第02稿11話~海上ダンジョン7~
__忍者|海上ダンジョン
『来ちゃった』てへぺろ
「ティキ殿でござったか」
「ティキちゃんだ!よしよーし!」
『うんうん苦しゅうない』
ティキ殿は勇者に撫でられてご満悦のようでござる。
「キャー可愛い!」
「えっと、僕が言うべきかな。ティキが仲間になりたそうにこちらを見ている。仲間にしますか?」
『返事ははいかyesだよ!』
「強制加入イベじゃないか!!」
遊び人の号哭が聞こえる。
『そう言えば君の血が漂ってたからここまで来たんだ道案内ご苦労だよ』
「なんと、役にたてたのなら良かったでござる」
どうやら棒人間。あの穴に入った後は忍者の制御から外れた様だ。
『それで、君たちこんな所で何してるの?』
「海上ダンジョンの探索をしてるでござる」
「まて、カタナ……お前ティキと話せるのか?」
トキトー殿にはティキ殿の声が聞こえてないようでござる。
『動物と話せるとでも言っといてね。君と銃の子にしか聞こえない様にしてるから』
了解でござる。
「カタナは動物と話せるから取り敢えず話を聞いてみよう」
あ、ロックオン。通訳を拙者に押し付けたでござるな。
『取り敢えず、ココの探索が目的なんだね』
「そうでござるよ」
『じゃぁ、僕も混ぜて混ぜてー』
「PTに入りたいと言ってるでござる」
『返答ははいかyesだよ!』
「返答ははいかyesだよって言ってるでござる」
「まぁ、ティキなら良いけど……」
「トキトーの突っ込みは正しかったね」
「強制加入か……」
『そうと決まったら早速先に進もう』
「先に進もうと言ってるでござる」
「そうだな。ここに突っ立っててもしょうがない。取り敢えず敵は一種。透明な吸血生物が居る事は分かったな」
『どんなのだろう』ワクワク
わくわくしてるでござるな。
『そりゃ勿論!探検だ。探検だ』
「次の階層への手がかりを探そう」
「では先程と同じように拙者の血でスイッチ等の探索をすればよろしいでござるか?」
「あぁ、任せた」
「吸血された場合はどうするでござるか?」
「消耗が激しいようなら即座に撤退。余裕があるなら姿が確認出来次第倒す感じか?」
「了解したでござるよ」
ロックオンが興味無さげにティキ殿を見ている。他が指示出ししてるとサボる癖あるのでござる。
『サボり魔だね』
「さぼってはない」
「そう言えばアナー殿は今はどうしてるでござるか?」
『今、海底都市に居るよ』
「海底都市……ですと?」
「なにそれ、行ってみたいな」
「海底都市!?そんなのあるの?」
「海底都市と言っても俺らエラ呼吸出来ないからいけないからな。まぁ、水中でも呼吸できる魔道具か魔法を覚えてたら行けるけど」
『うーん、油断すると圧死するかもしれないよ忍者君は大丈夫かも知れないけど』
「え、そんな魔境でござるか?圧死するでござるか?」
「お前ら、話してる所悪いが、そろそろ行くぞ」
「おっとすまぬでござる」
部屋の探索を開始するでござる。吸血生物の居た部屋の奥には扉が一つ。ふむ、ここに行くしかないでござるね。
「扉は一つしかないみたいだな」
「他は見当たらないでござる」
「じゃぁ、行くか」
「慎重に行くでござるよ」
扉を開けると黒塗りの壁があった。これは先程の床のひび割れと同じ物……でござるな。
棒人間の術。棒人間を斥候として送り込んでみる。ふむ、これは。外、霧の深い。うむ、成程。これはボスはまたアレでござるか。
「この扉の向こうは外のようでござる。霧が深いのでなるべく周囲に注意するでござるよ。もしかしたら敵が近くに居るかも知れないでござるからな」
「分かった。少し準備してから行くか」
「了解したでござる」
『』は基本的に聞耳その他の要因で聞く事の出来ない台詞です。今までは神の声ばかりでしたが今回ティキはカタナ&ロックオンには意味を理解できる様にし、ダブルユウの二人には鳴き声しか聞こえてません。
ティキが本気を出したらカタナと精神世界に居た時に描写したと思いますが。青白く……ぬめります。あと舌先が銛の様になり何処までも伸びます。
海底都市は多分行きません。