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第02稿11話~海上ダンジョン6~


__遊び人|海上ダンジョン


「良いの!?」


 こっちを見つめていた勇者がロックオンの方に顔を向ける。


 さて、得体の知れない吸血生物と戦おうと思ったら勇者がダンジョンを破壊して乱入してきた。吸血生物はガラスになって木端微塵。そして勇者が仲間になったぞ。


『展開が分からんやり直し』


 お前、勇者来ること知ってたろ。


『……否定はしないぞ』


 それに勇者の加入イベとかおかしくないか。


『大丈夫だ。お前の物語の主人公はお前だ。勇者の物語の主人公も勇者だけどな』


 なんだそれ。


『遊び人が仲間になりたそうな目で勇者を見ている』


 ……無いわ。


『あの勇者だと部屋に連れ込まれて出して貰えなくなりそうだな』


 ……遊び人の職業、あっちの方が相応しいのでは?


『……否定はしないぞ』


「トキトー、お尻がヤバイ」


 ロックオンに呼ばれた。


「勇者に一刀両断されたと思ったぞ。で、尻がなんだって」


「ガラス、踏んだみたいで」


 見ると、砕けたガラスの様な吸血生物の残骸が刺さっている様だ。出血状態も出てるな。回復とデバフ解除っと。


「……治ったぞ」


「ありがとう」


 いや、それより。今、重要なのは。

 勇者の来たところを見る。先程、自分達が入ってきた扉の向こうの地面。そこにはひび割れた様な黒い穴が空いていた。


「あれ、外が見えないよ!ユウ君!ココから入って来たのに!」


「通常のダンジョンとは違うようでござるな」


 ダンジョンの壁を破壊する事が出来るとは聞いたことが無いが問題はそこではない。外から入ってきた筈の穴が外とは繋がってない事だ。 近寄ってヒビの向こうを観察してみる。光の無い暗闇……というより漆黒に塗りつぶされてる壁か?触ってみても大丈夫か。


『死ぬ可能性もあるがやってみろ』


 嫌だよ。死ぬ可能性って……


『取り敢えず好奇心に従って解析してみろ』


 はいはい、アナライズ……次元の狭間とか出たんだけど。この世界のものじゃないんじゃないのか。そう思って見えない壁も解析してみる。文字化けしてる。どういう事だ?


『アレはつまり勇者の力によって出来たものだ』


 勇者、次元斬でも使えるのか。


『あー……否定はできない。勇者の技はある意味、破壊の力だからな。世界を斬るとか出来ないとか言えないな』


 勇者の力は破壊の力……


『何事も度量越えれば毒となるのさ』


 過ぎたる力は破壊の力って事か。


『まー、勇者のPTはそれぞれ特化してるが』


 回復、物理、魔法って事か?


『そうそう、勇者は力の象徴だから何でも行けるけど今回は物理選択っぽいな』


 キャラクリの話か。


『取り敢えずソレに手を突っ込んだら持ってかれるかもしれん。まぁ、突っ込みたいのなら突っ込めばいい』


 いや、だから勧めるな。興味はあるが死ぬ様な事はするつもりがない。


『ダンジョン探索してる時点で死ぬ可能性はあるんだが?』


 揚げ足取りは禁止。取り敢えず、これは放置するしかない……って。


「カタナ、何をやっている?」


 カタナが棒人間を出していた。


「ちょいとココに放り込んでみようかと思ったでござる」


 よし、カタナが人身御供になると聞いて。


『お前……いや、何でもない』


「忍者、投入……でござる!!」


 棒人間がヒビに飛び込んで行った。


「む……これは。一刻も早くダンジョンから出るでござる」


「何で?」


「うむ、コレは魔法生物みたいなモノのようでござる」


「つまり?」


「拙者の血、魔力を吸って活性化」


 穴を見ると凄い威圧感が……何かが這い出てくるような。


「キャン」


 真っ白いポメラニアンが出てきた。すんごい見覚えある。


「ティキ殿でござったか」


「ティキちゃんだ!よしよーし!」


「くぅん」


「キャー可愛い!」


「えっと、僕が言うべきかな。ティキが仲間になりたそうにこちらを見ている。仲間にしますか?」


「きゃんきゃん!」


「強制加入イベじゃないか!!」



神獣ティキが仲間に加わった!勇者が普通にダンジョン入り口から来てたらティキは来ませんでした。次元の狭間は時空の狭間でもあります。中は別の時の進み方をしてたりします。場所によって時の進みが違い、場所によっては戻ってる場所もあります。

そんな場所は白い悪魔のティキは遊び場です。

という訳で連日更新です。それでは皆様また次回!

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