『無』
慣れと麻痺が生じると、人ってのは無になる。
涙も出なけりゃ、怒りも湧かない。
痛みを感じることも、喜びを感じることも無い。
何も感じることの無い、呼吸をしているだけの空虚な生物と化す。
無関心。無感情。無関係。
つまり、 皆無になるのだ。
皆無。皆無。皆無。
童心や遊び心を忘れ、突っ立っているだけの、退屈なドロ人形のように。
そんな退屈な生涯、生きる気無い。
と自信を持っていようが、ある日突然その時はやってくるのだ。
一体何が、彼女を、彼を、私を、君達を、そんな風にしてしまったんだろうな。