第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯3~
__遊び人|トキトー邸―執務室
朝っぱらから父の執務室に呼び出された。
「ブレイク様ぁ。船やその他諸々の準備は出来たわよ!」
ガチムチギルドマスターが執務室のソファに座っていた。
「あぁ、ありがとうニック」
「出発する時は言って頂戴。何時でも出港出来るように手続きも終わってるから」
「2人のMPが回復次第向かう事にする」
「かしこまりました。っと、じゃぁアタシはここで失礼させてもらうわね」
「あぁ、お疲れ様」
「こっちで用意した物資ももう船に積んであるって2人に伝えて置いてね」
「ん?父も出したのか?」
「あぁ、先日のFF商会の件で報酬を聞いたら海上ダンジョンの攻略の為の物資を頼まれてね」
「なるほど」
「王子達には民の為になる事を率先してやるのは王族として当然のことだから要らないと言われたけど」
「クライン何たらとは違うな。流石王族」
「クライン?第四王子の?何かされたのか?」
「あぁ、ちょっと王宮騎士の一隊を差し向けられたけどカタナとロックオンが何とかしてくれたから大丈夫だ」
「なんだって?それはちょっと放置出来ないな」
「無かったことにしたから動かないで良い」
「そうか、分かった」
「他に何か必要な物は?」
「あ、後で物資の確認をしに船に行かないとな。2人に話してから一緒に行って来る」
「ゴートは付けなくて良いのか?」
「冒険者ギルド寄ってギルドの人と一緒に行く事にする」
「そうか、分かった気を付けて」
俺は部屋を出て2人の部屋に向かった。
__遊び人|忍者自室
「2人とも居るか?」
「どうしたの?」
寝ている忍者に代わってロックオンが出てくる。
「いや、船の用意が出来たらしい。物資の確認に行くなら一緒に行かないか」
「もう用意出来たんだ。MPはまだ全快とは行かないけど今日は晴れっぽいし甲板で日向ぼっこでもすればフルチャージ出来るよ」
「何か植物みたいだな」
「間違ってないでござるな」
そう言えば転生前の世界でヴァンパイアを狩る少年が太陽のエネルギーを射出する銃で戦うゲームがあったな。ヴァンパイア?
「拙者の顔に何か付いてるでござるか?」
もしかしたら、この二人は転生前も友達だったのかも知れないな。あれ?でもキャラデザを示し合わせてやるなんて出来るのか?
『お久、近親者や心の近い奴なら近い時間に死んでたら同時に出来る事もあるぞ』
心の近い奴?
『あぁ、ほらソウルメイトって奴だな。みょーに気の合う奴って居るだろ?あれは魂の波長が近いから共鳴反応って言ってな。互いに引っ張り合うんだよ。目と目だけで会話したりとかな』
へぇ、じゃぁ2人はソウルメイトって奴なのか。
『転生者同士が規定のラインまで廻り合うのは稀だからな。余程の豪運か最初から合流すると決めてたかだな』
規定のライン?
『あぁ、大体ある程度の年が進むと勇者達と出会う事になっている』
てことは勇者に俺が目を付けられるのは逃れられないのか……
『そうなるな!システム上の呪いまで無効化出来るんだったら見つからない理由も無いしな。ほんと、あの女神どんなチート能力をブツブツ』
何か心の声漏れてるぞ?
『…………』
あ、通話切ったなコレ。
『通話じゃなく念話な』
なんだ繋がってるじゃないか。
『それよりも会話待ちの様だぞ』
「考え事は終わったでござるか?」
「あぁ、ごめん、それで行くか?」
「勿論、行くでござる」
「じゃぁギルド寄ってから行くぞ」
「物資ちゃんと揃ってたらそのまま出発しよう」
「分かった」
__遊び人|冒険者ギルド
「ギルドマスターは居るか?」
「予約は……ブレイク様でしたかどうぞ中へ」
「……うぅむ、顔パスとはやっぱり立場的にトキトー殿はとても上でござるな」
「そうでもない。偉いのは父だからな」
「それだけじゃないと思うけどね」
「あら、さっきぶりね。どうしたの?あ、船の下見かしら?」
「物資が揃ってればもう行こうと思ってね。もう準備出来てるって聞いたから」
「えぇ、最終チェックで何も問題なければ何時でも行けるわよぉ」
「今は暇か?」
「デートのお誘いは有難いけど。ちょっと暇じゃないから別の人に頼むわね。ロビーの椅子で待っててもらえるかしら」
「分かった」
ロビーに出て待っていると。
「こんにちはブレイク様。それでは案内させてもらいますね」
出てきたのは小柄な女性。アニー、ここで事務員をしていてニックの伴侶である。
つまりマックの母だ。縮尺がニックとの対比が凄いがこの世界では見た目と強さは=では無いのである。
何が言いたいかと言うと彼女も高位の冒険者である。
次の視点は王子に戻ります。
何か、電撃戦でも展開してるんじゃないかと思う位展開が速いのはご愛敬。
実際、忍者と魔銃使いは海上ダンジョンの危険度は高いと判断してるので不安の種を潰しに迅速な対応中。
そして裏で爺さんがVRゲームをする話を投稿しますが気にせんでください。こっちで出番のない暇な神々の遊びみたいな感じなので。そしてイケオジ……爺さんがヒャッハーする話を書きたいと思っただけなので。
それでは皆様また次回。