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第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯12~



__王子|船―甲板


 マックが漁を教えてくれると言うので甲板に来ていた。


「足元に銛が置いてありますが銛はこうして投げやすい持ち方をして投げます。これは自分が投げやすい持ち方で結構です」


 銛漁だと?難易度高いんじゃないのか?


「標的は比較的大きい筈なので当てやすいです」


 もしかしなくても魔物の魚の漁じゃ無いのか?


「そう言えば。魔物を食べても大丈夫なのか?」


「魔石をちゃんと取り除けば大丈夫ですよ」


「そうなのか?」


「はい、魔障の塊である魔石以外は死んだら大気中に霧散してしまいますから」


「獲れたてはアウト?」


「調理してる間に大体飛びます」


「何かアルコールを飛ばす。みたいな言い方だな」


「アルコール……酒ですか?」


「ん?あぁ、酒だな」


「魚が来たぞ!」


「どうやら魚が来たようです」


「魚!!」


「魚と言うのはあの水飛沫が激しい所からか」


「はいそうです。激しい戦闘が予想されます」


「は?漁じゃないのか?」


「さて、デカい奴も後ろから追い立ててるみたいっすし。追い込み漁かなんかっすか?」


「アレが一番の目玉かもしれないですね。あれは喰えるタイプの魔物です」


「やっぱ魔物か。」


「あれ、取るんすか?。どう考えても一回帰らないと行けないと思うんすけど」


「死体ならブレイク様が持って帰れます」


「あぁ、マジストっすか」


「マジストですか?」


「マジックストレージの略っすよ。殺すんですか?」


「銛で倒す事になります」


 そりゃ網じゃ捕まえられないな。視認できるほどの水飛沫の向こうに鯨の様な魔物が向かってきている。

 やけに白い腹を見せて空を飛んでるんだが?


「総員、衝撃に備えてください!障壁の魔法を持ってる者は発動準備!」


 念仏の様な呪文がそこかしこから聞こえてくる。


「王子、俺がやって良いっすか?」


「なんだ自分から行くなんて珍しいな」


「障壁とやらの耐久力が質量に負けてる計算だったっす」


「ノーライルGO」


「了解っス」


 ノーライルが海上に出撃していった。結構推進力あるんだな。あのスーツみたいなの。

 飛んでた鯨が着水した瞬間、水柱が上がる。それは勢いを増して水の壁となってこっちに向かってきた。

 津波だ。てかどの位の衝撃を観測したんだろう。


「総員、何処かにしがみつけ。王子達も何処かに捕まってください」


「アニーさん。分かりました」


「分かった。これも魚の為」


 うわ、アイツ前から世界観ぶち壊してるなと思ってたけどとうとう電磁バリアっぽいもの張り始めた。


「科学の力を喰らうっすよ!電磁フィールド」


 いや、攻撃技じゃ……と思ってみてみると津波に電磁フィールドとやらをぶつけていた。壁じゃ無いのか。

 じゅうじゅうと音を立てて津波を溶かしていく電磁フィールド。何だこれは、衝撃も何もなくあっけに取られている船員。


「流石、王子様方の護衛ね」


 まさかあんなに強いとは……


 そんな事を考えていると電磁フィールドが鯨に纏わりついた様だ。


「電磁ネット大成功っす!」


 と言うかここまで届くまで声張り上げなくても。網か……アイツちゃんと漁してやがる。


「船員さんは魚をお願いするっす」


 電磁フィールドから逃げるようにして魚群の水飛沫がこちらに凄い勢いで接近していた。


「……皆!銛は持ちましたか!総員構え―!」


「まて、小さい方に銛を使うのか?」


「小さいと言っても鯨に比べたらです。ですからもう少し近づけば銛で狙えるくらいの距離に入ります」


「成程な」


「投げる。当たれ。当たれ。当たれ」


 横でカルラが銛を射出する機械になった。


「この距離で!命中させるとは流石ですね。王女様」


「銛が指示通りに飛んでくれるから問題ない」


 カルラの能力は対象に指示した事をさせる超強い能力だ。ただ使えば使うほど腹が減るらしい。MPの代わりに満腹度消費ってシステム間違えては無さそうだけどちょっとおかしい気もする。

 生き物を対象するのは凄い腹が減るから使わないと言っていたけど。まぁ腹の中に入る魚を捕まえるのに消費を考えて見合ったと考えたのだろう。


「王女様に続け!総員投擲!」


「「「うおおお!」」」


 あれ、合戦でもしてるのか。魚相手にあんなに士気上げなくても……


「くそ、まだ動くっすか!電力最大!チャージ!」


 あっちはあっちで鯨相手に格闘している。俺の知ってる漁じゃない。


「よし、取り敢えず私も投げよう」


 しかし、狙おうと思っても水飛沫でどこに魚が居るのか分からない。こんなものは狙えない……船員の方々はどうやって狙ってるんだろうか。


「適当に投げればあたりますよ!魚群の飛沫の所に当たればなお良しだと思います」


 長年の勘的な要素が入ってると思っておこう。取り敢えず飛沫の範囲内なら魚が居るだろうって事か。

 良し投げるぞ。投擲すると一直線に水飛沫の中に銛が消えて行った。すると繋がってた縄がシュルシュルと音をたてて海に消えていく。成程。掛ったかどうかはこれで解るのか。


「皆でこれ投げたらおまつり状態にならないか?」


「おまつりですか?」


「あぁ、こう。海の中で絡まらないのかと」


「絡まります。ですが獲物が来ているのは今この時、後のことは終わってから考えるのです」


「効率悪くないか?」


「獲れ時の前には後の効率など二の次なのです」


「そうか。とりあえず投げるか」




二日連続更新デッス。


それでは皆様また明日。

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