第01稿03話~王者の墓場お試し3~
__遊び人|王者の墓場
次の階層へ行く。今度は忍者がスケルトンに対してどう立ち回ってるのか見よう。
「ではゆくぞ」
そう言って忍者は二振りの黒い刀を持って消えた。瞬間移動は冒険者の必須スキルなのだろうか。
「あれは君のヘイストのお陰だよ。僕も移動が見えない」
スケルトンの目の前に現れるが胴体と頭だけ一瞬見えて消える。これを繰り返してスケルトンがどんどん骨の山が出来上がる。
「シュトゥルム……!!!」
まて、特殊な細胞を植え付けられてるんじゃないか、この忍者。
『そんな固有スキルは……あるわ。自然治癒……あれは肉体強化にも繋がるから取得しててもおかしくない』
なにそれ俺のリストにはなかった。
『……俺たち、神にはロールによって固有に与える事が出来る能力が違うからな』
ほう、初耳だ。
『まぁ、俺は結構発言の自由が許可されてるからな。勇者PTと接触した事で結構自由に話せるぞ。俺の役割は道化。楽しくおかしく生きる様に導くのが俺の仕事である。勇者PT以外の秘密主義の他の奴らは信託スキル使われても、ここまでお喋りはしないだろうな』
随分、俗世にまみれた神だと思っていたが。担当のせいか。
『いや、これは素。自由にしていいのがフールの役割でもあるからな。俺は無限の可能性を示せる。他の奴らは助言出来る事に制限があるんだ。ラバーズとフォーチューン、あとハングドマン辺りは結構、色々話せるな』
この二人がその内の二人の担当と言う線は?
『濃厚だな。正直言って、そこの忍者はラバーズじゃない』
何で分かる。
『自然治癒がない。どちらかと言うと治癒魔法強化とかそっち系』
戦闘職じゃないって事か。
『そう言う事だ』
「終わった。次へゆくぞ!」
どっかのファイターみたいな感じで忍者が言う。
「3層目、試しにマップ作ってもらえるかな?」
「おぅ、分かった」
マップ製作のスキルで勝手に作ってるけど。紙に書かないといけないな。勝手に手が書いてくれるから良いが。3層目に着き、紙を取り出す。
「ではゆくぞーハーッハッハッハ」
脳筋の様に敵を切り刻んでいく、歩きながら紙に書いていく。
「安心して書いてて良いよ。僕が守るから」
しかし、撃ち漏らしなんか無いのではないか。ここは上級ダンジョン。勿論、敵のレベルも高い。
それを軽々となます斬りにするスレイヤー。しかもスケルトンは人と同じで武術や武器、魔法を使う。それがなすすべもなく輪切りにされている。
「君のヘイストのお陰で速度補正の攻撃の威力が上がってるんだよ。あと殲滅する時の次へのスピードも上がってる」
「成程。速度で威力が上がる系の技を使ってるのか」
「僕の仕事が無くなるが、予測不能の何かと会った時の魔力が温存できるし助かる」
「役に立てたのなら嬉しい」
自動書記を進めていく。
「しかし、凄い速さで書いていくね」
「あぁ、こういうのは得意だ」
「終了、次へゆこう」
「いや、今日はここまで。一旦、引き揚げだ」
「えぇ、もう終わりか!」
「一層、全部相手してるんだ。結構時間が経って、もう夕方だよ。今日は様子見だし完全に暗くなる前に帰ろう。5層迄行けるかと思ったけどかなり時間かかったなぁ」
「そう言えば寮の事聞いてなかった。どうするかな」
「あれ、特待生寮については聞いてない?」
「特待生寮?」
話ながらダンジョンの外に出る。
「そっか、君はスカウトされてないからか。今日はもう遅いし特待生寮に直帰しようか」
「特待生寮は特待生の寮でござるよ」
いや、それは分かる。ダンジョンから出たらござる忍者に戻っていた。刀を自分に刺してたのはびっくりしたが。どうやら血を操ることが出来るんだとか。血まで筋肉らしい。
「元々、スカウトされて入学前から特待生として入ることになってたんだよ。それで僕らはスカウト組って事さ」
「そうなのか」
「まぁ、あのクラスには王子と王女も居るから目つけられないようにしないとな」
「それ、フラグじゃね?」
「ですよねー。知ってた」
2023/04/30 書式などを調整。
某、忍者っぽい機体の技っぽいの、使ってます。
それでは皆様また次回。