第02稿09話~そうだ、カメラを作ろう2~
__勇者|ブレイクタイム商会
ゴートさんに案内されてブレイクタイム商会に来たよ!
「私は研究部リーダーのエクレアと申します。それで何の用でしょうか。何やら面白い題材だと聞いたのですが」
ローブを羽織ったチョコレートの色の髪の長い人がエクレアと名乗った!美味しそうな名前だ。
「えっと撮りたいモノに向けてスイッチを押すとその風景を保存できるって魔道具を作って欲しいの!」
「風景を保存……確かに便利そうですね。構造については色々考えてみましょう。整ったらブレイク様に仕様書を提出すれば良いですか?」
「いえ、私に直接、提出してください」
「分かりました。それでそちらの方々は?」
「勇者のユウ・キサラギです!」
「魔女のスノウ・エンドライトよ」
「聖女のココノ・コロだよ!」
「戦乙女のソル・サカキだ」
「勇者PTの方々でしたか。魔道具に開発については好きなようにブレイク様から許可は貰ってますので出来ますけど。ブレイク様に聞かれた場合は私は伝えます。大丈夫ですか?」
「大丈夫!問題は無いよ!」
「そうですか。分かりました。それならば研究部の方に持ち帰らせてもらいます」
「良かった!!これでユウ君を激写出来るよゴートさん!」
「楽しみですね」
「良からぬ事に使いそうですね……」
「ソ、ソンナコトナイヨー」
「事実無根です」
「その通り!」
「まぁ、そう言うコトにしておきましょう」
「魔道具開発には興味があるのだけれど」
「あ、私もかな」
「口外しない契約書書いてくれるのなら見学しても良いですよ?でも、魔女と聖女ですか。ブレイク様に契約書作ってもらいますかね」
「ユウ君、呼ぶの?」
「呼んできて下さいゴート」
__遊び人|ブレイクタイム商会
「と言う訳で連れてきました」
「なに?なんだ?今日は拉致られ日か?」
「ユウ君ユウ君。魔道具の作り方に興味があるんだけど見せてもらっても良いかな?」
「エクレアが良いなら許可をする」
「ブレイク様がそう言うのなら良いですよ」
「ありがとうトキトー君」
「良かったらアイディアとかあったら、どんどんエクレアに伝えてくれ」
「分かったわ」
「それじゃ、俺は」
「失礼するっす。王子達が呼んでるっすよー」
「あ?」
「ああ!ユウ君!行かないで!!」
__勇者|ブレイクタイム商会
目の前でユウ君が連れ去られてしまった!!追いかけなきゃ!
「お嬢様、追いかけない方がよろしいかと」
「どうしてゴートさん!」
「王子達の元に呼ばれたと言っていたので邪魔しない方が良いかと思います」
「むむむ!!」
「ここは堪えてカメラ製作いたしましょう」
「分かった!断腸の思いでカメラ製作する!」
「それじゃ研究部に移動しようか」
「紹介するわ。研究部の職員、エイミーとエマよ」
「よろしくお願いします」
「エマよ。よろしく」
茶髪の女の子二人、どことなく細部が似ている。もしや姉妹?それよりも女の子ばっかりだ!
「女の子ばっかり!!ユウ君の趣味?」
「単純に男は戦闘職が多く女性は生産職が多いだけですよ」
「成程!!」
「さて、景色を映し絵にする魔道具を作りますよ2人とも」
「分かりました。倉庫の魔道具をピックアップしてきます」
「私も手伝うわ」
「魔道具?探すの?」
「そう、簡単な物なら魔道具の生産職を手に入れたら出来るのだけれど高度な物はダンジョンで生成される物を期待するしかないんです」
「そなの?」
「そして今現状で出来るのは魔道具同士を組み合わせて新しい効果を持った魔道具を作り出す事です」
「へぇ、だから魔道具を探しているんだね」
「はい、今回の依頼に関しては色関係の物等を使う事になると思います。皆さんも倉庫をご覧になりますか?危ない物もあるので触らないのが条件ですが」
「見る!」
「では、こちらへ」
倉庫は隣の建物にあるらしい。研究部の勝手口から外に出ると大きな建物がある。中に入ると広い空間が広がっていた。
「おお、広い!」
「これだけ広いと探すのに苦労しそうね」
「棚に直接、置いてあるものは基本的に大丈夫ですが。箱に入ってるモノは触らないようにお願いしますね」
「分かった!探索だ!」
棚を眺めながらずんずん進んでいく。
__魔女|ブレイクタイム商会―倉庫
「ユウは放っておいて、カメラを作りたいのよね」
「カメラですか?」
「えぇ、写真、風景を写した紙を作り出す機構を持ったモノよ」
「どの様な物か分かります?」
「レンズを通す位しか分からないわね」
「レンズ……成程」
「鏡も入ってなかったっけ?」
「鏡ですか」
「あとは四角いわね」
「四角……大きさはどの位なのでしょうか?」
「手で持てるくらい」
「いや、作られた当初は設置するタイプじゃ?」
「光に反応するアイテムを紙に付与したものが必要だと思うわ」
「成程、そうすれば写したい光だけを取り込む物を作れば良いんですね」
「そうね。頑張って」
「腕が鳴ります。任せて下さい。私もちょっと探してきますね」
勇者は倉庫内を走り回っています。子供か。子供だ。
次回は王子達のダンジョンタイム。2頁位でしょうか。
それでは皆様また次回。