第02稿11話~海上ダンジョン2~
遊び人|船上
「あれが入り口か。成程、普通のダンジョンの入り口みたいだけど。場所が何かおかしいな」
海の上にポツンと扉だけが浮いている。最初に見つけた人はどう入ったんだ?
「そうでござるね。そろそろ行くでござるか?」
「あぁ、もう日も見えてるしな」
「じゃぁ、カタナ足場作って」
「分かったでござる」
忍者の足の裾が引き伸ばされる様にして扉に向かって伸びる。扉に巻き付いて一本橋の様になった裾、その幅が広がり足場が出来た。なにこれ便利。
「じゃぁ、僕が先に行くよダンジョンの入り口に鍵は掛かってないだろうしね」
「あぁ、よろしく」
「突入」
突入の合図と共に扉を開いて中に突撃するロックオン。扉の向こうは明るい白みがかった空が広がっている様だ。本当に空のダンジョンみたいだな。
「入り口周辺はクリアー大丈夫そう。足場見えないから気を付けて」
「分かった」
許可が出たので入る。暗くて足場が見えないダンジョンは行ったことがあるが足場が透明なダンジョンは初めて来たな。足場は文字通り見えないが確かに床に立っている感触はある。視覚的に見えないとバランスが取りにくいだろうな。落とし穴もあるんだっけか。下を観察するが。海は見えるが雲が多くて船を確認する事が出来ない。相当な高さのダンジョンみたいだな。落ちて良く助かったな。
「マップ作製して確認してから進んで行こうか?」
「ふむ、空中戦に慣れてなければ戦いにくそうなダンジョンでござるな」
「壁も透明みたいだよ。入った時に弱い弾で撃ってみたけど見えない壁に弾かれたよ」
「真っ暗で見えないとかなら盲目の呪いが掛かったダンジョンとか想定できるけど空も海も雲も見えてるからな……」
マップ作製しながら考察材料を放り込む。
「あ、そうそう。それなんだけど。僕の目でもこの高さから陸が見えないんだよね」
「景色がまやかしと言う事でござるか?」
「そうだと思う。でも落とし穴にハマって海に落ちたって聞いたけどこの高さだと死ぬだろうし。もしかしたら転移系の罠を踏んだのかも知れないね。空から空に転移したとしても足場が無くなって落っこちる事に意識向いちゃうだろうし?」
「ふむ、転移系は厄介でござるね。身体が触れたら発動するタイプは非常に厄介でござる」
「あー、良いお知らせと悪いお知らせ。どっちから聞きたい?」
「良いお知らせからお願い」
「マップは書けてる。罠の位置もバッチリ」
「悪いお知らせはなんでござるか?」
「このダンジョンの扉とか仕掛けとか宝箱とか全部透明な上に広い。まだ書き終われてないから少し移動する必要もある」
「怠ぅ。そうかぁ。じゃぁ忍者、仕掛けやって来て」
「無茶振り止めるでござるよ」
「そっちの方に廊下に出る扉がある筈。このダンジョン作った奴、進めさせる気が無い件」
『メタいメタい』
おう、久しぶりだな。フール。
『いや、まぁそうだが』
魔物側の転生者がダンジョン作ってる説。
『ミミックはダンジョン作ってないぞ』
アレは、勇者と魔導士の2人が作ったダンジョンだろ。人が作れるなら魔物も作れる。更に言うなら魔物になってた事から魔物じゃないと作れないかも知れないな。
『あー、そうか。そこからか。じゃぁ、一つだけ言えるようになったからフールからのアドバイスだ。厳密に言うと人間も魔物もこのダンジョンを作っていない。ボスと会ったら戦わない事を勧めるぞ』
それは……選択か?
『言ったろ、ただの助言だ。じゃぁ忙しいからマタナー』
「ふむ、扉を見つけたでござるよ」
その言葉に釣られて見ると赤い扉の様なモノが出現していた。誰かが触れると見えるようになるのか?
「血を輪郭に這わせて視認できる様にしたでござるよ」
「あぁ、成程だから赤いのか……」
マップ作らなくても忍者なら探索出来るんじゃないかコレ。チートじゃね?
「やっぱり魔物じゃないかな。撃って良い?」
「そう言えばこの階層広いけど魔物の気配しないな」
「ふむ、でござるなら天井を這って探索に行ってみても良いでござろうか」
「ゴーカタナ」
「なら、解ってる分のマップを見せるぞ」
「それは助かるでござる」
「僕はガンガン魔物の気配感じるんだけど」
「索敵範囲に近づいたら起動するタイプの魔物か?だったら罠の位置がそれかも」
「拙者が分からないのであれば無機物系モンスターでござるな」
「僕は魔力感じ取りやすいから魔法で作られたゴーレム辺りかな?」
「恐らくそうでござろうな。見えない上に感知もしずらいとなれば苦戦しそうでござる」
「もしかしたら魔法陣の魔力を察知してるとかは無いのか?」
「あり得る。この際だから魔力ある所全部撃ちながら行こうか。遠くから起動なり破壊なりすれば大丈夫だろうし」
「ごり押しでござるな」
「石橋を叩いて渡ると言ってくれ」
「では先陣をきるでござるよ」
「取り敢えず撃つからよろしく」
「フレンドリーファイアは御免でござるよ?」
「大丈夫、大丈夫」
カタナは赤い扉を開いて通路に出て行った。
殆ど動かずに1話が終わる。海上ダンジョン突入し、最初の部屋から動いてないぞ。
マップ製作は一応手書きなので作るのに時間かかるからしょうがないしょうがない。
次の話は早く書ければ書きたい。
それでは皆様また次回。お楽しみに!