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第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯8~


__遊び人|トキトー邸


「若頭、どうやら王子様方が帰って来たそうです」


「若頭……最早何なのか分からないでござるな」


「まぁ、うちには色んな人居るからな」


「早速、話に行こうか。それとも彼らの身支度が先かな?」


「出迎えておこう。今日は見送りしてないしな」


 玄関に向かう。玄関から外に出ると王子達が荷車をひいたマックとこちらに向かってきている。


「あ、遊び人」


「ノーライル」


「ネット射出!」


 なんだ?見敵必殺並の速度で何か飛んで来たぞ。あれは、網か?うーん、避けるか避けないか。


「いきなり何するでござるか」


 と思ってたら飛んできていた網がカタナによって斬り捨てられていた。


「いや、料理人確保しようかと思って」


 どうやら取って来たお肉を料理する奴が居なかったらしい。ダンジョン飯とか言ってたからてっきり現地で食ってくるのかと思ってた。てか、マックは調理出来る筈だが。


「ブレイク様、申し訳ございません!」


「マックが謝る様な事じゃない大丈夫だ。それより案内お疲れ」


「ブレイク様、お忙しい所申し訳ないのですがバリツラビットの肉を持って来たので調理をお願いしたく」


 筋肉料理か……


「あぁ、分かった。じゃぁ、厨房行くか。王子達は食堂で」


「俺も見させてもらっても良い?」


「大丈夫だ」



__遊び人|厨房


 マックが肉を厨房に運び入れた。広い作業スペースに次から次へと肉が積みあがって行く。


「注文は何かあるか?」


「色んな調理法と味を確かめられるので頼む。最初は肉の味が直接分かる奴が良いな」


「んじゃ最初は焼くかステーキだ」


 色々な味もご所望の様なので色々と調味料も用意しておこう。

 まずはオーソドックスな塩、あと唐辛子、バター、醤油、味噌に胡椒、砂糖、全てあくまでみたいなモノが付く。あくまで朧げな知識で再現したものであって本物ではないしな。

 唐辛子と胡椒は似た風味のモノが流通していたのでそれを転用。見た目全然違うけど。

 この世界の唐辛子は元の世界の見た目で言うとマメ科の植物だ。黒いさやえんどうみたいな雑草カラスエンドウだったか。そんな感じの見た目と大きさですりつぶすと唐辛子みたいな辛さがある。ちなみに名前はカラメと言うらしい。

 そして胡椒は、ヤシの実位の大きさの実だ。使う部分は種、こっちは見た目はブラックペッパーといった感じである。

 どちらも乾燥させたものを調理前にすり潰して使うモノだ。ちなみにピリミと言う。


「あ、そうだ。俺達、海に出るんだけど一緒に来るか?適当に釣った魚食いながら行くと思うんだけど」


「魚……カルラが行くというなら行こう。まぁ十中八九行くと言うだろうが。所でその黒い豆は何に使うんだ?」


「すり潰したものがこちらです」


「……辛っ、成程。唐辛子みたいなものか」


「まぁ、そうなるな。悪いが辛さはそっちの実とその豆しかない」


「まぁ十分だ」


 さてと、じゃぁ焼いていくぞ。


 そして、焼いたものがこちらです。


「何と言うか……バリツラビットの肉はステーキと言うよりもバラ肉炒めみたいだな」


「料理スキルが足りなくて素材の状態と調理法が噛み合ってないとこうなる。すじとかちゃんと取れれば良いんだが太いし多すぎて俺じゃ無理だな。フィオなら行けると思うが」


「お前じゃ無理なのか?」


「生産スキルで出来るのは時間の短縮と素材の形状・状態変化、つまり1工程の短縮化が出来る訳だ。で素材の状態と調理方法によって難易度がある。生産スキルが足りないと出来の悪いモノが出来上がる訳だ。これなら焼きよりも煮るか茹での方がやっぱいいな」


「成程、焼くのに適さない肉質って事か」


「ちゃんと自分で下処理が出来るなら難易度下がるんだけどな。フィオは料理スキルと料理技能が高そうだからこれも簡単に調理出来るだろうな」


「じゃぁバリツラビットについては帰ってから調理してもらう事にしよう」


「そうしてくれ」


「兎肉のステーキの方は?」


「そっちは大丈夫そうだ。魔物の肉は結構調理してるからな。バリツラビットが極端に難易度が高いだけだ」


「食べても良いか?」


「熱い内に食った方が美味いからな。さっさと運んじまおう」


 食堂に行くとノーライルとカルラ王女、忍者とロックオンが待っていた。


「トキトー殿、海上ダンジョン行きはカルク王子が良いなら行くとの事でござる」


「奇遇だな。王子もカルラ王女が良いならと言っていたぞ」


「ノーライル、君は?」


 ロックオンがノーライルに選択権を与えたようだ。


「王子と王女が行くというのなら行かない理由はない」


「よし君たち魚は喰いたいかー」


「「「食べたい」」」


「じゃ、行くという事で」


 ロックオンの音頭に見事に釣られた王族一行。食欲には勝てなかった模様。そう言えば御者の人達は何処行った?


「冷める前に喰おうぜ」


「肉!」


 王女の反応はどの種類を付けても反応が一緒だった。喰えれば何でも良いんじゃなかろうか。

 王子は味覚がちゃんとあるようで辛いモノは辛いしょっぱいものはしょっぱいと言っていた。

 ノーライルは辛いモノが苦手の様だ。反対にロックオンは辛いモノが好きなのかカラメをもっと用意しておくかな。



ニンジャ「あれ?拙者については無しでござるか?」


という訳で説明回です。ワサビを見つけるのが遊び人の命題です。(違

遊び人はあくまでも遊び人。難しい料理は失敗する事もあります。浅く広く器用貧乏。という感じの職ですな。

さて、次回は勇者のターン!それが終わったら出港ですな。今日中に。

それでは皆様また次回。

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