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第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯7~


__王子|兎系ダンジョン5層


 気を取り直してサクっと5層に到着。

 さてボスは……バリツラビットだったな。


「さて、少々準備を。脚力に任せた技が多いですが注意すべきは大砲の玉の様な突進です。あとは蹴りにも注意してください。あとは腕の振りも速いので当たらない方が宜しいかと」


 ……それは兎か?


「えっと兎なんすよね?」


「あぁ、長い耳に脅威的な跳躍力。こげ茶色の兎だ。しかし、他の兎種よりも筋量が凄いのか巨体を二本足で支える事も出来ます。二本足で立ち高速パンチを繰り出してきますよ」


「取り敢えず見りゃ分かるっすね準備って何してるんすか?」


「入ってすぐに罠を設置できるように入れ替えています」


 どうやら罠を設置するようだ。


「俺にも少しやらせてくれないか?」


「えぇ、何組か持って来てるので良いですよ」


「使い方は?」


「この罠は魔力を籠めて床や壁に設置して触れたら発動します」


「お手軽だな」


「その前に魔法陣系の罠なので直前に魔力を籠めなければいけません。30分程で再度魔力を籠めないといけないデメリットもあります」


「なるほど、上手く設置した場所に誘導すれば良いんだな」


「それか行動と位置を予測して設置するか。ですね、必ず魔法陣が書かれていない方を地面か壁に貼ってください」


「分かった」


「よし、魔力を籠め終わりました。行きましょうか」


 ポータルのある部屋からボスの居る部屋に入る。

 そこにはガチムチのカンガルーが居た。大きさは約4m程、フィールドは草原。後ろには扉が置いてある。

 兎ではなくカンガルーである。二本足で立ちこちらに向けて軽いジャブの様な動きをしている。


「カンガルーじゃないっすか!!魔物じゃなくても蹴りで人殺せるって聞くっすよ?」


「バリツラビットです」


  カンガルーが一瞬で俺の目の前に。


「ハイドーンっす」


 来たと思ったらノーライルにカンガルーが撥ね飛ばされていた。


「王子、さっさと罠仕掛けるっすよ。今回は王子が倒すっす」


「分かった。足元で良いな」


 足元に罠を設置する。4隅を床に貼るだけの簡単な作業だ。ここに誘導するのが目的になる。


 まず、このカンガルー。案内人マックは予備動作が無いと言っていたが実際にはある。予備動作が速すぎて見えないだけだ。速すぎて対処できるかと言われたら出来ない。


 よって、ここはスキルの力を使おう。誘導、これは対象と対象を指定してヘイトとか言う数値を移すスキルだ。生き残るなら重宝しそうだったから取ったが中々使い勝手がいい。妹が死ななければ自分も死なないので妹のヘイトを俺に移しておけばあら不思議、柔かろうがタンクが出来るぞ。

 そしてこのヘイト物でも対象に出来る。つまりカルラのヘイトを俺に移してある状態で罠と入れ替えれば……

 移動して罠を挟む様にカンガルーと相対する。そうだった中止中止、罠に自分からダイブされたら俺がどんなスキル持ってるのかノーライルに疑問与える事になるな。


 よし初撃を防ごう。カンガルーが一瞬、身を引いた後に突撃を敢行してくる。

 剣で防ぐ予定だったので予測した位置に剣を構える。カンガルーは何故かこちら迄来ずに手前に着地した。

 床に敷かれた罠の上に。距離が足りなかったのか、剣に警戒して手前に着地してワンアクション挟もうとしたのか。分からないが取り敢えず罠が発動するらしい。


「その罠は一定時間落とし穴にハメる奴ですね」


 そういえば何の罠か聞いてなかった!よし今の内に殴ろう!スラッシュ連打だ!

 取り敢えず宝具の剣でカンガルーの頭を殴り続ける。カンガルーは後ろ脚が魔法陣に触れた時に魔法陣の大きさの穴が出来て下半身がハマった。これ効果時間どれ位なんだろう。


「その状態だとせいぜい30秒程しか拘束出来ませんね」


 費用対効果が釣り合っているのか分からない。魔法陣に関しては使い捨てで使えるとは思ってなかったし。

 取り敢えずカンガルーが罠から脱出する前に食材に変えなければ。

 ガンガンとカンガルーの頭を殴っていると頭の砕ける感触がした。やはりボスはボスと言うコトか。兎よりも頭が硬い。違う頭蓋骨の耐久力が高い。


「うわぁ、これって本来敵をふるぼっこにする罠だと思うっすから間違えてない気がするっすけど。ちょっとしたスプラッタっすよ」


 罠の効果時間が過ぎ去って魔法陣にハマってたカンガルーが空に向かって射出された。え?普通に出てくるんじゃないの?


「あー、ちょっと挙動がおかしいですね。魔力を籠め過ぎたかもしれません」


 どうやら魔力の籠め方一つで魔法陣の効果が変わるようだ。欠陥じゃ無いのか。


「籠めないと罠の持続時間が減りまして、ちょっと扱い難しい所なんですよね」


「カンガルー何処に行ったんだ?」


「あー、落ちて来てるっすね。あの高さじゃ挽肉になるんじゃ」


「何だと?受け止めろ」


「え?まぁ、良いっすけど。ネット射出」


 上空に向けて網の様な物が飛んでいく。肩の射出口からロープが繋がっている。捕らえたら引き寄せるタイプか。


「ほい、かいしゅ……」


 ドンと音がして音の方を見ると地面に墜落したカンガルーが。


「おい、食材は丁重に扱え」


「すまんっす。予想以上に質量があったものっすから」


「これは大きいですから早く解体してしまいましょう」



バリツラビット……その正体はカンガルー。と、ノーライルは言ってましたが。ウサギワラビーです。いや結局カンガルーじゃん。それな。魔物化してるんでデカいんで結局はカンガルーです。


解体シーンはCut、多分兎と一緒で血抜きすると思いますが空吹っ飛んでる時に頭割れてて血まき散らしながら飛んでってるんで血抜きは遠心力によって終わっている事にしましょう。


次回は兎&ワラビー肉……ジビエ料理ですか。魔物料理ですけど。魔力は味とか無さそうだけど魔力で筋量増やしてたら多分筋だらけで味の方期待できないと思う。よって牛筋の様に下処理が大変だと思われます。

話が長くなりました。それでは皆様また次回。

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