SCPの世界へようこそ!
「さてと、また起動するか。今度はどんなものが出るかな?」
ブライト博士はとある部屋に入っていく。そこにはSCP-003-JP-4が収容されている収容室である。
本来は彼に見つからないように隠していたのだが、どんな方法を使ったのかすぐに見つかってしまった。
「なんかガチャを回している気分だよ…日本のソシャゲとやらのガチャ排出率が悪いそうだが、お前は次にどんなものを出すんだい?」
そして起動する…今までとは違う黒い光を出しながら。
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「ぬがぁ!こいつ強すぎんだろ!」
所変わって楓雅は現在、自宅でゲームをしていた。パソコンゲームであるSCP secret laboratory である。無料だぞ!
このゲーム、簡単に言えば人間対SCPという構図なのだが詳しくは説明しない。ぜひともプレイしてみてくれ、とても楽しいゲームである。
まぁ、そのゲームで彼はたった今SCP-173に殺られたのだが…
「RPすんの楽しいなこれ…たまにガチで凄い人いるから余計そういうのが楽しいんだよな」
ボイスチャットを使ったRPが凄い人がいるためそういう人を探すのもひとつの楽しみとなっていた。
だが、そんな楽しみはここでおしまいだと言わんばかりに彼の目の前に世界をかき分けて飛び出してきた黒い光に呆然とする。
「な!なんだこれ!眩しい!ぬぉ!?吸い込まれる!」
徐々に光が強くなり彼を吸い込み始めた光、よくよく見ると空間にヒビができていた。そしてそのヒビが大きくなり…
吸い込まれる。
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「おぉ、出てきたけど…人かぁ…これはめんどくさいなぁ」
ブライト博士の目の前には動作が止まったSCP-004-JP-4があり、そして足元には1人のアジア系男性が居た。気を失っているようだ。
「さすがに空間を越えるのは耐えられなかったかな?とりあえず職員を呼ぼう」
面倒くさそうに彼は職員を呼ぶ。実際に面倒臭いだろう、別世界からの人物がやって来たのだから。
「……博士!!また起動しましたね!」
全力疾走してきたのか、息が切れているはずなのに大声でブライト博士を怒る男性職員。
「うるさいな…それの何が問題なんだ?」
「はぁ…はぁ…別世界からやって来るってことはその世界から物が失われるということが分からないのですか!?」
「そりゃ分かるさ、これでも博士だからね」
馬鹿にされてるけどもそれを流す。流石は博士だ(白目)
「しかも今回は人ですよ!人!」
「だから?」
「───!!!」
イラつき過ぎて暴れ始める男性職員。髪をかきむしりながら声にならない声を出す。彼は最近ブライト博士に振り回されすぎてストレスが過剰に溜まっているようだった。
さて、どんだけめんどくさい事になるかと言うと、別世界では何が起こったか把握出来ないという点だ。
原因不明の物の損失や人の失踪。しかもそれがSCPの存在しない世界だからカバーストーリーさえも用意されずに世間に出るという事態になる。
まぁ、ここまで書いたが要するにこの世界には関係ない話である…いやあるかもしれない…分からないけど。
「──…はぁ…とりあえず警備の人に医療室に運ばせます…」
「たのんだぞー」
「あなたも来なさい!報告書を頼みますよ!…ったく」
ブツブツ言いながら出ていく男性職員は警備員に連絡をし別世界からやってきた20代の男性を医療室へ運ばせるよう指示し、ブライト博士を引っ張りながらSCP-004-JP-4の収容室から出ていく。
彼はなぜ気を失ったのか考え、最終的に空間を越えたからだと予想したブライト博士。
それは全くの見当違いである。
さてさて…これから何が起こるか、『神』でさえ分からない…safe詐欺の彼は関与してないが。