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異世界美容室  作者: きゆたく
一年目、異世界王国飛翔篇
21/136

※ナナセの姉、マイ降臨※


「今日からしばらくよろしくね」


「お姉ちゃん!よろしくね!」


「マイさん、よろしくお願いします」



 私は今日からパラレルでしばらく働かせてもらう。まだ先だけど、学校の先生になるんだってさ!久々の美容師としての仕事は凄く楽しみだ。まぁ取りあえず、しばらくはパラレルで働いてブランクを取り戻してやる!



※※※



「マイさんって色々と上手ですね!それに師匠や姉御とはまた全然違う視点のアドバイスです!」


「オーパイちゃん、ありがとー!ブランクあるとはいえ、キクチの先輩だよ私は」


「今度、ギルドにも来てくれませんか?その服のセンス、凄く参考になります!」


「ユニクさんもありがとー!」



 流石にオーパイちゃんよりは上手いに決まってるよ。確かにキクチくんやナナセは、カジュアルな服装だよね。私みたいな少しカラフルなモード系の服装は珍しいかも。



「確かにお姉ちゃんは、少しモード系だし目立つかもね」


「いいんじゃない?新しいオシャレの波、来るかもね」


「流行はそんな簡単に作れないよ!」



 私はそう言ったが、キクチくんとナナセはそのうちわかるよ言った。その後も私はパラレルで働いたり、街を見学したりした。頼まれていた服飾ギルドに行ったら、質問攻めにあったりもした。



※※※



 一週間もすると大分慣れた。エルフの耳の扱いや、獣人のシャンプーブローもお手のものだ。そしてキクチくん達が言っていたことも良くわかった。



「ねっ言ったとおりになったでしょ!」


「本当にねぇ、凄いやこの国…」



 あっという間に、モード系ファッションが流行り出した。もう私は珍しくないのだ。そしてここから私は、この国の凄さを知っていく。



※※※



 きっかけは些細だった。そもそも私はパラレルでカットをするつもりはなかった。それはキクチくんにも悪いし、これからナナセもする様になるからだ。学校の先生になるのに、片手間でカットするのは忍びない。でも…。



「マイさんに切ってもらいたい」



 服飾ギルドのスタッフの何気ない一言から、始まった。私のヘアはファッションに合わせて、少しアバンギャルドなショートだ。なのでモード系のファッションを取り入れた人達は、私の真似をしたいそうだ。



「マイさん、良いですよ!」


「でも、キクチくん達に悪い気がするし…」


「お姉ちゃん!店長もああ言ってるんだから、やってみなよ」



 そう言われて私は少し調子に乗ってしまった。カットウィッグ以外の久々のカットに、心が踊ってしまったのだ。安請け合いをしたせいでここから大変になる。



※※※



 私は売れっこ美容師になってしまった…。モード系ファッションの伝道師だ。



「キクチくんごめんね…お客様を取るような形になってしまって」


「全然良いですよ!僕達も勉強になるし」


「お姉ちゃん平気だよ!それでも店長の方が忙しいんだから!」


「アタシもマイさんで、勉強させて頂いてます!」

 


 皆はそう言ってくれるけど…まぁ仕方ないのかもしれない。これが異世界と思って頑張ろう。それにしてもキクチくんは大分凄い。早さや、正確さ、仕上がりを見てもレベルが違う。同じ時間で同じスタイルを作ったら多分間違いなく私が負ける。ナナセも同じ様なものだ。カットでは私の方が上だろうけど、他は私と遜色ないレベルだと思う。この世界で二人とも大分鍛えられたのだろう。オーパイは、まぁ頑張れ…。



※※※



 その後も色々とあった。美容学校の打ち合わせに参加させてもらったら、王妃様や侍女に大分好かれた。変な趣味は止めてくれよ…。他にもお店に来たアントレンという騎士に「一目惚れだ、結婚してくれ」と言われた。どうなってんだこの世界…。



「お姉ちゃん、この国で人気凄いね!」


「ただ、珍しがってるだけだよ」


「アントレン様なんか、しょっちゅう来るしね」


「あの人あれでも偉い団長なんだろ?大丈夫この国?王妃様達も少し百合、入ってない?」


「服飾ギルドでもファン多いしね!」



 まぁとにかく、離婚とかをすっかり忘れるくらい充実はしているな。それでも私が活躍出来たのは、先に来ていたキクチくん達がいたからだ。そのベースがあって今の私がある。で、あるならば是非とも美容学校を成功させて貢献しないとね!頑張るべし!



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