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第02稿09話~そうだ、カメラを作ろう3~


__遊び人|トキトー邸


「連れてきたっす」


「ご苦労」


「ゴートや忍者ならまだしも、そこのライダーまで俺の居場所分かんだよ」


「生体情報をタグ付けしてるからっすよ」


「生体タグ……?まぁ、良い。何の用だ?」


「屋敷を出る時の見送りを頼む。お前、暇だろ」


「そこのライダーが一瞬死んだように見えたが大丈夫だったな」


「死んでないっすよ?」


「勇者と話してる時に拉致られたから、勇者に狙い撃ちされるんじゃないかと冷や冷やしたわ」


「飛び道具あるっすか?」


「勇者自体が弾丸だろ」


「流石に俺より速くは無いっすよね」


「いや、どう考えても速いと思うが」


「トキトー、ノーライルと遊んでないでそろそろ行きたいんだが」


 玄関から門の方まで進む。いきなり連れてこられたんだ。まぁ適当でいいだろう。


「あぁ、ごめん見送りだっけ?俺で良いのか?」


「あぁ、屋敷を出る所まででいい」


「分かった。所で何処行くんだ?」


「ダンジョン案内してもらうまでに草原辺りで経験値を積もうかと」


「成程、頑張ってくれ」


「じゃあ行って来る」


「……何か声かけした方が良いか?」


「いや、別に」


 そう言って王子達は門から出て行った。



__ライダー|草原


 取り敢えず近場の草原にやって来た。ここなら死角も無いし直ぐに駆け付けられる。


「ここら辺で良いっすね。手頃な動物が結構居るっすよ」


「美味しい?」


「獲れた獲物は帰って料理してもらうっすよ。俺は手を出さないので動物の動きを見極めて倒して捕まえてくださいっす」


「よし、カルラの為に獲りに行くぞ!」


「気を付けてくださいっす。では王女殿下は基礎トレーニングをしましょう」


「え、ヤダ」


 無表情で返事が帰ってくる。このカルラ王女はカルク王子の前じゃないと基本的に表情が抜け落ちている。


「ではダンジョンには入れないっすよ。屋敷のご飯で我慢してもらう事になるっす」


「ヤダ」


「ではまずは身体を動かせるようにして欲しいっす。ダンジョン内だと転移罠等がある可能性もあるっすから。転移させられたら流石に俺も何時でも駆け付けられる訳じゃないっすからね」


「分かった。何すればいい?」


「そうっすね。ではランニングをするっす。そこ等へん適当に走ってくるっすよ。終わって良い時になったら声掛けるっすよ」


「走ってくる」


 王女は草原を走り始めた。王子の方は……なんか穴掘ってるっすね。しかも、剣で。


「何してるっすか?」


「穴を掘っている」


「なんで掘ってるっすか?」


「落とし穴、作って捕獲しようかと」


「いや、戦って倒してくださいっす」


「戦うと言っても逃走する奴しか居なさそうだぞ」


「あそこに角兎が居るっすよ」


 角兎はこの世界に生息している角が生えている兎だ。角での攻撃が当たると痛いが死ぬほどではない。


「あれか。よし、やってみよう」


「見守ってるっすよー」


 白い角兎が王子を視認して走ってくる。その速度は兎だけにかなり速い。


「ちょ、速くないか!?ここだ!」


 突進する角兎の回避し直撃コースに剣を置いて対処した。剣に弾き飛ばされた角兎は距離を取りじりじりと王子に近づく。


「スラッシュ」


 スラッシュは剣の基本スキルだ。斬撃力が強化された剣が角兎に向かう。角兎は角で受けたが斬撃力の強化されたそこそこ良い装飾剣に角を斬り飛ばされた。


「きゅ!?」


 後ろに一歩引いた兎は王子の掘った穴にハマった。


「捕獲!!どうだ。ノーライル」


「おぉ、凄いっすね王子。王子凄い流石!」


「何だお前」


「なんすか」


「お前同い年だろ」


「そうっすけど」


「何か子供扱いされてムカついた」


「褒めて伸ばす主義っすよ」


「別に褒めなくて良い。それよりコレ捕まえたけどどうするんだ?」


「取り敢えず血抜きをするっすよ。あ、これ、ナイフっす」


「どうやってやるんだ?」


「首切って逆さ吊りっす」


「スラッシュ」


 ためらわずに角兎の首を落とし後ろ足を持って掲げる王子。


「あんまり高く上げなくて良いっすよ。召し物が血で汚れるっすから」


「分かった。うわ、結構出るんだな」


 草原に赤い血だまりが作られる。


「後はそこの木に吊るしておくっす。あ、これ、紐っす」


「こうか?」


「角兎の角は材料になるみたいっすから。遊び人にでもあげるっす」


 角兎の後ろ足を縛って木に吊るしたのを見て、斬り飛ばされた頭の方に向かう。

 頭を拾って、角を掴み引っこ抜く。強化スーツを装備している俺は全ステータスが底上げされているので余裕で引っこ抜く事が出来る。


「あと。20匹程捕まえて行こう」


「どんだけ食べる気っすか……」


「皆に振舞うぞ!」


 その後、王子は調子乗って50匹も乱獲していた。


「何時まで走ってればいいの?」


「あ、忘れてたっす。もう終わりで良いっすよ」


「疲れた。ねぇ、アレ殺戮現場?」


「違いないっす」


 帰る頃には同じ場所で血抜きをしているせいで真っ赤な水たまりが更に広がっていて落ちている角を抜かれた割れた頭も含めると殺戮現場に違いない。


「王子ーそろそろ帰るっすよ。でもこれならダンジョン潜っても問題なさそうっすね」


「そうか?案内の人は解体出来る人かな。教えてもらうか」



ダンジョン飯は明日でした。暫く、忙しくなりそうなので二日更新にします。


次回はトキトー邸に籠ってる人物です。

それでは皆様また次回。

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