表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/183

第02稿××話~幕間劇場過去回想、飢餓~



__遊び人|回想(生まれたての遊び人


 生まれて数日、俺は死にかけていた。

 それはそうだ。生まれてから家族も乳母も誰も俺の事を忘れていた。誰も来ない。

 しかも声も出ない程、喉が枯れている。詰んだ。


『このままじゃ餓死するぞ。どうするんだ』


 いや、呪いがここまで強いとは思ってなかった。さて、どうにかして存在をアピールしないといけないが身体は赤子、ハイハイも出来ない。そう言えば生まれてから思考出来てるんだけどこういうのってもっと後に前世を思い出すとかそんな感じではないのか。


『一定の年齢、自己が出来た時点で思い出すようになってる。しかし、それとは別で心身への衝撃でも思い出すようになってる。飢餓感で思い出してるからこのタイミングだ』


 思い出して早々に退場しそうなんだが。


『流石に始まって数日で死にましたはシャレにならんからちょっと聞いて来るわ』


 なるべく早く。頼む。


『よし、かなり喋ってよろしい事になったので取り敢えず指示していくぞ』


 あぁ、早くしないと身体が衰弱してる。


『まずは魔力吸収だ。魔力が無いと話にならん』


 対象が居ないんだが。


『何も魔力を持ってるのは生き物だけじゃない。自然も持っている。大気に含まれる魔力は大源と言ってそのままじゃ人は使う事が出来ないが魔法陣とかで使えるようにすることも出来る。魔力吸収は文字通り魔力を吸収するからな。魔力があれば気力は持つ。時間が稼げるから何とかする方法を見つけるぞ』


 魔力吸収をすると確かに力がみなぎってくるように感じる。

 しかし、これからどうするか。誰かー助けてー。


「ぁっぅー」


 ダメだな。声が出ない。どうしてこんなになるまで泣かなかったのか。


『我慢強い子だったんだ』


 我慢しなくて良いよ。


『取り敢えず見える範囲で解析とか鑑定を取り敢えず使ってみろ』


 はいはい。目ぼしいモノは……鑑定。ベッドの横に花瓶の置かれた棚。棚の中は分からない様だ。


『使えば使うほど脳みそがコツを掴んで来る筈だ。そうすれば範囲も広がる。範囲拡大使ってみろ』


 成程。範囲拡大も使ってみると視界にあるモノの情報が流れ込んでくる。成程。情報量が多すぎて頭が痛いな。眼の裏側が痛い。まぁ飢餓感は抜けていないので鳩尾の裏も痛いが。


『何か使えそうなものは無いか?』


 見た感じだと無さそう。ミルクとかも置かれてないぞ。


『取り敢えず水分補給しないとヤバそうだな』


 そう言えば、俺の固有スキルって何取ったっけ。


『生産強化、錬金、製作、鍛冶、毒精製、アイテム使用時効果UP、治癒魔法効果UP、状態異常魔法効果UP、支援魔法効果UP、範囲拡大、トレジャーハント、ドロップ率UP、開錠、マップ作製、敵感知、魔力吸収、早業、鑑定、解析、罠解除、魅力、話術、毒無効、麻痺無効、スロウ無効、無詠唱だな。流石に量多いな』


 毒精製ってどんな効果だった?


『色んな毒が作れる』


 それは毒液とかも作れる?


『作れるが』


 毒無効と麻痺無効の違いは?


『……毒精製で作れる毒薬の効果を無効化出来る。麻痺無効の方は麻痺毒に加えて電撃による麻痺や血や神経の滞りによる麻痺、衝撃による痺れも無効出来る』


 強くないか?


『固有スキルはそれぞれ強いけど。今回は代償が代償だからな。まさか使う前に死にかけてるとは思わなかったが』


 腹減り無効とか付けておけば良かった。


『腹は減らなくなるけど栄養失調にはなるからな?スキルがあるとは言えベースは人だから』


 成程、で、無から毒精製って出来るのか?


『出来ない。魔力と素材を合わせて作らないといけないぞ』


 じゃぁ、空気は出来るか?


『そこに素材があると認識出来れば出来る』


 毒の定義は?


『人体に入った時に悪影響を及ぼす気体液体固体の物質だ』


 取り敢えず。水を飲もう。


『どうやってだ?』


 空気を液体にする。水素とか酸素とかって一応毒なんだろ。だったら精製出来ないかな。


『成程。それなら水素と酸素を精製してから錬金で合わせれば水は出来るな』


 良しやってみるぞ。魔力吸収で魔力を集めながら毒精製で水素と酸素を作る。何か出来た感じはしたけど眼には見えない。錬金で更に精製する。水滴が口の中にポタりと落ちる。成功だ!

 しかし、一滴。一滴の水滴しか錬金出来なかった。口の中が多少しっとりしたくらいだ。


『まぁ、こうなるな。範囲もあやふやで素材も散在、一滴でも出来たのが奇跡だ。才能あるぞお前』


 いや、そう言うの求めてないから。どうしようヤバイ。このままじゃ餓死待ったなしだ。こうなったら……製作って壊すのって出来る?


『素材に戻す事なら出来るぞ』


 よし、それだ!横に置かれた花瓶の置かれた棚。花瓶に水は……解析。入ってる。棚のこちら側の脚を解体してこちらに花瓶を……


『あー、死んだか?』


…………

はい、という訳でこの後花瓶が割れた音でゴートが来て、掃除をしようとしたところで遊び人に気付きます。こうしてゴートは瞳に遊び人レーダーを彫る事になります。


次回は霧の原因を潰すように頼まれた遊び人一行。は霧の中を迷わず進む魔銃使いについて行きます。

読んでくださってる方に感謝を、それでは皆様また次回。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ