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第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯11~


__遊び人|船着場



「暗くなりそうだが出港だ」


「魚」


「もうちょっと沖合に出てからだろうから我慢だ」


 王女がオレオマエクウ並の知能に成り下がっている。元からか。


「ふむ、人は意外と居るでござるね」


「ガレオン船だね。ゲームの様にボタン一つで操作出来る訳でもないから人多いのは納得」


 ロックオンは知識チートって奴かな。


『お前の食料改革も知識チートじゃないか』


 確かに!!まぁ、前世でも屋台で料理とかしてたからな。祭りは稼ぎ時。


『……あれ?お祭り男?あれ?』


「魚はまだ?」


「まだ出港したばかりだよ王女……」



「ブレイク様」


 出港してから30分程経過した辺りで船員の1人が慌てた様子で話しかけて来た。


「どうした」


「魔物です。揺れると思われます」


 陸は砦が魔物を止められるが海ではそうはいかない。迷い込んだ魔物が暴れる事も多々ある。

 一応、敵感知しておくか。……小型の群れか。規模は小さいし問題は無さそうだな。


「分かった。喰えるタイプなら釣ろう」


「漁具の準備をしてきます」


「あぁ、任せた」


「サカナ?」


「うぉ!?」


 気配無く王女が背後に立っていた。忍者か。


「呼んだでござるか」


 呼んでない。


「血の気の多いモノがこっちに向かってるでござるよ」


「何?」


「拙者、死者系や無機物に対しては索敵能力が落ちるでござるが生物に関してはかなりの察知能力を持ってるでござる。言うなれば生き物限定のサーチと言うべきでござろうか」


「マジか。強いな」


「対処するでござるか?」


「どんな奴だ?」


「ふむ、大きい魚が群れを追いかけてるようでござる」


「成程。それなら、うちの商会員に任せよう」


「良いのでござるか?」


「あぁ、ダンジョン突入前だから力は温存しとこう」


「ふむ、そうでござるか」


「ブレイク様、漁具の用意完了しました」


「あぁ、ありがとうマック……マック、君なんで居るの?」


「それは私が王族の案内を任されているからです!」


「そうか、なんで漁具準備してるのか聞いたんだが」


「王子殿下と王女殿下と共に漁をするからですが?」


「……あぁ、成程。自分で獲りたいんだったか?」


「はい、漁もしたいそうで」


「そうか、ならそっちは任せた」


「任されました!!全力全霊を掛けて伝授してきます!」


 そう言ってマックは漁具を担いで去って行った。



「よし、多分あっちはライダーが何とかしてくれると思うぞ」


「そう言うコトでござるか」


「そう言えばロックオンは?」


「日向ぼっこしてるみたいでござる」


「充電どの位かかるんだろうな」


「もう終わってると思うでござる」


「そうか、ならロックオンの所に行こう。倉庫でトレジャーハントしよう」


「トレジャーハントでござるか?」


「うちの商会が多分、今回の依頼は予め聞いてて運び込んでる筈だ」


「ふむ、だから船も既に用意されてたのでござるか」



「という訳でロックオン。トレジャーハントの時間だ」


「へぇ、僕はそう言うの得意だよ。眼は良いからね」


「うむ、確かにロックオンの目利きは正確ござるよ」


「んで?もうダンジョンについたの?」


「いや、着く前に倉庫でよさげなアイテムを漁ろうと思ってな」


「そっか、じゃあ見に行こう。楽しそうだね」


「えっと、倉庫はこっちか」


 頭の中にマップ作成のスキルを使うと船内のマップが浮かんでくる。共有するために紙に自動書記してるだけで自分が案内するなら頭の中で十分だ。



__遊び人|倉庫


「……意外と綺麗なんだね」


「確かに埃は被ってないな」


「つい最近、運び込まれたみたいでござるな」


「さてと、1人一つずつ順番に選んで行ってみない?」


「順番はどうするんだ?」


「ふむ、クジで決めるでござるか?」


「んじゃカタナ、作って」


「しょうがないでござるなぁ。それでは引くでござるよ」


 カタナはそう言って握りこぶしを出す。そこからは3本の赤い紐が。


「じゃぁ、僕から」


 ロックオンが引いた紐は3本にほつれていた。


「あちゃぁ、三番目か」


 成程、ほつれている本数で順番決めか。


「次はトキトー殿でござるよ」


「あぁ……ほつれていないな。一番か」


「では一番槍をどうぞでござるよ」


「一番槍って……よし、じゃぁアレにしよう」


 適当に手を取ったアイテムは落とし穴トラップの魔法陣だった。


「これは何でござるか?魔法陣なのはわかるでござるが」


「これは地面とか壁に設置すると穴が出来る魔法陣だな。要するに落とし穴のトラップだ」


「ふむ、魔法陣とはそういう事も出来るでござるか」


「ちなみに俺はまだ作れない」


「そうでござるか……で、効果の程はどうでござるか?」


「まぁ、隠したりするスキルと併用すれば人相手でも有用ではあると思うが」


「ふむ、成程。設置して隠して使うでござるか」


「はい、次カタナだよ。早く選んで」


「分かったでござるよ」


「その間にその魔方陣見せてー」


「ん?あぁ」


「拙者はこれにしたでござる」


 忍者が持って来たのは刀だった。カタナが刀を持って来た。


「それは、本当にそんな装備で大丈夫か?」


「この世界に竹光があるとは思わなかったでござる。竹って何処に生えてるでござるか?」


「よし、これで」


「大森林の一部が竹林になってる所があるみたいだよ」


「何時か行ってみたいでござるなぁ」


「次は僕の番だね!滅茶苦茶良い物を手に入れてくるよ」


「アイツがやる気を出しているとき程当てにならないでござるよ」


「HAHAHA」


「なんだ?」


「ふむ、碌な事になってない模様でござるな」


「なんか凄いの発掘した」


 発掘……?ロックオンが持って来たのは金属製の管が合わさった楽器の様なモノだった。俺が学園行ってる間に開発された物かな。


「これは銃だ」


「え、銃?コレが?」


「そう、僕の勘がそう言ってる。これは高威力の銃だと」


「チェスト!」


「ぐはぁっ」


「拙者の勘が言ってるでござる。こういう感じになっているロックオンは魅了状態だと言っている。こういう時は碌な事にならないでござる。取り敢えず、その銃とやらを隔離しておいてほしいでござる」


「取り敢えず魔法の鞄に仕舞っておこう」


「それが良いでござる。あ、直接触れない方が良いでござるな」


 カタナはそう言って赤い帯でロックオン曰く銃の様なモノをぐるぐる巻きにした。

 それを受け取って魔法の鞄にしまう。鞄に入れた瞬間、何だか倉庫内が暖かくなったような。


「ロックオンはああいうモノに魅入られやすいでござるから、変な反応し始めたら取り上げておいて欲しいでござる」


「成程、分かった」


冷たい管楽器の様な銃。一体どんな代物なのか。


次回は恐らく高確率で王子達の漁業です。大きい魚獲ったどー出来るのか。

それでは皆様また次回。

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