタシア大陸に存在していて、不運にもこのダンジョン内で死んだ。と言う事になる。いや、つい先日見つけたばかりのダンジョンだし、その線は薄い。
ここがもしダンジョンで無く別の世界だとしたら、他にもそういうダンジョンがあるかもしれない。ここはどう見ても日本では無さそうだけど。元居た世界に繋がってるダンジョンがある?
「トキトー殿、どうするでござるか?」
おっと、考え込んでいた。ラウンジには人が居ない。ここで一旦マップ作製をするか……大きな紙を製作して書いてみるか。
「マップ製作をする。カタナとロックオンは人が居ないかホテル内を探索してくれ」
「私はユウ君、守ってるから行ってらっしゃい!」
「さも当たり前の様に近くに居ようとするでござるな……」
「トキトーは諦めてるみたいだ」
「きゃんきゃん」
「ティキ殿も拙者らと一緒に行くと言ってるでござる」
「カタナに任せる」
「了解でござる」
さて、ロックオンとカタナは行ったか。はい、ここに取り出したるは草です。魔法の鞄から巻き藁の様な物を取り出す。製作で何と紙に出来ます。
「え?紙?真っ白!」
そうです。この世界真っ白な紙なんてありません。誰でも製作とか錬金が出来る訳でもないので紙とは木の皮や動物の皮を使ったものが多い。あとは和紙みたいなのとか。技術的には作れるけどライダーの機械が古代文明とか言う位の技術力なので製紙技術もお察しです。ちなみに俺が何時も常用している奴は鮫みたいな魔物の皮とか使っている。羊皮紙みたいなものだな。さて、どうして紙を作ったかと言うと。魔物の皮とか木の皮じゃ大きさが足りない。なので大きい紙を生成しました。
という訳でここに地図を書いていくぞ。この大きさなら十分、町全体を書く事が出来るだろう。
大きさは畳一枚くらい。施設とかが分かれば良いからな。全体図を自動書記する。
実はこの世界の紙は白くないという事実です。調理器具さえ何とかなれば作れる料理方面とは違って製紙する為の機械とかは遊び人の記憶には入ってません。忘れてるだけかもしれないけど。
和紙は料理にも使うからどんなものかは覚えてました。作り方は知らないけど。
それでは皆様また次回。