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第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯14~



__遊び人|船内



「あ、終わったみたいだよ」


「それじゃ、そろそろ行って来るか」


「ん?何しに行くの?」


「鯨の格納?」


「あぁ、成程。それじゃ僕らはここで待ってるよ」


「了解、それじゃ行って来る」



__王子|甲板



「ご苦労」


 戻ってきたノーライルを甲板で出迎える。


「ただいまっす」


「良い匂い」


「半生っすから食べちゃ駄目っすよ」


「食べたい。お腹減った」


「鯨はここでは解体出来ませんが銛で突いたモノなら直ぐに調理しますよ?」


「鯨を仕舞いに来た」


「トキトーか。突然だがコイツを料理してくれないか」


「珍しく食える魚の魔物か。調理しやすい部類だな。鮪に似てるしな。醤油あるし無難に刺身にするか」


 積み上げられた魚はマグロに見えるがその大きさは二回りほど太い。縄を引いてマグロを船の上に揚げている。


「大きさは倍くらいあるが……」


「取り敢えず流石に鯨は乗らないから収納するぞ」


「さっさと仕舞えっす。ネットもタダじゃないっすよ」


「分かった分かった。収納っと」


 トキトーが鯨に手を当てたらあの大きさの鯨が消えた。魔法の鞄に収納されたのだろう。質量の法則とかどうなってるんだろう。


「ネット回収っす」



__遊び人|船内―厨房



「さて、今回はまずは刺身かな。切る工程だけだからな」


 料理は製作スキルの一部分だ。でも料理スキルを持ってる人とは違って精度は高くない。失敗する事もかなりあるが切る焼く煮る等の工程が少なければ成功率は高くなる。料理限定のスキルはさらに成功率が高い。工程が少なくなれば成功率が高くなるという事は出来る部分は自分でやる下準備や下拵えをすれば成功率はその分高くなり失敗する事が無くなる。


「刺身……お寿司は?」


 王女が沸いた。


「残念ながら寿司を作れる程、米が無い。あと酢も」


「そう、残念」


「そう言う事だから帰ったらフィオに頼んでくれ。この魚も幾つか魔法の鞄入れといたから」


「やった」


「さてと切って行くぞ。そうだ、カタナ。こいつを三枚おろしの様にしてくれないか?」


「ふむ、三枚おろしでござるか。了解したでござる」


 魔物の魚を三枚おろしにしていくニンジャ。俺らの身長超えてるんだけどどうやってるんだ。

 三枚におろされた魚を製作スキルで刺身にしていく。


「モグモグ美味しい」


 刺身を作るそばから王女の口の中に消えている。魔物3匹分の刺身が王女の腹の中に……王女の胃は魔法の鞄なのでは……?

 胃がボーナスアイテムとかあるのか?


『無いぞ』


 無いよな。


『身体的な影響と言う事は呪いの可能性がある』


 ジョブに関係したデバフという話じゃなかったか?


『王女のジョブは王女だな。胃が強くなるような呪いは……分からん』


 呪いって強化もあるのか?


『お前のステルス化の呪いも見ようによっては強化だろう』


 成程、それもそうだな。結構、ステルス化は有用だったし。確かに強化か。


「もあ」


「皆の分も……」


「王女の分、先にやっちゃってくださいっす」


「私たちはまだ腹はそこまで減ってないからな」


 その後、王女は7匹も食べた。


「食べ過ぎでござる」



__魔銃使い|倉庫



「あぁ、綺麗な鯨さんが焼き鯨に……なんて酷い事をするんだ」


「そう言えば僕の分、漁ってなかったような。2人が帰って来るまでに倉庫散策でもしてようか」


『え?』


「ん?フォーチューン?何?」


『いえ、何でも無いわ』


「さてと、何があるかなー」


 探していると日が落ちていた。見事な暗さだ。でも倉庫内は明るい。そう言えば電灯ってまだ無い……ある?提灯?提灯みたいなのがぶら下がってる。木造りの船に火を使ってそうな提灯。落ちたら燃えるなー。


『余計な事は考えない方が良いわよ』


 やだなー。そんなほいほい言った通りになってたら生きていけないよ。

 お、何か見つけた。形状的には銃っぽいけど。


『あ、』


「あっつ」


 持ったら超熱かった。バチって音が出る位。静電気かな。帯電良くするんだよねー。後ろでガシャンという音が聞こえた。何かが割れるような?見ると提灯が落ちてた。これガラスだったのかー。じゃぁランタンか。


『燃え始めてるわよ』


「バブルセットファイア」


 床がちょっと焦げた位で鎮火した。うーん、僕が悪そう。あとで素直に謝っておこう。

 それは置いといて、さっきの銃みたいな奴は……無くなってる。放り投げた所に焼け焦げた後が残ってるって事は多分、燃え尽きちゃったのかな?


『無知は救いにもなるのよ』


 突然どうしたの?


『貴方、忍者の事言えないのよ』


 カタナがどうしたの?


『まぁ、良いわ。上手く中和されてるし。問題は今は無いしね』


 中和?まって、初耳なんだけど。毒でも受けた?


『似たような物よ。でも、貴方は気にしく無くて良いわ』


 うん?うん、取り敢えず置いとこうかな。



刺身から先には行きませんでした。製作スキルでもMPを多少消費するので刺身の大量生産でMPを削りとられてしまった遊び人。マナポで補充出来ますけど。王女の絡繰りまんまな行動ですが気付く事は無いでしょう。


次回は恐らく日付が変わった深夜頃、ダンジョンに到着します。ダイヤの乱れはあるでしょうが次回は11話となりましょう。

それでは皆様また次回。お楽しみに!

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