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第02稿10話~王子と王女のダンジョン飯2~


__王子|冒険者ギルド


 さて、今日はダンジョンに潜り素材を獲り、その場で調理をする予定だ。

 15歳になった王族には国庫から一つマジックアイテムを借りる事が出来る。それを使って国に貢献するためと一つ一つに位置情報を送る魔法が掛かっていて前世で言うGPSの役割も兼ねている。


 俺達が受け賜わったのは一対の剣と盾だ。今回は外に視察に出るという事で使用を許可されている。

 一口に言うと良くある最強の矛盾の伝承の能力を兼ね備えた魔法武器だ。と言っても現状の俺とカルラのステータスでは何でも斬れたり防げたりする訳では無く。砕けたり折れたりしても自動修復する能力までしか引き出す事が出来ない。


 マジックアイテムはステータスによって使えたり使えなかったりが存在する。魔法武器や防具等は最低限要求されたステータスを超えて無ければ使用を続ければ身を滅ぼす事になる。


 その判断基準が手に持ったり装備したりして鑑定を使い何も問題が無ければ装備適正を満たしている事になる。要するにバッドステータスが付いていないかどうかが判断基準か。


「カルク王子とカルラ王女ですね。私はマックと言います。今回、父に頼まれたので案内する事になりました」


 ガチムチな熊の剥製を頭に付けた大男がそこに居た。


「よろしく頼む」


「美味しいモノ期待してるわ」


「任せて下さい。ブレイクタイム商会、食材調達部、1の腕見せて差し上げましょう」


「あんたも領主の息子の下で働いてるんすか?」


「勿論です!あの人のフロンティアスピリッツこそ尊敬に値します!」


「フロンティアスピリッツ?」


「あの人の偉業は語るに語り尽くせない程!」


「その話は良いから早く案内してくれないか?」


「おっと、すみません」



__王子|草原


「では、まずは兎狩りから行きましょう」


「ここの兎は強いのか?」


「結構素早いですね。ですが入り口付近に居る兎は角のある種類ではない上に草食なので気性は落ち着いてます」


「えっと、ココが草原ダンジョンの入り口です」


「洞窟みたいだな」


「中に入ると驚きますよ」


 中に入るとそこには草原が広がっていた。


「え?出口は?どうなってるの?」


「後ろのドアから出ると外に出れるんじゃないっすかね?」


「学園の禁書庫みたいね」


「確かにそうっすね」


「王者の墓場とは違うんだな」


「ダンジョンの内部は基本的に異空間みたいなものだと言われています。空間拡張などがされていて入り口の見た目とは違って広大なフィールドが広がっているものが多いです」


「そうなのか」


「例えば先日、発見された海上ダンジョンは壁と床が見えない上空に転移させられ左右も分からぬまま足を踏み外し海に墜ちたりするそうです」


「そのダンジョンはどうして見つかったんだ?」


「遠洋に船を出してた漁師の方が発見したそうですよ。その方は海上に浮かぶ扉に気付いたそうです。入ったら上空に浮かんでいて後退った拍子に海まで真っ逆さまに落ちたそうです」


「それは災難だったな」


「止めてた船の船員が気付いて無事救助されたそうですよ」


「ほう、そう言えば遊び人たちがマップ作製をするとか言っていたな」


「ブレイク様の事ですね!ブレイク様ならきっと地図を完成させて来ることでしょう!」


「熱い。顔を寄せるな。にじり寄るな」


「おっと失礼しました。……案内ですね。こちらへ行きましょう」


 入り口で無駄話をしていても魔物は来なかったな。大人しい魔物というのは本当らしい。

 案内を開始したマックについて行く。


「む、兎の群れだ」


「ほう、どれどれ」


 見てみると大型犬位の大きさの兎が10匹程のっしのっしと飛び跳ねていた。


「……何だか想像よりも大きいんだが?」


「あぁ、動物と魔物の大きな違いはその大きさだ。カルク様はダンジョン経験はおありですか?」


「アンデット系のダンジョンしか入った事ないっすからねぇ。カルク王子とカルラ王女は」


「そうでしたか、動物の個体が基本的に大きくならないのは他の生物を捕食し、その栄養を使って体を大きくするからです。しかし、魔物の個体は魔力を栄養とする事が出来るので栄養とは別に魔力も取り込む事で身体が大きくなるのです。そして動物とは違って魔物は食べれる部分が少ないモノが多いのが一般には流通しない理由の一つとなります」


「他にも理由が?」


「戦闘職でないと難易度の高いダンジョンの魔物には勝てませんから」


「なるほど」


 職業は女神からのギフトという事になっている。俺の担当の神は男神だったがカルラは女神だった。

 スキルや魔法は職業に合った者しか習得出来ない上にこの世界で育ったものは生来の職業を変える事は殆ど無く生涯を終える。

 職業は変わると言っても上位職になるだけで毛色の違う職業に変わる事は無い。

 生産職はダンジョンには入れないから中々出回る事は無いという事か。


「そこで我々、食材調達班や狩人……その地で食材を集めて卸す人材は重宝されるんですよ」


「なるほど」


「……兄様、お腹減った」


次回は、誰のSCENEにするか。

それでは皆様また次回。

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